騒音による嫌がらせとは?一般的な騒音との違い
一般的な騒音の事例
騒音とは、一般的に「人にとって好ましくない音」のことを指します。
【騒音の事例】
- 交通に関する音
- 工事現場の音
- スーパー・飲食店・繁華街などから聞こえる話し声や音楽
- 隣家や上下・左右階から聞こえる生活音・音楽・話し声・ピアノの音
- 近隣からのペットの鳴き声
空気音(空気伝播音) | ・話し声 ・スピーカーの音 ・楽器の音 ・ペット等の泣き声 |
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固体音(固体伝播音) | ・足音 ・家具を動かす音 ・ドアを開け閉めする音 ・スピーカーから床や壁に伝わる重低音 |
上記のように、一時的なものから永続的に聞こえるもの、また時間帯が限られているものなどさまざま。
多くの場合は故意ではないものの、音の種類や大きさによっては深刻な騒音トラブルに発展するケースもあります。
嫌がらせ目的の可能性がある騒音の事例
前述したように騒音には多くの種類があり、音の聞こえ方・伝わり方もさまざま。
このなかには「嫌がらせ目的の可能性が否定できない違和感を感じる騒音」も存在します。
- 壁越しからモスキート音が聞こえる
- 壁越しに叫ぶ・歌う
- 低周波音が家中で鳴り響く
- 異常な大きさの音楽・重低音
- アプリや装置を用いて不快音を出している可能性がある
もちろん、人によって我慢できるレベルや聴力に差があるため、同じ音を聞いても「不快」「何とも思わない」などの個人差があります。
だからこそ「騒音による嫌がらせをされている」と断定するのは難しいもの。
相手が嫌がらせ目的で騒音を立てていることを証明したいときは、音の大きさや発生源、音の種類などを専門家に詳しく調べてもらうことをおすすめします。
騒音の受忍限度と基準
騒音の「受忍限度」
受忍限度とは、社会通念上、我慢(受忍)ができる被害の程度のこと。
もちろん我慢できる大きさには個人差がありますが、過去の判例では「子供が走り回る音(50~60㏈程度)の騒音被害」で受忍限度を超えていると判断され、慰謝料が認められたケースも存在します。
「隣からの騒音がうるさい」と感じているときは、どれぐらいの大きさの音が鳴り響いているのか、騒音計を用いて騒音レベルを確認してみるのもおすすめです。
受忍限度の基準
受忍限度の基準は、各自治体によって定められています。
時間帯や地域によって基準値は異なるものの、一定の基準値を超えてることが証明できれば受忍限度を超えていると判断され、慰謝料・損害賠償・治療費などの請求をおこなうことも可能です。
また、音の大きさや頻度など、騒音による被害の証拠が提示できれば、騒音の発生元(発生させている人)を刑事罰に問うことができるケースもあります。
(参考文献:環境省「騒音に係る環境基準について」)
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【騒音トラブル】実際の相談事例
マンションにお住いの40代男性のケース
現在のマンションに引っ越しをしてから、上の階の騒音に悩まされています。
家具を引きづるような音や、ドアの開け閉め音、重いものを落とすような音など、毎日のように不快な音が響き渡ります。
何度か困っていることを伝えているのですが、上の住人は「何も音を出していない」と全く認めません。
日に日に騒音は酷くなるばかりで、眠れない日もあり肉体的にも疲労が溜まっています。
また、わざと騒音を出しているのではないかと思うくらい悪質な音を立ててきます。
管理会社へも相談しましたが、相談してから被害が酷くなり我慢の限界です。
一戸建て住宅にお住いの60代女性のケース
一戸建てに住んでいるのですが、隣に引っ越してきた家族から騒音による嫌がらせを受けています。
雨戸をわざと強く開け閉めしたり、大音量で私の家に向かって音楽を流してきたり。
初めは気にしていなかったのですが、最近はほとんど毎日のようにやっているので我慢できません。
一度話し合いに行ったのですが、全く聞く耳を持ってくれず解決に至りませんでした。
一戸建てなので簡単に引っ越すことはできませんし、長く住んでいる土地なので愛着があります。
問題を解決し平穏な生活を送りたいです。どうにかならないでしょうか。
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騒音による嫌がらせの対処方法
相手と話し合いをする・手紙を出す
相手と話し合いをすることで、騒音トラブルが解決することがあります。
相手が騒音を出してることに気付いてないとき、また心当たりがあり素直に受け入れてくれるようであれば、騒音を出さないよう気を付けて生活を送ってくれることでしょう。
しかし、直接苦情を言いに行く行為はとてもリスクが高いものです。
「そんな音は出していない」「身に覚えがない」などと騒音を認めないこともあり、お互いが感情的になれば口論に発展する恐れもあるでしょう。
逆恨みされれば、ますます被害が拡大する可能性も考えられます。
どうしても直接相手に苦情を伝えたいときは、対面で話すよりも匿名で手紙を出す方法のほうがおすすめです。
ただし、イタズラの手紙として処理されたり、手紙に目を通してもらえなかったりなど、改善されない可能性もあるためご注意ください。
管理会社・大家さんに相談する
管理会社や大家さんがいる場合は、一度相談してみましょう。
被害の程度によっては注意喚起のチラシをポストに入れてもらったり、騒音に注意するよう掲示板に貼付してもらったりなどの対処が期待できます。
管理会社や大家さんに相談する際は、できるだけスムーズに対応してもらえるよう被害状況を詳しくまとめておきましょう。
- どこから聞こえるのか
- どのような音が聞こえるのか
- 音が聞こえる頻度・時間帯
- いつ頃から発生しているのか
- 測定器で騒音レベルを測定しておく
- リニアPCMレコーダーなどの専門的な機器で騒音を録音しておく
あとからトラブルにならないよう、管理会社や大家さんには「苦情元がどこなのか」悟られないよう協力してもらいましょう。
自治体や警察に協力を要請する
話し合いでの解決が困難なとき、また管理会社や大家さんの介入が難しい場合は、自治体や警察に協力を要請しましょう。
区役所などの公共機関へ相談すれば、騒音の被害状況を調査し、原因や実情を把握したうえで相手への改善指導をしてくれる事があります。
また、警察も直接相手へ注意してくれる事があり、注意後も変わらず騒音を出し続けたときは「警察の制止を無視した」ということで刑事罰(軽犯罪法違反)に処せらえる可能性もあるでしょう。
弁護士に相談する・法的手段(裁判)で訴える
弁護士へ相談し、裁判など法的手段をとることは最も有効な手段です。
民法709条「不法行為」に該当すると認められれば、騒音行為の差し止め・損害賠償請求をおこなうことができます。
(不法行為による損害賠償)
第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
(引用元:e-GOV法令検索)
法的に訴える場合は、有効性の高いデータや証拠が必要です。
ご自身で集めた証拠を持参して弁護士に相談し、ほかにどのような証拠が必要なのかお尋ねしてみましょう。
いずれの方法をとるにせよ、騒音被害を訴えるには客観的な証拠が必要です。
ご自身で証拠を取るのが難しい際は、騒音問題に強い探偵事務所や専門家へのご相談をおすすめします。
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【要注意】騒音トラブルでやってはいけないこと
苦情を言いに行く
最初から喧嘩腰で苦情を言いに行くことは絶対に避けましょう。
ただでさえ当事者同士での話し合いでの解決は難しいものです。これが最初から喧嘩腰となると、お互いが感情的になってしまう可能性が高く、前向きな解決にはほど遠い末路を迎えることがあります。
相手を刺激してしまえば更なる嫌がらせが始まる恐れがあり、最悪の場合だと傷害事件など大きなトラブルに発展することもあるでしょう。
相手と直接話し合いをしたいときは、管理会社や大家さん、弁護士など客観的に判断できる第三者の同席のもとおこなうことを強くおすすめいたします。
仕返し・復讐をする
苦痛な騒音に腹を立て、同じように仕返し・復讐をすることは大変危険です。
- 相手を刺激してしまい、返って事態が悪化する
- 集合住宅などの場合、ほかの住民へも迷惑を掛けてしまい別のトラブルが発生する
- 近隣からトラブルメーカー扱いされる
- 深刻な問題・事件へと発展するケースがある
仕返しや復讐をすると、上記のようなリスクが発生します。仕返しや復讐を考えるのでなく、正当な手段や方法で戦うことを心掛けましょう。
我慢する・放置する・無視する
「無視するのが一番効果がある」「気にしない」「我慢していれば諦めるだろう」と騒音被害を放置し続けると、ストレスが溜まって日常生活に支障が出たり、睡眠不足になって仕事ができなくなったりなどの精神的・肉体的ダメージを負うことがあります。
相手が攻撃的な性格の場合、さらなる騒音を仕掛けてくる恐れもあるでしょう。
騒音問題は放置せず、周囲の人や専門家へ相談をしたうえで正しい方法で解決させることをおすすめいたします。
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騒音による嫌がらせの解決に必要な証拠
一般的な騒音であれば、管理会社や大家、自治会などからの注意等で収まることもあります。
しかし「嫌がらせ」によるものとなればそう簡単ではなく、警察や弁護士、専門家などの介入なしでは解決できないケースがほとんどです。
警察や弁護士などに介入してもらうには、必ず客観的な「証拠」が必要となります。
どのようなものが証拠と呼べるのか、騒音が嫌がらせだとどう証明したらいいのか、一緒に見ていきましょう。
頻繁に記録をする
騒音による嫌がらせを受けた日時や頻度を細かく記録をしておくことが大切です。
記録をしておくことで、第三者へ被害を訴える際にスムーズに事態を進めることができ、最終的に全ての記録と合わせて騒音被害を立証できる可能性があります。
メモや日記等で構わないので、被害状況を頻繁に記録しておきましょう。
周囲の証言を取る
同じように被害を受けている人が周りにいる場合は、その方達の証言を取っておくことも良いでしょう。
被害を受けている人がいない場合は、家族や親戚、友達や知人、可能であれば管理会社や大家さんなどに現場に立ち会ってもらい、実際に音を聞いてもらって証言を取る方法が有効です。
証人の属性や証言内容によって有効性に差はあるものの、ひとつの証拠として効力が期待できるでしょう。
精神的・肉体的被害があるときは診断書を取る
騒音被害によってうつ病や睡眠障害、そのほか身体への影響が現れたら、病院へ行って診断書を取っておきましょう。
騒音被害との因果関係が証明されれば、慰謝料請求や訴訟を起こす際に役立てることができます。
嫌ががらせかどうかの証明をする
騒音による嫌がらせ被害を解決するには、騒音が嫌がらせ(故意的)によるものだと証明できるかどうかが重要です。
【嫌がらせかを証明する方法】
- 一定期間継続して騒音の測定し、記録を取る
- 被害を受けている側の行動パターンや生活状況と、騒音が起きている頻度が一致しているかどうかを判断する
明らかに被害者が自宅にいるときだけ騒音が激しい場合、また深夜や就寝時のみなどに騒音が出ている場合などは、「嫌がらせ」だと判断することができるでしょう。
単純に騒音被害ということだけではなく、「嫌がらせ」だと認められなければ十分な処分が相手に下されず、再犯の恐れや被害が悪化してしまう可能性も考えられます。
ご自身での判断が難しいとき、また証拠を取ることが難しいときは、探偵などの専門家への相談も検討しましょう。
なぜ?嫌がらせをする人の特徴・心理
残念ながら、世の中にはわざと騒音を出す人、しつこい騒音を繰り返す人、注意してもやめない人などが存在します。
そのような人には、共通している特徴や心理があるものです。
よくある特徴・心理を見ていきましょう。
【嫌がらせをする人のよくある特徴・心理】
- ストレス発散
- 人が嫌がることをするのが楽しい
- 「自分のほうが前からここに住んでいた」などの優位性をアピールしたい
- 相手の生活が良く見えるなどの嫉妬心
- 「相手から嫌がらせをされている」という思い込みによる仕返し
上記のほかにも、精神疾患などの病気を抱えているケースもあり、刺激すると悪化するケースも存在します。
「自分だけでは解決できない」「穏便に解決したい」「隣人が異常…」と思ったときは、ご自身や家族の安全を確保することが最優先です。
早い段階で専門家に相談し、解決方法の提案・アドバイスを受けましょう。
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まとめ・騒音による嫌がらせは探偵への相談も有効
騒音による嫌がらせの問題を解決するには、証拠の種類や量、相談先の選定などが重要となります。
問題を放置してしまうと解決まで長引き、さらなる被害へ発展してしまう恐れもあるでしょう。
早期解決を望むときは、早い段階で動き出すことが何より大切です。
弊社・T.L探偵事務所でも、騒音による嫌がらせのご相談を電話・メールにて24時間無料でお受けしています。
騒音の状況や発生元(騒音相手)とのトラブルの有無、お住まいの環境など詳しくお話を伺えれば、適切な解決策・アドバイスをご提案いたします。
まずはお気軽にお問合せください。
毎日を平穏に過ごすためにも、平和な日常を取り戻すためにも、何よりご自身やご家族の心身を守るためにも、早期解決に向けて一歩踏み出しましょう。