警察が「証拠なし」で動けない2つの理由

警察に相談しても「事件として扱うのは難しい」と言われてしまうのには、明確な理由があります。
警察には、個人間のトラブルに介入してはいけないという法的な原則があるからです。
まずは、警察が動けるケースと動けないケースの境界線について正しく知っておきましょう。
【大前提】刑事事件と民事事件の違いを知っておこう
警察が捜査を行えるのは、法律で定められた「刑事事件」に該当する場合のみです。
一方で、個人同士の争いや金銭トラブルなどは「民事事件」と呼ばれ、警察が介入してはいけないという「民事不介入の原則(※)」が存在します。
例えば、次のようなケースは民事事件とみなされ、警察が直接動くのは難しくなります。
- 騒音トラブル
- 感情的な口論やマナー違反(ただし、殺意をほのめかしたり、信用を傷つけるような投稿を繰り返す場合は「脅迫罪」「名誉棄損罪」「信用棄損罪」「業務妨害罪」になります)
- 個人同士の金銭の貸し借り(ただし、最初から返金する気がなかったことを裏付ける証拠がある場合は「詐欺罪」となり刑事事件になります)
これらは犯罪であることを立証する証拠がなければ、警察に「当事者同士で解決してください」と言われてしまう原因になります。
※なぜ「民事不介入」で動いてくれないのか?
警察が民事不介入を貫くのは、国家権力が個人の生活に不当に干渉することを防ぐためです。
そのため、単に「嫌なことをされている」と伝えるだけでは、警察は「犯罪なのか、ただのトラブルなのか」を判断できません。
警察に動いてもらうためには、今起きていることが「明らかに犯罪である」と裏付ける証拠が必要不可欠なのです。
警察が動く嫌がらせ被害の具体例
一方で、嫌がらせの内容が次の違法行為に該当する場合は、刑事事件として警察に動いてもらえる可能性があります。
- 窃盗(物の盗難)
- 傷害・暴行(体に触れる・怪我をさせる)
- 器物損壊(建物や車などを傷つけたり、破壊したりする)
- 不法投棄
- 盗撮
- ストーカー行為
ただし、これらに該当していても、被害額が少額であったり、証拠不十分で犯人の特定が困難だったりする場合は、捜査が後回しになることもあります。
すべての嫌がらせやトラブルにおいて、早急に捜査がはじまるわけではないのでご注意ください。
警察に動いてもらうために!必要な強い証拠の条件

「証拠ならあります」と言っても、それが警察にとって有効なものとは限りません。
警察が捜査を開始するためには、裁判でも通用するような客観的な証拠が求められます。
どのような証拠を揃えるべきか、代表的な3つの条件を確認してみましょう。
1.犯人の顔や行為がわかる鮮明な映像・写真
最も強力な証拠となるのが、犯行の瞬間を捉えた映像です。
次のポイントを満たしているものが望ましいでしょう。
- 犯人の顔がはっきりと判別できる
- 何らかの損壊行為や盗難行為を行っている場面が映っている
- 映像の加工がされておらず、日付や時間が記録されている
これらがあれば、警察は「いつ、誰が、何をしたか」を客観的に判断できるため、事件として受理しやすくなります。
2.いつ・どこで・何をされていたか記録した被害メモ
証拠は映像だけではありません。
継続的に行われている嫌がらせの場合、日々の被害を詳しく記録したメモも重要です。
- 被害に遭った日時、場所
- 嫌がらせの内容(どんな暴言を吐かれたか、何をされたかなど)
- 周囲にいた目撃者や、当時の自分の対応
このように具体的に記録し続けることで、被害に一貫性と継続性があることが証明され、警察も重大な事案として捉えてくれるようになります。
3.第三者の証言や専門家の調査報告書
自分一人だけの主張よりも、客観的な立場にある第三者の証言がある方が証拠能力は高まります。
- 近隣住民の目撃談
- 職場やマンションの管理人の証言
- 探偵事務所などが作成した調査報告書
特に探偵の調査報告書は、プロの視点で犯行現場や犯人の身元を特定しているため、警察に提出する際の強力な裏付け資料となります。
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今すぐできる!警察に動いてもらうためにやるべき行動

「証拠がまだ揃っていない」という場合でも、諦める必要はありません。
今すぐできる対策を行うことで、将来的に警察に動いてもらうための土台を作ることができます。
警察相談専用ダイヤル「#9110」で相談実績を作る
いきなり110番するのをためらう場合は、警察相談専用ダイヤル「#9110」を活用しましょう。
ここでは犯罪に至る前の段階でも相談を受け付けています。
相談することで「相談受理番号」が発行され、警察内に相談したという実績が残ります。
後に大きな被害に発展した際、「以前から相談していた」という記録があることで、警察の初動が格段に早くなるメリットがあります。
自分で無理に張り込まず、防犯カメラを設置する
証拠を掴むために、自分で現場に張り込み、犯人を捕まえる方法はおすすめできません。
次のようなリスクが生じる恐れがあるからです。
- 犯人に逃げられた場合、犯人を特定する機会がなくなってしまう可能性が高い
- 24時間の張り込みは心身やライフスタイルに悪影響を与える
- 犯人に危害を加えられる恐れがある
- 捕まえる際に乱闘になり、犯人にケガをさせてしまう可能性がある
- 最悪の場合どちらか(またはどちらも)命を失う恐れがある
安全に証拠を確保するためには、防犯カメラの設置が有効です。
防犯カメラを設置すると嫌がらせの現場が撮影できたり、犯人の特定に至ったりなど、解決に向けて大きく動き出す可能性が高くなります。
最近では安価で手に入りますし、警備会社や探偵事務所が提供するカメラのレンタルサービスを利用するのも一つの手です。
ただし、極端に安い防犯カメラは雨や強風で壊れたり、映像が鮮明ではなかったり、夜間撮影ができなかったりすることもあるため注意しましょう。
被害届だけでなく「告訴状」の提出を検討する
警察に提出する書類には「被害届」と「告訴状」の2種類があります。
それぞれの違いは次のとおりです。
告訴状を確実に受理してもらいたいときは、探偵に証拠の入手を依頼してみたり、弁護士に告訴状の提出を依頼したりするなど満を持して挑みましょう。
探偵や弁護士に相談するメリットについては、次項で紹介しますのでこちらもご参考ください。
自分で証拠が集められないときの相談先

自分一人で証拠を集め、犯人を特定するのは精神的にも肉体的にも大きな負担となります。状況に応じて、専門家の力を借りるのが解決への近道です。
ここからは、自分で証拠が集められない場合に相談すべき専門家についてご紹介します。
証拠集めと犯人特定のプロ「探偵」に相談する
「犯人が誰かわからない」「嫌がらせの現場を押さえられない」という場合は、探偵への相談が最適です。
探偵に相談することで、早期かつ高い確率で証拠の獲得と犯人の特定が期待できます。
探偵は特殊なスキルとプロ仕様の機材、またこれまでの経験と実績を武器に、依頼者の悩み解決に向けてサポートを行います。
また、多くの探偵事務所では、次のようなアフターサポートも充実しています。
- 証拠入手後の警察への同行
- 弁護士の紹介
- 和解策の提案
調査する期間や難易度などによって調査費用は異なりますが、10万〜80万円程度が相場とされています。
無料相談や無料見積もりも実施しているので、一人で抱え込まず、まずはご自身の状況を伝えてみましょう。
法的措置や交渉のプロ「弁護士」に相談する
「お金を貸したのに返ってこない」
「隣の家の騒音に悩んでいる」
「ペットの鳴き声や排泄物でトラブルになった」
このように、犯人がわかっている場合や民事のトラブルについては弁護士事務所に相談するのもおすすめです。
弁護士は加害者との間に入って交渉をしてくれたり、裁判を起こすときにサポートしてくれたり、損害賠償や慰謝料請求に向けて動いたりなど、探偵事務所とは違うサポートを行っています。
弁護士に依頼したときの費用も10万〜50万円と探偵と同様に幅があるため、無料相談などに参加して見積もりを依頼するとよいでしょう。
【逆パターン】もしも証拠がないのに犯人扱いされたら?
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これまでは嫌がらせの証拠の入手方法と犯人の特定方法についてお伝えしてきましたが、逆に「やってないのに嫌がらせの犯人扱いされた」「自分は絶対にやってない」という立場になることもあります。
これは名誉毀損罪という犯罪であり、相手を告訴することが可能です。
状況によっては慰謝料を請求することもできるでしょう。
犯人扱いした人物を特定したいときは探偵に、また犯人がわかっている場合は法律の弁護士に相談し、身の潔白を証明することをおすすめします。
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