ネットに個人情報が流されたときにやるべきこと
証拠を取っておく
個人情報が流されていることに気付いたら、まずは落ち着いて「自分の個人情報が流出している」という事実を証拠として残しておきましょう。
- スクリーンショット
- 画面録画
- 晒されたページのURL
- 書き込まれた日時
- 書き込んだ人物の情報(アカウントのURL、ユーザーネーム、アイコンの写真、過去の書き込み、プロフィール など)
事実を証明するためにも、できるだけ詳細な記録を残しておきましょう。
違反報告・削除要請をおこなう
証拠が確保できたら、個人情報が晒されたサイト・SNS・管理人などに、違反報告と削除要請をおこないましょう。
ほとんどのサイトやSNSでは、個人情報を晒す行為を禁じています。
利用規約違反として通報すれば、運営側から書き込みの削除や書き込み主のアカウントの凍結など何らかの処置を取ってくれることでしょう。
ただし、下記のような場合は個人情報に該当しないことがあります。
- モザイク加工を施してある写真
- 名前のイニシャルのみ
- 車のナンバープレートのみの写真
- クレジットカードの番号だけ
「個人が特定できない情報」や
「誰だか判別がつかない」
といった情報は削除対象にならないこともあるのでご注意ください。
名誉毀損・侮辱にあたる書き込みは警察に相談を
名誉毀損や侮辱にあたる書き込みがあったとき、また身の危険を感じるような書き込みをされた場合は警察に相談し被害届を提出しましょう。
名誉棄損・侮辱・脅迫などは立派な犯罪行為であり、もちろん刑事罰の対象になります。
犯罪なのか否か判断できない場合も、念のため警察に相談してみることをおすすめします。
警察はプライバシー侵害だけでは動かない
警察に対応してもらえるのは、刑事罰の対象になる書き込みだけです。
プライバシーの侵害は民事扱いとなるため、警察は動いてくれない可能性が高いといえます。
- プライバシーの侵害の事例
- 顔写真
- 住所・電話番号
- 犯罪歴
- 運転免許証の写真や免許証番号
- マイナンバーカードの写真やマイナンバー
上記のような情報を晒す行為は「民法上の不法行為」にあたり、刑事罰には該当しません。
ではどこに相談すべきなのか、次章で詳しく解説していきます。
ネットに個人情報が流された!警察以外の相談先は?
前述のとおり、プライバシーの侵害だけで警察が動くことは少なく、書き込みの削除や投稿者(犯人)を特定する捜査は望めないのが現実です。
では、どこに相談すべきなのか、困ったときの相談先には次のようなところがあります。
弁護士事務所
ネットに個人情報が流されたとき、法律の専門家・弁護士にできることは次のような項目です。
- プロバイダ側や流出先(SNS、YouTube、5ちゃん、まとめサイトなど)への削除依頼
- 発信者情報開示請求(投稿者の特定)
- 開示請求に応じてもらえなかったときの裁判手続き
- 損害賠償・慰謝料の請求
- 民事訴訟、刑事告訴
- デジタルタトゥーの削除を求める仮処分の申し立て
弁護士に相談・依頼すると、法に基づいた解決策の提案やアドバイスをおこなってくれます。
弁護士費用は依頼内容などによって異なりますが、20〜100万円程度が目安になるでしょう。
できればネットトラブルに強い弁護士への相談・依頼がおすすめです。
探偵事務所
ネットに個人情報が流されたとき、調査のプロ・探偵にできることは次の通りです。
- プロバイダ側や流出先(SNS、YouTube、5ちゃん、まとめサイトなど)への削除依頼
- 投稿者の特定調査
- 解決策・再発防止についてのアドバイス
- ネットトラブルに強い弁護士を紹介 など
探偵は調査のプロであるため、例えば「ほかのサイトに拡散されていないか調べてほしい」
「ネットストーカーの犯人の身元を特定してほしい」
などの調査も可能です。 費用は調査の内容や難易度によって変わりますが、だいたい10〜50万円が相場になるでしょう。
弁護士事務所でも探偵事務所でも、多くのところで無料相談・無料見積もりをおこなっています。
複数の事務所に相談し、それぞれを比較してから依頼するのもおすすめです。
公共の相談窓口
「最初から弁護士や探偵に相談するのはハードルが高い…」と思ったときは、公共の相談窓口に解決方法をお尋ねしてみるのもよいでしょう。
【総務省】個人情報保護法相談ダイヤル
個人情報保護制度についての質問や相談ができる窓口」です。
電話、もしくは24時間対応のチャットボットサービスで相談ができます。(参考元:個人情報保護法相談ダイヤル)
【総務省】違法・有害情報相談センター
ネットトラブルに詳しい相談員が在籍している相談窓口です。
名誉毀損や誹謗中傷、著作権侵害などの相談に対応しています。(参考元:違法・有害情報相談センター)
【法務省】人権相談窓口
人権問題について相談できる窓口です。
「みんなの人権110番」や「インターネット人権相談」「LINEじんけん相談」など複数の窓口がありますので、相談しやすいところに電話、もしくはネットを通じて相談してみましょう。(参考元:人権相談)
自治体の相談窓口
各自治体では、ネットトラブルについての相談窓口を設けています。
例えば、東京なら「東京都人権プラザ」、大阪なら「ネットハーモニー」など名称が違いますので、「ネットトラブル 相談 〇〇(お住いの都道府県や市町村)」で検索してみましょう。
まとめ
SNSや掲示板、動画配信サイトなど、ネット状に個人情報を流されたときは早めに対処することが重要です。
名誉毀損や侮辱にあたる場合なら警察に対応してもらうことが可能ですが、刑事罰に該当しないものは警察が動いてくれない可能性が高く自身で対処する必要があります。
まずは投稿されたページの「証拠保全」と「削除要請」を、次に「投稿者の特定」「損害賠償請求」へと進むのが一般的ですが、詳しい知識がないときは専門家に相談するのがおすすめです。
ネット社会において、個人情報の流出をそのままの状態にしておくのは大変危険です。
最悪の場合、個人情報を悪用されたり、自宅に待ち伏せされたり、つきまとわれたりなど実生活に被害が及ぶ恐れも考えられます。
できるだけ早急に対処し、身の安全を守りましょう。