失踪者の発見率は?
全体の行方不明者のうち85.2%が発見に至りますが、1週間を過ぎると捜索も困難になり、1〜3ヶ月の発見率は3.8%、1年以上では1.9%まで低下します。
失踪者の発見率は時間が経つにつれ低くなると言われています。
また、失踪の原因が不明の場合はさらに発見率が低くなり、早急に捜査に着手する必要があります。失踪者の発見率を高めるには、早めの捜査が大切なことがわかります。
1年の失踪者の件数は?
警察庁がだしているデータによると、行方不明者の届出受理数が令和1年で86,933人となっています。年齢層別では、20歳代が最も多く70歳以上は増加傾向にあります。
行方不明者・失踪者の年間毎の推移は以下となります。
失踪の原因とは?
警察庁がだしているデータによると、失踪原因として疾病関係が年々増加し、令和元年は23,906人と最も多く、このうち認知症又はその疑いによるものは17,479人とのデータがでています。
また、疾病関係に次いで、家庭関係によるものが次に多く、その後は事業・職業関係の
が多いことがわかっています。
主な失踪原因については下記のような原因があげられます。
(1)恋愛/異性/同性など駆け落ち
・親や家族が決めた結婚への抵抗による失踪
・交際相手との結婚や同棲を家族から反対され失踪
・不倫相手と駆け落ちまたは、社内不倫発覚からの逃亡
・破局による自暴自棄や現実逃避による失踪
(2)借金等による逃避
・ローン返済などの心労により失踪
・信販会社や消費者金融などへの支払いトラブルによる失踪
・債権や借金の取立などからの逃避
(3)学業や進路の問題
・受験や資格取得、就職活動に失敗し失踪
・学業や成績不振による現実逃避による失踪
・いじめ(学校/SNS)や校内暴力の回避のため
(4)職業や職場の問題
・リストラや就職難等の社会からの現実逃避での失踪
・会社の倒産により失踪
・仕事の失敗や重圧からの逃避
・上司や同僚などの関係不和が原因による失踪
・使い込みなどの不正や社内不倫発覚からの逃亡
(5)事件事故
・暴力団や反社会的勢力関係者からの逃避
・犯罪が不正行為を犯したことに対する逃亡
・拉致や誘拐
(6)家庭内問題やトラブルの緊急避難(虐待・暴力)
・家族からの虐待、家庭内暴力、 DV の回避
・ 教育方針やしつけ問題など、家に対する子供からの反発による失踪
・夫婦間での価値観の相違、配偶者からの暴力、浮気への抵抗での失踪
(7)精神的ストレスや持病、疾患
・精神分裂症、神経症、躁鬱病、痴呆症など精神疾患等の発症に起因する失踪
・行方不明 ・ガン等重病告知、手術の恐怖感、病苦からの逃避
(8)その他
・宗教等の入信や出家
・夢や将来に必要なために家を出る
・放浪癖
・自殺願望
・未成年の単純な家出
失踪調査発見例をご紹介 (子供・大人・高齢者)
【1】
ご相談者 : 関東地方 A様 (40代・両親)
ご相談内容 : 中学生の息子が二日前にゲームセンターに出かけったきり帰ってこなくなりました。今まで家出するようなこともなく、友達付き合いも変わりはなかったのでとても心配です。
息子が行きそうなゲームセンターやショッピングモール、息子の友人宅、駅などほとんどの場所を探しましたがどこにもいません。
親戚総出で探していますが、一向に見つからず果てしない捜索作業に肉体的にも精神的にも疲れ依頼をしました。
何か事件に巻き込まれていないか心配です。
結果 : ゲームセンターで知り合った同年代の子と仲良くなり、そのまま隣町のその子の家に数日間泊まっていて、相談に来た翌日に帰宅。
スマホを持たせていたが充電が切れていたようで、両親に連絡を考えたが家出してしまった罪悪感から連絡をすることができず、そのまま数日間帰れなかったようでした。
【2】
ご相談者 : 関西地方 S様 (50代・妻)
ご相談内容 : 夫が突然失踪をしました。以前から借金をしていたようで自分で経営していた仕事も上手くいってなく、色々悩んでいる様子は数か月前から見られました。
しかし、なんの相談も無かった為そこまで気にしていなかったのですが、子供の車を使って失踪した為とても心配です。
また、失踪直後から闇金融の取り立ての電話が私のところへ来て、多額の借金が発覚しました。
どうしていいのかわからないのですが、とにかく夫を見つけたいです。
結果 : ご主人はとても行き詰っていたようで、自殺の可能性も考えられた為、山林や自殺の名所などを中心に捜索した結果、山林で子供の車の中で自殺している対象者を発見。
【3】
ご相談者 : 九州地方 K様 (70代・男性)
ご相談内容 : 精神疾患を患っている妻が昨日失踪しました。以前にも失踪することはあったのですが、その日のうちに帰ってきていたので心配です。
徒歩で出かけていたので家族総出で周辺を探していますが、限界です。
精神疾患があるので事故などに巻き込まれていないか心配なので早急に探し出したい。
結果 : 自宅から10キロ離れたところで奥様を発見。発見時には衣類を身に着けていない様子で、会話ができない状態になっていました。奥様を保護し依頼人に連絡しそのまま病院へ行きました。
上記のよう他に様々な発見例はありますが、当事務所でも基本的に一週間以内に発見されている例は多いです。
失踪者・家出人の発見は早期の捜査が鍵となります。周囲で失踪者が出た場合はお早めに捜索を始めることで見つかる可能性は格段に上がります。
こちらもチェック
失踪してからは日数が大事
所在確認された人の多くは、行方不明届の提出から1週間以内に発見されています。
届出の受理当日では46.8%、2〜7日以内で34.1%、合計で1週間以内に80.9%の失踪者が発見されています。
人探しのポイントで1番重要になるのが初動スピードと言われています。
未成年者の場合は成人と違って犯罪に巻き込まれやすいという特徴があり、いなくなってから10日ぐらいまでが最も見つかりやすく、それ以上時間が経ってしまうと足取りが掴めなくなってしまう事が多いです。
また、残念ながら、失踪した人のなかには死亡して発見されるケースも存在します。
全体の4.4%といえばわずかな数字のように感じられますが、100人に4人が亡くなっていると考えれば「万が一」よりもずっと高い割合です。
統計上は明らかにされていませんが、その多くは自殺または転落・転倒などの事故死が占めています。
このデータをみると「生存までのタイムリミットは1週間」だと考えて対策を講じる必要があるといえます。