捜索願とはどんなもの?
捜索願とは、家出した人や失踪した人などの行方不明者を見つけてもらうために、警察に依頼する旨を記載した書類のことです。
捜索願が受理されると、警察庁のデータベースに登録され、警察官がその情報を閲覧し、パトロールをしながら行方不明者を探します。
そして、情報をもとに行方不明者を発見したら、警察で保護はせず、捜索願が出されていることを伝えます。
また、行方不明者が見つかるのと同時に、依頼者にもどこで行方不明者を見かけたなどと、情報を伝えます。
警察側で行方不明者を保護する権限はありませんが、このようにいつどこに行方不明者がいたかという有力な情報を教えてくれるのです。
ちなみに、捜索願は行方不明者と以下のような関係の人しか提出することができません。
- 親権者、配偶者、後見人など親族や監護者
- 行方不明者の福祉に関する事務に従事する者
- 同居者、雇主その他の当該行方不明者と社会生活において密接な関係を有する者
(出典:行方不明者届(旧捜索願)について|家出人相談センター https://www.iede.jp/about.html)
また、捜索願を提出する際は、警察から以下の情報を聞かれることがあります。
- 行方不明者の本名、本籍、生年月日などの基本情報
- 行方不明者の見た目(身長、体重、顔つき、髪型、服装など)
- 行方不明になった日や時間、最後に連絡した日など
- 家出や失踪の考えられる原因
これらの情報を必ず事前に整理してから警察に相談するようにしましょう。
捜索願を提出するとどんなメリットがある?
捜索願を提出する主なメリットには、以下の2点があります。
- 費用が一切かからない
- 自分の代わりに警察が捜索してくれる
実際に提出する前に、捜索願にはどのようなメリットがあるのか事前に理解を深めておきましょう。
費用が一切かからない
捜索願を提出する最大のメリットとして、費用が一切かからない点が挙げられます。
行方不明者を探すには、人探しの専門業者や探偵、興信所などといった機関に依頼する手段がありますが、いずれも高額の費用がかかってしまう傾向です。
しかし、捜索願は書類提出から警察の捜索まで全て無償で対応してくれます。
そのため、依頼者や行方不明者が費用を負担するということは基本的にはないのです。
自分の代わりに警察が捜索を進めてくれる
捜索願を提出し、警察に受理されることにより、警察があなたの代わりに行方不明者の捜索を進めてくれます。
自分で捜索するとなると、手がかりがなければ一切見つからなかったり、場合によっては、山の中や海の中を探して事故にあったりするなどというリスクも考えられます。
しかし、警察であればどんなに大がかりな捜索であっても、あなたの代わりに対応してくれます。
また、警察では複数人で連携して捜索をすることもあるので、ご自身で捜索するよりも早い段階で行方不明者を発見することも実現できるのです。
捜索願を提出することにより、あなたが負担を抱えることなく、安心して捜索を進めてくれます。
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捜索願を提出するとどんなデメリットがある?
捜索願を提出すると、費用の負担なしで警察があなたの代わりに捜索を進めてくれるというメリットがあります。
しかし、捜索願にはメリットだけではなく、デメリットがあるということも必ず理解しなくてはなりません。
捜索願を提出するデメリットとして、以下の2点が挙げられます。
- 警察が動かないことがある
- 周囲の人に知られてしまう可能性がある
これらのデメリットが具体的にどういうことなのか、説明していきます。
警察が動かないことがある
捜索願を提出すると、必ず警察が動いてくれると思っている方もいらっしゃるでしょう。
しかし、それは大きな間違いで警察が全く動いてくれないこともあるのです。
その理由として、警察は刑事事件には介入することはできますが、民事事件に介入することができないからです。
民事事件とは、簡単にいうと私人間で発生した事件のことで、例えば、家族と喧嘩してちょっと家出してしまった場合や、借金から逃げるために失踪した場合が該当します。
そうなると、警察側で対応することができないので、いくら捜索願を提出しても動けないのです。
必ず、捜索願を提出する前に、行方不明者がどんな理由で失踪してしまったのか、今一度理解するようにしましょう。
周囲の人に知られてしまう可能性がある
捜索願を提出すると、場合によっては周囲の人に知られてしまう可能性があります。
警察ではパトロールだけではなく、場合によっては地域の人に聞き込みをしたり、ビラ配りをしたりして、情報提供を求めることもあります。
そうなると、周囲の人に『あの家の人が行方不明になっているらしい。』と知られてしまうでしょう。
周囲の人に知られることにより、有力な情報を得やすくなり、行方不明者の早期発見に繋げられるかもしれません。
しかし、『変に心配かけられたくない。』と思い、身内が行方不明になっていることを知られたくない方にとっては、デメリットと感じてしまうのです。
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捜索願を提出しても動いてくれない場合はどうすればいい?
『捜索願を提出するデメリット』
でも挙げた通り、捜索願を提出しても、警察が動いてくれないケースはよくある話です。
もしも提出して、警察が全く動いてくれなかった場合、どのように対処すればいいか、やってほしい2つの手段を紹介します。
自分で探す
捜索願を提出しても動いてくれない場合は、自分で探してしまうのも有効です。
例えば、以下の手段を用いることにより、行方不明者を見つけることができなくても何らかの情報を入手することができるかもしれません。
- 直接電話やメール、LINEなどをする
- SNSを確認する
- 学校や職場に連絡する
- 部屋を確認して、なくなってるものがないか確認する
- 思い当たる場所に直接行ってみる
単なる家出などであれば、比較的短期間で行方不明者と再会することができるでしょう。
しかし、上記の手段を用いても全く情報を得られない場合は、何か事件に巻き込まれている可能性も十分にあります。
そのような場合は、あらためて警察に相談するのも良いですが、人探しのプロである探偵に調査を依頼することをおすすめします。
探偵に調査を依頼する
探偵では、警察が対応してくれない民事事件であっても調査することが可能です。
複数人の探偵が連携し、聞き込み調査やデータ調査などのさまざまな手法を用いて、行方不明者の居場所を突き止めていきます。
また、すぐに居場所を突き止めることができなくても、行方不明者にまつわる有力な情報を手に入れることができるでしょう。
高額の費用がかかってしまいますが、確実に行方不明者の情報を手に入れたい場合やできるだけ早く行方不明者を発見したい場合は、探偵に調査を依頼することも検討してみてください。
まとめ
捜索願は無償で提出することができますが、必ずしも警察が動いてくれるというわけではなく、一切動いてくれないということもあります。
もしも、捜索願を提出する際は、本記事で紹介したメリット・デメリットを理解したうえで提出するようにしましょう。
また、捜索願を提出して警察が動かなかったときは、別の手段で行方不明者を探すことも視野に入れてください。
自分で探すのはもちろんのこと、人探しのプロである探偵に調査を依頼することにより、早期に行方不明者の居場所を突き止めたり、有力な情報を手に入れたりすることが実現できます。
T.L探偵事務所でも家出人や失踪人の調査を行った実績がありますので、『捜索願を出したが、警察が動いてくれない。』とお悩みの方は、一度お問合せください。