失踪の理由や原因は?まずは警察に相談を
一概に失踪・家出といっても、その理由にはさまざまなものがあります。
- 浮気・不倫・駆け落ちなどの異性問題
- 夢や目標を達成したい気持ちからの行動
- 病気・疾病・認知症などによるもの
- 出会い系サイトやSNSで知り合った相手に会いに行っている
- イジメ・嫌がらせ・パワハラなど人間関係からの逃避
- 借金・事業の悪化などの金銭問題
- 仕事上のトラブル
- 将来や進路についての不安
- 家族との仲が悪い
- 犯罪に関わってしまった
- 事件・事故に巻き込まれた
さまざまな失踪理由があるなかでも、特に心配なのは命の危険性があるケースです。
自殺を考えていたり、事件や事故に巻き込まれている可能性がある場合は一刻も早く見つけ出す必要性があります。
もちろん今すぐに命の危険性がない場合でも、時間が経過すれば同じような結末にたどり着く恐れも考えられるため安心してはいけません。
早期に発見するためにも、警察に相談し必要に応じて行方不明者届(旧捜索願)を提出しましょう。
失踪・行方不明者の発見率
失踪者の多くは発見に至っている
まず知っていただきたいのは、警察に行方不明者届(旧捜索願)を提出された行方不明者のうち、約80〜90%は生きている状態で発見に至っているということです。
そして発見された失踪者の約半数は「行方不明者届が受理された当日中」に発見されています。
(参照:警察庁「令和4年中における行方不明者の状況」)」
よって、早い段階で警察に捜査に取り掛かってもらえれば、発見率を上げることは十分可能です。
逆に警察に届け出るのが遅れたり、発見されないまま時間が経過すると発見率はグッと下がります。
失踪から2週間後の発見率は約2%にまで低下するので、「そのうち帰ってくるだろう」など軽視や放置しないことが重要です。
警察が早期に捜査するケース
警察は命の危険性が高い失踪者・家出人を優先的に捜査します。
「浮気相手との駆け落ちした」「夢を叶えるために家出した」など、命の危険性が少ない失踪・家出については重大案件とされず、後回しにされる可能性は高めです。
警察に相談して行方不明者届を提出することはとても重要なことですが、積極的な捜査がおこなわれない場合は自らが動き出す必要があることを覚えておきましょう。
最悪の結果に至る場合も
失踪者の多くは早い段階で発見に至りますが、残念ながら「見つかったがすでに死亡していた」というケースもあります。
特にイジメや人間関係、病気や借金などで悩んだ末に失踪・家出した場合は注意が必要です。
最悪の事態を防ぐには、警察への相談+αのアクション(探偵やNPO法人へ相談・依頼など)を取り入れ、早期発見を急ぐことをおすすめします。
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失踪者が家に帰るきっかけとは?よくある発見の経緯
前述したように、行方不明者届を提出された失踪者の多くは発見に至っています。
失踪者が家に帰ってきたきっかけは何だったのか、発見の経緯を見ていきましょう。
心境の変化
失踪後に家に戻ってきたケースのうち、もっとも多いのは自分の意思での帰宅です。
- 実生活を離れたことで落ち着きを取り戻した
- 失踪・家出したことを後悔した
- 逃げても問題が解決しないことが分かった
- 突発的に失踪したものの行く場所がなく、家に帰りたいと思った
現実を受け入れて冷静になり、自分を見つめなおしたことがきっかけとなったようです。
なぜ失踪・家出したのか聞き出すことも重要ですが、強く言い過ぎたり、失踪の理由や原因が解決されないままだと再度失踪・家出することが考えられます。
本人が話せるようになる状態まで待ったり、一緒に解決策を考えたり、必要に応じて心療内科を受診させるなどの処置を視野に入れるようにしましょう。
失踪・家出の理由・原因が解決した
冒頭でお伝えした『失踪・家出の理由』が解決したときに自宅に戻るケースも多いです。
- 不倫相手と駆け落ちする予定だったが、相手が待ち合わせ場所に来なかった
- 浮気相手との関係が終わった
- 仕事のトラブルが解決した
- 将来を不安に思っていたが、もう一度頑張ろうと思った
帰ってきたことでひとまずは安心ですが、こちらも再犯防止のための対策は必要となるでしょう。
居場所が特定された
警察や家族、探偵などによって居場所が特定されたり、未成年の場合は補導されたりなど、帰らざるをえない状況がきっかけとなり帰宅するケースもあります。
「帰りたくないのに帰らされた」という人も少なからずいますが、「帰るのが怖かったから見つけてくれてよかった」「帰るきっかけができた」という人も多いものです。
まずは無事を喜び、本人が望むのであれば一緒に解決策を考えたり、心療内科を受診させるなどの対応をおこないましょう。
生活資金が尽きた
生活資金がなくなったことで帰ってくるケースも少なくありません。
失踪・家出したときにある程度のお金を持っていても、生活しているうちにお金がなくなることは十分考えられることです。
単純に「お金が無くなった」と帰宅した場合は問題はありませんが、なかには借金を抱えて帰ってきたり、生活資金を稼ぐために窃盗や強盗などの犯罪を犯していたりするケースもあります。
重要な問題がある場合は、即座に弁護士や警察へ相談してみましょう。
説得された
家族・友人・知人の説得により帰宅した人もいます。
失踪・家出した本人と連絡が付く場合は、積極的に、また継続的に帰宅を呼び掛けてみましょう。
怒ったり責めたりするのではなく、失踪・家出の理由や原因を一緒に解決するよう呼びかけることがポイントになります。
このほかにも、帰るきっかけにはさまざまなものがあります。
- 家族や友人が自分を探していることを知り、罪悪感を感じた
- 失踪しても良いことがなかった
- 自殺を考えていたが失敗に終わった、勇気がなかった
失踪や家出の理由・原因がさまざまであるように、帰るきっかけとなった事柄にも個人差があります。
本人の性格等も関係してきますので、早期発見に向けて周囲が行動を起こすことが大切といえるでしょう。
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失踪者・行方不明者を自分で見つける方法
警察に行方不明者届を出したものの居ても立っても居られない人、また何かしらの理由があり警察に相談できない人も多いのではないでしょうか。
「心当たりがある場所を探した」「友人や知人、職場や学校にも連絡・相談した」など手を尽くしたのに見つからない場合は、次のような方法を試してみてください。
残された物から手掛かりを掴む
失踪者が残していった私物、または机やゴミ箱の中に手掛かりになるようなものが隠れていることがあります。
- パソコンやスマホの検索履歴
- 通話・メールの履歴
- ネットショップの購入履歴
- 手帳やカレンダーへの書き込み
- 失踪に必要なものを購入したレシート
- カーナビの移動履歴
上記のようなものの中に、失踪の理由や行き先と思われるヒントが隠れているかもしれません。
衣類のポケットなどもくまなく調べ、ひとつでも多く情報を集めてみましょう。
SNSを活用する
あまりおすすめはできませんが、TikTokやInstagram、X(旧・Twitter)などのSNSを利用して情報を集める方法もあります。
- 本人の名前
- 顔写真や全身の写真
- 現住所や失踪した場所
- 失踪した経緯
上記のような情報を拡散することで、何かしらの情報が集まる可能性があります。
SNSをおすすめできない理由は、寄せられた情報の真偽が分からないこと、また心無い人から誹謗中傷を浴びせられることがあること、そして個人情報を広めることで今後の生活に悪影響を及ぼす恐れが考えられることです。
短期間で情報が拡散できることがメリットですが、使い方次第ではデメリットが大きいことを認識しておきましょう。
探偵に依頼する
自分なりに探したが見つからないときは、調査のプロ・探偵への依頼を視野に入れましょう。
探偵は特別なスキルや機材、過去の実績や経験からの知識を駆使した捜査をおこなうため、警察と同レベル、またはそれ以上の発見率が期待できます。
特に失踪してから時間が経っているケースや、強い意志を持って失踪している難易度が高いケースは 探偵の力が有効です。
気になる費用相場は、10〜80万円程度。
失踪の状況や難易度によって金額も大きく異なるため、まずは探偵に相談し見積りを取るところからスタートすることをおすすめします。
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