失踪者の現状とは
失踪者の心理や居場所を理解する前に、まず日本における失踪者の現状を知っておきましょう。
警察庁が令和5年に実施した「行方不明者の状況」によると、現在の日本では、年間90,144人もの人が失踪しているという結果が発表されました。
出典:令和5年における行方不明者の状況-警察庁(https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/fumei/R05yukuefumeisha.pdf)
前年度の84,910人という結果に対し、約5,000人以上の増加が見られます。
このように、失踪者は年々増加している傾向がありますが、実は失踪者の多くは1週間以内に発見されることが多いのです。
これは、警察の迅速な対応に加え、失踪者の家族や友人が協力して捜索にあたることが大きく影響していると考えられます。
失踪者がいなくなった際の行動や、最後に連絡した時間、失踪したと考えられる居場所など手がかりをしっかり掴み、警察などの専門機関に早めに相談することで、早期発見に繋げることができます。
また、統計では、失踪者の多くが80歳以上の高齢者や10代の若者であることがわかります。
失踪する理由は人によってさまざまですが、高齢者の場合は、認知症が原因となるケースが多く見られます。
一方、若者の場合は、対人トラブルや家庭、学校でのトラブルを抱えて、家出をする傾向があります。
さらに、失踪者は、高齢者や若者だけではありません。
30代や50代などといった、中年層でも一定数の失踪者が存在します。
これらの世代では、仕事や借金、家庭でのトラブルで失踪するケースが多いようです。
このように、日本の失踪者は、年代によっても失踪する理由が異なっているという特徴があるのです。
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失踪する人の心理とは?
失踪する人は、どんな心理を抱えて、家を飛び出してしまうのでしょうか。
ここでは、失踪する人が抱えている心理について解説していきます。
- 対人トラブルを抱えている
- 金銭トラブルを抱えている
- 孤独な気持ちを抱えている
- 学校や仕事でストレスを抱えている
- 精神的な病気を抱えている
対人トラブルを抱えている
失踪する人は、家族や学校・職場などの人間関係でトラブルを抱えている傾向があります。
こうした人と接する場面で、人と関わることに嫌気を感じ、結果として失踪してしまうことが多いのです。
また、「自分のことを理解してくれる人に出会いたい。」という強い願望を持っており、その気持ちが高じて、普段の生活環境から逃げ出す形で失踪するケースもあります。
金銭トラブルを抱えている
借金などの金銭トラブルを抱えていることがきっかけで、失踪してしまうケースも少なくありません。
突然の失業や、経営していた事業の失敗、ギャンブルの依存などが引き金となり、精神的なストレスが大きくなることがあります。
お金の返済が困難で、金銭トラブルを解決する手段が見つからないことから、一時的に現実から逃れたいと考えるようになることがあるのです。
孤独な気持ちを抱えている
職場や学校、家庭などで人と過ごしていても、孤独感を感じやすい人は、失踪しやすい傾向があります。
人は、社会から孤立して、孤独な気持ちを感じるようになると、自分がその社会から切り離されていると考えがちです。
その気持ちから、新しい環境を求めるために、現在いる場所を捨て、失踪するという選択を選んでしまうことがあるのです。
学校や仕事でストレスを抱えている
学校や仕事などでストレスを抱えることがきっかけで、失踪することを考える人も多いものです。
例えば、現在抱えている仕事が重く、投げ出したくなったときや、学校などでいじめを受けている場合、学校や仕事から離れたいという気持ちが高くなるでしょう。
そのような時に逃げ出すための選択肢として、失踪をしてしまうのです。
精神的な病気を抱えている
うつ病や精神疾患、人格障害や不安障害などといった、精神的な病気を抱えている人は、失踪してしまう傾向があります。
これらの精神的な病気は、本人に苦痛を与え、普通の生活を送ることが困難になってしまうことがあります。
特に、病気が重ければ重いほど、現実から逃げたいという思考になりやすいです。
また、精神的な病気を抱えている人は、自分の状況を判断する能力が低下していることが多く、周りの人に気軽に助けを求めることができずにいる傾向があります。
そして、悩みを抱え込んでしまった結果、失踪という選択をしてしまうのです。
失踪する人はどこにいることが多い?
失踪する人は、具体的にどこに逃げてしまうことが多いのでしょうか。
ここでは、失踪する人がいる傾向が高い場所について紹介します。
失踪した人を探す際は、これから紹介する内容を参考にしてみてください。
人が多い繁華街
人の行き交いが多い繁華街は、失踪する人が紛れても目立ちにくいため、失踪する際の候補地としてよく挙げられます。
具体的には、関東であれば新宿や池袋、渋谷、関西であれば難波や心斎橋がその例です。
こうした場所に身を置くことにより、これまで気づかなかった新たな世界を知り、自分自身を見つめ直す機会を得ることができます。
しかし、探す側にとっては、人が多い分、相手を見つけるための手がかりが少なく、失踪者を見つけるのが難しくなるリスクもあります。
そのため、失踪者の行動パターンや行きそうな場所を事前にリサーチしておくことが重要です。
過去に行ったことのない場所
人が多い繁華街も失踪する際の候補地として挙げられる一方で、逆に過去に行ったことのないような場所を選ぶ失踪者もいます。
具体的には、遠方の町など、誰も訪れないような場所が考えられます。
特に、山や森などの自然が多い場所であれば、誰かに見つかる可能性が低く、長時間一人で過ごすことができます。
しかし、こうした場所は、食料や医療などのアクセスが限られていることが多いため、本格的に生活することを考えると難しいでしょう。
交通の便が良い場所
電車やバスなど交通の便が良い場所も、失踪する際の候補地として選ばれることがあります。
交通の便が良い場所を選ぶことで、各地への移動が容易になるためです。
具体的には、都心のターミナル駅に近い場所や、観光地周辺が該当します。
探す側が失踪者を追跡する際には、これらの交通機関の利用履歴や駅などの防犯カメラを確認することで、手がかりを得られる可能性があります。
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失踪する人はどんなところで生活している?
失踪する人の行き先を理解するだけでは、相手のことを探すのは難しいでしょう。
そこで、どんなところで生活しているのかを知ることも大切です。
ここでは、失踪する人がどんなところで生活しているのか、具体的な居場所について紹介します。
友人や恋人などの知人の家
失踪者の一時的な避難先として、友人や恋人などの知人の家が挙げられます。
これらの場所は、長期滞在には向かない場合が多いですが、信頼できる人のもとで過ごすことで、失踪者にとっても安心感を得やすい場所となります。
「いないかもしれない。」と思っても、失踪者の安否が知りたいのであれば、一度友人や恋人に尋ねてみると良いでしょう。
インターネットカフェや漫画喫茶
インターネットカフェや漫画喫茶は、安価でかつ身分証の提示が不要なことから、失踪者が生活の拠点として選ぶことが多い場所です。
また、24時間営業の店舗も多く、飲み物やシャワーも利用できるため、過ごしやすいという特徴もあります。
ただし、店舗によっては長期滞在者の情報を記録していることがあるため、何ヶ月も滞在するのは難しい場合もあります。
もしも身近な人が失踪してしまった場合、早い段階で近くのインターネットカフェや漫画喫茶に連絡することで、何かしらの情報を得られる可能性があります。
ゲストハウスや民泊
インターネットカフェや漫画喫茶と同様に、ゲストハウスや民泊も失踪者の生活の拠点として選ばれることが多いです。
これらの場所は、簡単な手続きで利用することができ、長期滞在しやすいという特徴があります。
特に近年では、家を持たずにゲストハウスを転々として暮らしている人も増えているので、そのような人々に紛れ込むことで、失踪者が発見されにくくなることがあります。
そのため、探す側からすると見つけにくいと思われがちですが、失踪者が前から興味を持ってた地域や行きたがっていた場所を絞って探すことで、居場所が見つかる可能性が高まるでしょう。
労働者向けの宿泊施設
東京の南千住や大阪の新今宮など、派遣労働者や日雇い労働者が多く利用する地域には、1泊2,000円以下で泊まれる宿泊施設があります。
失踪者の中には、こういった施設を生活拠点としている人もいます。
これらの施設も、ゲストハウスや民泊と同様に、簡単な手続きで利用することができます。
しかし、長期利用には向かず、主に短期滞在に使われることが多いでしょう。
そのため、居場所を突き止めたとしても、その時点ですでにいなくなっている可能性があるので、気づいた段階で動いたり、次に向かいそうな場所を予測することが大切です。
24時間駐車することができる場所
失踪者が車を所有している場合は、24時間駐車することができる場所で過ごしている可能性があります。
具体的には、24時間利用可能な駐車場や道の駅、サービスエリアなどが挙げられます。
これらの場所は、車で簡単に行くことができるうえ、人目を避けながら過せるため、失踪者にとっても魅力を感じやすいのです。
しかし、こういった場所は限られているため、思い当たる場所を調べることで比較的簡単に見つけられる可能性があります。
また、失踪者の車種やナンバーがわかっている場合は、それらを手がかりにして探すことも有効です。
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失踪者を探すための5つの方法
失踪する人の心理や行き先、居場所を理解したら、相手のことを探しましょう。
失踪者を探す際は、主に以下の5つの方法を用いることが多いです。
- 自分で直接探す
- 知り合いに聞き込みをする
- SNSなどで行方を調べる
- 警察に相談する
- 人探しに強い探偵に相談する
ここではこれらの方法について紹介していきます。
自分で直接探す
失踪者が行きそうな場所に直接赴いて探す方法です。
この方法を取る際には、まず失踪者の日頃の様子や関連する情報を集める必要があります。
具体的には、以下の点を整理すると良いでしょう。
- 失踪者が最近どんな行動をとっていたか
- 失踪者が最近どんな様子だったか
- 失踪者は悩みを抱えていたか
- 失踪する前に何か行っていたか
- 失踪者が行きそうな場所はどこか
これらの情報を集めたうえで、直接現地で探すことで、失踪者を見つける可能性が高まるでしょう。
また、たとえ見つけることができなくても、何らかの情報を入手できるかもしれないので、まずは失踪者に関する情報を整理することから始めることをおすすめします。
知り合いに聞き込みをする
失踪者の知り合いに聞き込みするのも有効です。
特に、親族や友人、恋人などの親しい人物に尋ねることで、何らかの情報を得られる可能性があります。
例えば、恋人だけに行き先を伝えていたり、友人にだけ悩みを打ち明けていたりとするなど、特定の人だけが重要な情報を知っていることも考えられます。
また、聞き込みに加えて、彼らと失踪者がやり取りしたSNSやメッセージの内容も見せてもらうと良いでしょう。
そこに、何か手がかりとなる情報が含まれていることもあるので、確認してみることをおすすめします。
SNSなどで行方を調べる
失踪者のSNSアカウントを確認して行方を探るのは、非常に有効な手段です。
近年では、SNSを利用する人が増加しており、特に10代・20代の若者が多く利用しています。
XやInstagramなどの投稿を確認することで、失踪者の動向や居場所に関する手がかりを得られるかもしれません。
また、失踪者がオンラインコミュニティなどに所属していた場合、そのコミュニティに所属している他のメンバーから情報を聞き出せる可能性もあります。
ただし、インターネット上の情報は全てが正しいわけではないので、慎重に情報を見極めながら行動しましょう。
警察に相談する
自分で探すのが難しい場合は、警察に相談するのも有効な方法です。
失踪者がいなくなった日時や最後に話した内容などの情報を提供し、失踪届を提出することにより、警察が捜索に向け動いてくれます。
この際、口頭での説明に加え、失踪者の顔や着ていた服装がわかる写真を持参すると、より効果的です。
ただし、事件性が高い場合(犯罪や誘拐の可能性がある場合)は、すぐに捜索が始まりますが、一時的な家出と判断されるケースでは、警察が迅速に対応しない可能性もあります。
依頼する際は、この点を念頭に置いておくと良いでしょう。
人探しに強い探偵に相談する
警察で対応してもらえなかった場合や、警察の捜索でも行方がわからない場合は、人探しに強い探偵に相談するのも有効な手段です。
人探しに強い探偵は、失踪者を見つけるための専門知識や技術を駆使して捜索を進めてくれます。
例えば、失踪者が家庭に対して不満を抱えていた場合、探偵はその家庭の状況や失踪者の心理を分析しながら調査を進めます。
さらに、探偵は一般の人が簡単に閲覧できない特殊な名簿やデータを利用し、より制度の高い情報を入手することが可能です。
現地調査からデータ調査まで、多様な手段を駆使して捜索をおこなうことで、早期に解決へと導けるでしょう。
T.L探偵事務所では、人探しに関する調査を取り扱っています。
大切な人が失踪してしまった場合は、ぜひ一度ご相談くださいね。
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【まとめ】大切な人が失踪してしまったら専門機関に相談するのが有効
もしも大切な人が失踪してしまったら、すぐに探しに行くことも大切ですが、まずは失踪者の心理を理解することが重要です。
失踪者がどこで、どのように生活しているのかを想定し、それに基づいて捜索を進めることにより早期発見に繋がります。
しかし、失踪者の中には、山や森、繁華街の隠れた場所など、危ない場所に身を潜めている可能性も十分にあります。
そのような場合には、むやみに自分で探し出そうとせず、専門機関の力を頼ることが安全です。
特に探偵では、こうした危険な場所でも安全に人探しの調査をおこないます。
また、失踪者の心理を分析しながら捜索を進めるため、失踪者が危険な状況に巻き込まれることなく発見できる可能性が高まります。
「大切な人が失踪してしまったけど、どうしても居場所がわからない。」という場合は、一人で悩まず、気軽に探偵にお問い合わせください。