個人情報保護法について
個人情報保護法とは、個人のプライバシーと個人情報の保護に関する法律で、個人情報を収集、利用、提供、および管理に関する規制を定め、適切に取り扱いすることをも目的として、施行されました。
どのような情報が個人情報に該当するのか?
主に氏名、生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、顔写真など本人を特定できる情報を指します。
生年月日や電話番号のように単体だけでは本人を特定できないような情報でも、他の情報を照らし合わせることで特定できてしまう可能性があるため、個人情報に該当することになります。
個人情報が漏洩する原因
個人情報漏洩の原因として、外部からのサーバー攻撃による情報窃取と想像される方が多いかと思いますが、実際は2割程度の割合です。
それよりも、漏洩する原因としては、顧客情報の紛失や置き忘れ、データの誤作動などによる流出が全体の5割を占めており、他にも情報の持ち出しや内部での不正行為など、内部からの犯行が原因として挙げられます。
また、どのような状況の時に漏洩するのか?
一番、多いのが紙媒体による流出です。
紙媒体の場合、顧客情報を何処かで無くしたりすることで、他の人の手に渡ってしまいます。
次に多いのが、顧客情報はネットで管理しているため、インターネット、電子メールによる流出です。
最後にUSBによる流出です。
顧客情報はデータで管理されていることから、USBでデータをコピーして簡単に持ち出せてしまいます。
個人情報が漏洩されない為の対策方法
個人情報が漏洩されないための対策方法について、企業と個人での対策方法をお伝えさせて頂きます。
個人による対策方法
- 二段階認証にする
- 同じパスワードを使いまわさない
- 定期的にアップデートを行う
- 持ち歩けない記録媒体にする
企業による対策方法
- セキュリティの導入、強化
- Webサイトやソフトの脆弱性対策を行う
- 個人情報や守秘義務について書面を交わす
- 個人情報の取り扱いについて従業員に教育する
特に大事にする点として先程、情報漏洩する原因でお伝えしたように個人情報を安易に扱っていたことが流出の原因ですので、従業員に個人情報の取り扱いについて念入りに指導するのと、メールの誤送信などヒューマンエラーが起きた際でも、個人情報のセキュリティを強くすることで流出は防ぐことができることでしょう。
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流出してしまった後の対応について
ここでは、個人情報が漏洩してしまった後の企業と個人の対応について解説させて頂きます。
セキュリティ対策などを万全にしていても誰しも起きる可能性が考えられますので、まだ被害に遭っていない方も事前に目を通しておいてください。
個人の対応について
個人情報が流出し、企業側が流出に気づいている場合は2022年4月の法改正で企業側はメールや手紙などで個人に対して通知が義務付けられました。
① IDやパスワードの変更
最初にやるべきこととしては、これ以上被害を拡大させないために顧客情報を閲覧する際に必要となるIDやパスワードなどを速やかに変更するようにしてください。
② 銀行口座やクレジットカードの明細を確認
利用履歴に不審な点がないか早急に確認しましょう。
また、身に覚えのない請求がある場合はカード会社に連絡し不正に請求されている旨を伝え、対応してもらってください。
③ 行政機関や弁護士に相談する
行政機関や弁護士に相談をし、自身の置かれている状況を細かく説明し、今後の対応策についてアドバイスをもらいましょう。
④ 補償を求める
情報の漏洩元である企業に問い合わせをし、賠償金を払ってもらいましょう。
NPO法人日本ネットワーク協会によると、一人当たりに対して、平均約28,000円の賠償額を払っているというデータがあります。
また、訴訟にまで発展した場合は訴訟費用も請求が可能です。
企業側がすべきこと
① 状況確認、応急処置
どこから、何が原因で漏洩してしまったのか念入りに確認してください。
それでも漏洩した原因がわからない場合はサービスを停止、情報の隔離をするなどして対応を取った方が良いです。
② 二次被害の防止
被害者の方々に連絡を取り、パスワードの変更のお願いやサービスを停止するなどの事を伝え、さらなる被害を生まないようにしてください。
③ 個人情報保護委員会に報告
個人情報保護委員会には発覚後3日~5日以内に報告をするようにしましょう。
また、特定の事業者に関しては直接、個人情報保護委員会に報告するのではなく、管轄する機関に報告しなければなりません。
該当する事業者とは、主に放送業、電気通信業、農業協同組合、宅地建物取引業などが該当します。
流出するとどうなるのか?
個人情報が流出してしまうと下記のようなことに使われてしまう可能性があります。
- 流出した情報を基にアカウントにログインし、さらに情報を盗まれてしまう
- アカウントの乗っ取り、なりすまし被害
- クレジットや金融機関でお金を取られてしまう
- 詐欺や悪徳商法などの犯罪行為に使われる
- 脅迫、ストーカー行為を受ける
- 個人情報が知らないところで売買されてしまう
放置をしていても被害が収まることはありません。
被害が深刻化してしまい、取り返しがつかない状況になってしまいかねません。
現在、被害に遭われている方は、下記の相談窓口で専門家による無料相談を利用しましょう。