スマホが乗っ取られてる?遠隔操作されているか調べる方法と相談窓口を解説

スマホが乗っ取られてる?遠隔操作されているか調べる方法と相談窓口を解説

2024.10.23 / # ハッキング・不正アクセス調査

「スマホが勝手に再起動する」 「バッテリーが減るのが早くなった」 「認証コードを求めるメッセージが届く」 「身に覚えのない通話履歴がある」 「何もしていないのにカメラやアプリが起動する」 このような症状が出たら、スマホが乗っ取られて遠隔操作をされている可能性を視野に入れましょう。 近年はスマホユーザーを狙うハッカーが急増しており、実際にさまざまな事件が起きています。 スマホに異常動作が見られるようになったら、被害拡大を防ぐために適切な対処をすることが重要です。 本記事ではスマホが遠隔操作されているか調べる方法を解説するとともに、対処方法や相談窓口について紹介していきます。 スマホの不具合が発生しているとき、また被害を未然に防ぎたいときにぜひお役立てください。

スマホが遠隔操作されたらどうなる?実際に起こった事例も紹介

ベッドでスマホを触っている様子

スマホが遠隔操作されたらどうなる?想定される被害

  • 自分の個人情報(住所・電話番号・各種パスワードなど)やデータ(電話帳・写真など)が流出する
  • 抜き取った個人情報から偽造身分証明書が作成され詐欺に利用される
  • クレジットカードや電子マネーを不正利用される
  • 銀行口座から現金が出金・送金される
  • SNSのアカウントが乗っ取られる
  • 自分のスマホから友人や知人に迷惑メールが大量に送られる
  • 盗撮・盗聴被害に遭う
  • 端末がロックされる

スマホが遠隔操作されるということは「第三者が自分のスマホを勝手に触っている」状態になるということ。

個人情報や各種データの流出はもちろん、ほかにも深刻な被害が起こる恐れが考えられます。

犯人の目的は?実際に起きたスマホ・パソコンの遠隔操作の事例

犯人は何が目的でスマホやパソコンを遠隔操作するのか、実際に起こった事例を見ていきましょう。

女子高生のスマートフォンに遠隔操作ができるアプリを無断でインストールしたとして、広島県警は2015年3月11日、岡山大大学院自然科学研究科助教(31)を不正指令電磁的記録供用(ウイルス供用)の疑いで再逮捕し、発表した。

容疑者は14年12月、広島市内のホテルで、女子高生(16)のスマホに位置情報の検索と音声の録音などができる2種類のアプリをインストールした疑いが持たれている。

(引用元:J CASTニュース「岡山大助教 女子高生のスマホ遠隔操作の疑いで再逮捕」

上記はネットで知り合った女子高生のスマホに、無断で遠隔操作アプリをインストールした大学院の助教授が逮捕された事件。

遠隔操作で位置情報の取得や盗聴をおこなっていたとみられています。

自宅でできる副業をネットで探し、自分でも簡単に稼げそうな副業を見つけ、仕事の説明を受けるため無料メッセージアプリに登録した。

会員になるため氏名、住所、電話番号等を登録し、マイナンバーカードや源泉徴収票、運転免許証などの画像も送った。

後日、業者から電話で100万円ほどのFX投資のサポート契約を勧誘された。お金がないと断ると「ローンで借りて払えばいい。」

稼ぎからすぐ返せる。「サポートする」と指示されるままスマホに遠隔操作アプリをダウンロードした。
後で調べると、遠隔操作によって私名義で消費者金融5社から500万円が借りられ、そのお金が業者へ振込まれていた。

(引用元:埼玉県庁「副業をしようと思ったのに、遠隔操作アプリの悪用で借金させられていた!?」

こちらは副業先のスタッフを装った詐欺師から騙された事件です。

指示されたとおり遠隔操作アプリをダウンロードしてしまい、500万円の金銭被害に遭ってしまいました。

通っている中学校のサーバーに不正にアクセスして自分の成績を高くする改ざんをしたとして、新潟県長岡市の中学3年生が不正アクセス禁止法違反の疑いで書類送検されたことが捜査関係者への取材で分かった。

生徒は「親に良い成績を見せたかった」などと話し、容疑を認めているという。
捜査関係者によると、生徒は9〜10月、学校の教員用サーバーに不正にアクセスし、成績表に書かれた自分の評定を実際より高く書き換えた疑いがある。

サーバーにアクセス可能な校内のタブレット端末に遠隔操作用のアプリを事前にインストールしたうえで、必要なIDやパスワードも入手。

自分のスマートフォンを使って校外から端末を操作し、サーバーにアクセスしたとみられるという。

(引用元:朝日新聞「スマホでサーバー侵入、成績改ざん容疑 中3を書類送検」

こちらは中学生が教員用サーバーに不正アクセスした事件。

生徒は自分のスマホから教員の端末を遠隔操作し、成績表を改ざんした疑いで書類送検されています。

このように遠隔操作の目的や手口はさまざま。

ほかにも「メールに記載されていた不審なリンクを踏んでしまった」

「非公式ストアからアプリをダウンロードしてしまった」

「フリーWi-Fiに接続した際に個人情報を入力するよう求められて従ってしまった」

など、ちょっとした気の緩みがきっかけでウイルスやマルウェアに感染してしまうこともあります。

少しでも「スマホがおかしい」「動きが怪しい」と感じたら、遠隔操作されている可能性を視野に入れ正しい対処をおこないましょう。

【iPhone・アンドロイド共通】スマホが遠隔操作されてるか調べる3つの方法

スマホにエラーが置きている様子

調べる方法1. スマホの異常動作やサインを確認

遠隔操作されると、スマホの異常動作や何らかのサインが見られるようになります。

  • 再起動を繰り返す
  • バッテリーの減りが早くなる
  • データ使用量が増える
  • ポップアップ広告や警告のメッセージが表示される
  • スマホ本体やアプリが使えなくなる
  • カメラ、またはその他のアプリが勝手に起動する
  • 二段階認証・認証コードのメッセージが届く
  • 身に覚えのないメッセージのやり取りや通話記録がある
  • SNSやアプリにログインできない

前述したように「スマホが遠隔操作される=第三者が自分のスマホを勝手に触っている」状態です。

違和感を感じたら、大幅に電池の量が減ったり、アプリが勝手に起動したり、身に覚えのない履歴があったときは乗っ取られている可能性を考えましょう。

調べる方法2. 遠隔操作アプリがインストールされていないかチェックする

知らないうちに、身近な人に遠隔操作アプリをインストールされるケースもあります。

遠隔操作アプリは複数ありますが、特に出回っているのは次の4つのアプリです。

  • Cerberus(ケルベロス)…カメラの起動(撮影・録音)、位置情報の取得
  • Track View(トラックビュー)…写真フォルダの閲覧、位置情報取得
  • mSpy(エムスパイ)…通話履歴やSNSの監視
  • AirDroid(エアドロイド)…相手のスマホをリアルタイムで監視

上記は「浮気調査アプリ」とも呼ばれるもの。おもに配偶者や恋人、一方的に好意を寄せている人が、相手のスマホに勝手にインストールして自分のスマホとつなぎ、相手の行動を監視する目的で使われています。

上記以外にもさまざまなアプリがありますので、インストールした覚えがないアプリが入っていたら遠隔操作や監視されている可能性を考えましょう。

アンインストールする前に「設定→アプリ一覧→対象のアプリ」の順に開き、インストールされた日時や権限などをメモに記録しておきましょう。

アンインストールや削除の方法、問い合わせなどは、各キャリアで紹介されている方法でおこなってください。

参考元:ドコモ「不正アプリの削除方法」
ソフトバンク:「Androidにインストールされる不正なアプリ例」
au「スマホに潜んでSMSをばらまくマルウェアについて」
アップルストア「Apple個人の安全ユーザガイド」

調べ方3. セキュリティアプリで調べる

セキュリティアプリは、ウイルスの感染やマルウェア(悪意のあるソフト)の確認や侵入防止ができるアイテムです。

無料で使えるアプリもありますが、より高度なセキュリティパフォーマンスを期待したいときは有料版の利用をおすすめします。

また、各通信キャリアでもセキュリティサービス(有料)をおこなっていますので、ぜひ検討してみてください。

スマホが遠隔操作されたときの対処方法と相談窓口

女性相談員が笑顔で説明している様子

遠隔操作されているときの対処方法

スマホが遠隔操作されている可能性があるときは、次のような対処をおこないましょう。

  • Wi-Fiを切断し、モバイルデータ通信に切り替える
  • クレジットカードやネットバンキング、電子マネーなどの出金を確認する。被害が生じていたときは速やかに問い合わせ先に連絡する
  • すべてのサイト・アカウントのIDとパスワードを変更する
  • バックアップをしたうえでスマホを初期化する
  • 自分で対処するのが心配なときは専門家に相談する

もしも「自分では対処できない」「ウイルスやマルウェアの侵入経路を知りたい」「高齢者や子供が安心・安全にスマホを使えるよう対策をしたい」というときは、専門機関への相談をおすすめします。

相談窓口1. デジタルフォレンジック調査をおこなっている機関

デジタルフォレンジック調査(デジタル調査、またはフォレンジック調査)とは、デジタル機器に残されたデータの分析や解析などをおこなっている機関です。

探偵事務所や興信所などの調査会社、またデジタルフォレンジック調査の専門企業などがあり、次のような相談に対応しています。

  • スマホの遠隔操作や不正アクセスへの対処
  • ウイルスやマルウェアの侵入経路
  • 個人情報の流出の有無
  • スマホのロック解除
  • 被害の未然防止に対するアプローチ

調査費用は依頼内容によって10万円〜100万円と異なります。

ほとんどの機関で無料見積もり相談をおこなっていますので、まずは相談するところからはじめてみましょう。

相談窓口2. 警察署

スマホの遠隔操作により被害が発生しているときは、警察に相談しましょう。

必要に応じて被害届を提出しておくと、警察による詳しい捜査が期待できます。

スムーズに対応してもらうためにも警察署に行くときは事前に電話連絡をしておきましょう。

相談窓口3. 国民生活センター・消費者センター

国民生活センター、また各都道府県にある消費者センターは、日常で起きるさまざまなトラブルに関する相談受け付け、また寄せられた相談をもとに国民に注意喚起をおこなう独立行政法人です。

各トラブルに適した対処方法や具体的な解決策を案内してくれますので、相談専用ダイヤル「消費者ホットライン#188(局番なし)」で相談してみましょう。

(参考元:国民生活センター「全国の消費生活センター等」

まとめ

スマホは日常に欠かせない便利なアイテム。一方で、遠隔操作被害や乗っ取り、ハッキングや個人情報の流出などさまざまなリスクと隣り合わせだということを忘れてはいけません。

もしも被害に遭ったときは速やかに対処し、被害の拡大防止に努めることが重要。

自分だけで対処できないときは、1人で悩まずにデジタルフォレンジック調査をおこなっている調査機関や警察に相談しましょう。

また、被害を未然に防ぐためにもアカウントIDやパスワードの複雑化・OSの更新・セキュリティアプリの導入などの対策をおこなうこともポイントです。

いずれにせよ「スマホがおかしい」と感じたときは、速やかな対処・相談をすることが被害の拡大防止に繋がります。

困ったときには専門家を頼り、悪質な犯人の餌食にならないよう迅速な対応を心掛けましょう。

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