隣人から監視されているときの有効な対処方法
防犯カメラの設置
なによりも真っ先にすべきことは「隣人がこちらを監視している」ことを示す証拠を掴むことです。
証拠がない状態で相手を問い詰めてしまうと、「そんなことやっていない」「あなたの被害妄想では?」などと言い逃れされる恐れがあります。
まずは防犯カメラを導入し、監視されている現場を記録に残しましょう。防犯カメラのには2つの方法があります。
- 自分で購入・設置する…費用は高性能(夜間対応・防水機能など)のもので3〜5万円前後。設置費用は15万円〜30万円程度。
- セキュリティー会社からレンタルする…費用は契約プランによって異なる。相場は定期的なメンテナンスがついて月額5000〜2万円程度。
防犯カメラは嫌がらせの証拠を記録するだけでなく、空き巣被害を防止する効果も期待できます。
購入とレンタルのどちらにするか、自宅環境を配慮しながら家族と相談してみましょう。
第三者の立会いのもと話し合い
証拠が掴めたら、監視をやめるよう話し合いに応じてもらいましょう。
このとき相手に危害を加えられる可能性も考えられるため、1対1ではなく「身内ではない第三者を交える」ことがポイントです。
できれば警察や弁護士などが効果的ですが、難しい場合は地域の民生委員や自治会長、住まいが賃貸の場合は管理人にお願いしてみましょう。
話し合いをするときには、今後のためにも会話を録音しておくことをおすすめします。
引っ越しする
「逃げるが勝ち」という言葉があるように、引っ越しを視野に入れるのもひとつの方法です。
特に、監視してくる相手が危害を加えるような危険人物の場合は、物理的に距離を置くことが自分や家族を守るための有効手段になります。
監視されている証拠が確保できている場合は、弁護士に相談し、引っ越しにかかった費用を支払うよう訴えることも可能です。
まずは命を守ることを最優先に考え、自宅から離れることも検討してみましょう。
嫌がらせに悩んだときの相談窓口
各自治体や管理会社
まずは居住している地域の自治体に相談してみましょう。
借家やアパート、マンションであれば、管理会社への相談も有効です。
自治体であれば民生委員や自治会長などが解決に向けて動いてくれたり、回覧板で注意喚起を促してくれたり、地域住民集会で議題にあげてくれる可能性があります。
管理会社の場合だと掲示板への貼り紙、また加害者に直接注意してくれることが期待できるでしょう。
警察
器物を壊されたり暴力行為があったり、また自身に大きな健康被害が出ている場合は、速やかに警察に相談しましょう。
直接出向くのが難しいときや急を要さないケースであれば、警察相談用電話「#9110」での相談でも大丈夫です。
警察に捜査・介入してもらいたいときは、被害届の提出をおすすめします。
もちろん実害がない場合でも警察に相談することは可能です。
有効なアドバイスがもらえたり、必要に応じてパトロールを強化してもらったりもできますので、証拠を持参しつつ管轄の警察の窓口、または警察相談用電話に相談してみましょう。
弁護士
隣人からの監視行為が原因で心身に悪影響が出たとき、または物的被害・人的被害が出ているときは慰謝料や損害賠償を請求することが可能です。
希望する場合は、自分が受けている監視行動は対象になるのか法律のプロ・弁護士に相談してみましょう。
もしも訴えることができる案件であれば、弁護士に代理人を依頼できます。
対象外の場合でも、法的な面から見たアドバイスがもらえたり、隣人との話し合いに介入してもらうことも可能です。
弁護士費用は30~100万円が目安になりますが、30分程度の相談だけであれば無料でおこなっているところもあります。
安い費用で依頼したいときは、国が設立した法総合法律支援・法テラスに相談してみましょう。
探偵社
監視されているという証拠が掴めないとき、また事情により防犯カメラの設置が難しい場合は、探偵社への相談がおすすめです。
探偵は調査のプロであり、高度な技術と状況に応じたベストな方法、また適切な判断で証拠の獲得へと進めていきます。
また、必要に応じて今後の対策や行動すべきことについてのアドバイスをもらうことも可能です。
調査料金は調査日数や時間などによって異なり、相場は10〜60万円程度。
ほとんどの探偵社で無料相談・無料見積もりをおこなっていますので、まずは気軽な相談からはじめてみてはいかがでしょうか。
なぜ監視するのか?嫌がらせをする心理
好奇心・憧れ
好奇心や憧れの感情から「つい他人を見てしまう」人は決して珍しくありません。
- 今日はどんな服装をしているのだろう
- いつもと違う時間に外出しているけど、どこに行くんだろう
- 仲良くなりたい、近所付き合いしたい
- 話しかけるタイミングが分からない
上記のような理由により他人を監視する人は、自分の時間を持て余していたり、孤独だったり、また話しかける勇気がない内向的な人が多い傾向にあります。
現時点では敵対心はもっていないものの、ふとしたことがきっかけで「なぜ無視するのか」など逆上する恐れもあるため注意が必要です。
動向を把握したい・コントロールしたい
隣人のほうが年配だったり、昔から地元に住んでいたり、年収が良かったり、さまざまな理由から「自分のほうが立場が上」「立場が下の人間は自分に従うべき」という心理が働いているケースも考えられます。
- 挨拶されるのを待っている(相手が先にすべきだと思っている)
- ゴミだしのルール(時間帯や分別など)を守っているか気になる
- 出かける時間や帰宅時間、服装のチェック
良く言えば「風紀委員」のような人物といえますが、悪く言えば「傲慢」「厄介」「勘違いしている」人物といえます。
恨み・逆恨み
意図せず相手に恨まれるようなことをしている可能性はないでしょうか。
- 挨拶されたのに気付かず無視してしまった
- ゴミ出しのルールを間違えたことがある
- 騒音(車・子どもの声・音楽・ペットの鳴き声・生活音)をたてている
- 庭やベランダでタバコを吸っている(煙や匂いが隣人宅へ流れている)
- ペットが隣人宅前で排泄してしまった
- 強風で自宅前の落ち葉やゴミが隣人宅へ入ってしまった
- 子どもの成績が隣人宅の子どもよりも良い
- 日常会話や生活態度から「マウントを取られている」と思わせてしまった
恨みや逆恨みによる関係の悪化は、状態が長引く恐れがあります。
大きな声を出したり、威嚇したりなど、危害を加えてくるタイプは特に注意が必要です。
被害妄想・不安
逆恨みと似たような心理にはなりますが、監視する人のなかには「自分は被害者だ」「悪いのはアッチだ」と思い込んでいる人も多いようです。
- 自分は監視されている
- いつもこっちを睨んでいる
- 悪口を言われている
- 危害を加えられるかもしれない
性格の問題もあるかもしれませんが、認知症や強迫性障害など精神疾患の可能性も考えられます。
監視する人物のご家族や身内に相談したり、被害を訴えたりすることもできますが、まずは隣人の問題行動を立証するための証拠の獲得に努めましょう。
隣人からの嫌がらせを訴えることはできる?
監視行動に限らず、行き過ぎた嫌がらせは訴えることができ、慰謝料や損害賠償を求めることができます。
- 嫌がらせが原因で健康被害(うつ病や不眠症など)が出た
- 家の壁や車にイタズラされた
- 何度も大声で威嚇してくる
- 話し合いに応じてくれない
- 話し合いをしたのに嫌がらせをやめてくれない
「行き過ぎた嫌がらせ」がどのレベルを指すのか、ハッキリとは決められていません。
現状が確認できる証拠をもとに警察や弁護士に相談し、判断してもらうことをおすすめします。
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