法律ギリギリの嫌がらせとは?よくある嫌がらせを一覧で紹介
法律ギリギリの嫌がらせとはどのようなものを指すのか、いまいち分からないという人も多いのではないでしょうか。
暴力を振るわれたり、命を狙われるような行為であれば犯罪だと見分けがつきますが、そうでない場合は犯罪なのか無罪なのか、区別は非常にしにくいものです。
もしかすると、自分では法律ギリギリだと思っている嫌がらせが、実は法に触れている可能性も考えられます。
自分が受けているのが法律ギリギリの嫌がらせなのか否か、以下の一覧で確認してみましょう。
よくある法律ギリギリの嫌がらせ一覧
- 面と向かってではなく離れた場所から暴言・悪口を言ってくる(自分向けたものなのか分からない)
- 仕事の業績や学業などで頻繁にマウントをとってくる
- 電車やバスのなかで常に隣に立ち、ぶつかったり、足を踏んだりしてくる
- 出勤日・休日に限らず、自分が行くところに高い確率で来ている
- 危害を加える様子はないものの、自宅や職場付近を徘徊・待ち伏せしている
- 職場のデスクの上、またはロッカー内の私物の位置が変わっている
- 職場のパソコンのデスクトップが不快な画像に変わっている
- 大事な書類や私物を隠される
- ツイッターやインスタグラムのストーリーなど、SNSに悪口を書かれる
- 隣人が毎日のように結構な音量で音楽を流している
- 玄関前の道路にゴミが置いてある
- 学校や職場で仲間はずれにされる
上記以外にも、法律ギリギリの嫌がらせの種類はさまざまです。
犯人が分かっているケースや正体不明のケース、また偶然を装っていたり証拠を残さなかったり、近年ではインターネットを利用したりなど、嫌がらせの種類は多岐に渡っています。
「逃げるが勝ち」とはいかないときは
どんな嫌がらせであれ、犯人に悪意があることは間違いありません。
あなたがうろたえたり、悲しんだりする様子を遠くから眺め、心のなかでほくそ笑んでいる可能性もあります。
「逃げるが勝ち」という言葉があるように、嫌がらせから逃げるために転居や転職、転校などその場を離れることも有効です。
しかし、事情によりその場を離れられなかったり、経済的に場所を離れるのが難しい場合も多いはず。
そんなときは、できるだけ早く適切に対処することが重要です。
次章では、法律ギリギリの嫌がらせに対する正しい対処方法を解説します。嫌がらせ犯から身を守るためにも、ぜひ参考にしてください。
法律ギリギリの嫌がらせに対する正しい対処方法
悪意ある人物による法律ギリギリの嫌がらせには、法律に基づいた正しい方法で対処しましょう。
法律ギリギリの嫌がらせを正しく、かつ早期に終わらせる方法について解説していきます。
対処方法1. 嫌がらせ犯の特定
嫌がらせをおこなう人物が誰だか分からない場合は、嫌がらせ犯を特定することが先決です。
犯人が分からないと周囲の人物全員が敵に思え、誰も信用できなくなり孤立してしまう恐れがあります。
もしかすると、ターゲットを孤立させることが嫌がらせ犯の目的かもしれません。
嫌がらせ犯を特定するには「監視カメラや小型カメラを設置する」「警察に相談しパトロールを強化してもらう」「探偵に張り込み調査を依頼する」の3つの方法が有効。
まずは自分ができる方法で、嫌がらせ犯を特定させましょう。
対処方法2. 確実な証拠を取る
いくら嫌がらせを受けていても、証拠が無ければ嫌がらせ犯を責めることはできません。
証拠がないのに嫌がらせ犯を問い詰めてしまうと、言い逃れされたり、逆切れされる恐れがあるため最大限の注意が必要です。
嫌がらせの証拠は、いつ・どこで・誰に・何をされたのか写真や動画に収めるのがベスト。
写真や動画の撮影に成功するまで、日記やメモに記録しておくのも忘れないようにしましょう。
対処方法3. 第三者に介入してもらう
嫌がらせを早期にやめさせるには、第三者の介入が有効です。
まずは家族や信頼できる友人・上司・先生に相談し、第三者から嫌がらせ犯にコンタクトを取ってもらいましょう。
第三者が嫌がらせ犯と交渉するときは、言い逃れされたり、「自分は無罪」だと訴えられたりしないよう確実な証拠を複数用意しておくことが必須。
念のため姿を録画、または音声を録音しておくと、のちに役立つことがあります。
証拠が用意できたのに信頼できる第三者がいないとき、また周りを巻き込みたくないときは、弁護士や探偵など専門家への依頼をおすすめします。
対処方法4. 迷惑防止条例を確認
迷惑防止条例とは「各都道府県や市町村が独自に定めている条例」のひとつ。
法律ではギリギリセーフの嫌がらせでも、迷惑防止条例だとアウトのケースもあります。
迷惑防止条例に違反している場合は、警察に対処してもらうことも可能です。
迷惑防止条例の内容は各都道府県や市町村で異なります。
まずは自分が居住しているところの迷惑防止条例を確認してみましょう。
対処方法5. ストーカー規制法を確認
ストーカー規制法(正式名称は「ストーカー行為等の規制等に関する法律」)に抵触しているときも、警察に動いてもらうことが可能です。
好意や悪意によるつきまといや待ち伏せ、プレゼントや汚物の送付、前に立ちふさがる行為も、ストーカー規制法に違反する行為。
ほかにもストーカー規制法にはさまざまなものがあります。
警視庁のホームページで詳しい事例が紹介されていますので、自分が受けている嫌がらせストーカー規制法に該当しないかしっかり確認しておきましょう。
対処方法6. 弁護士に相談
嫌がらせに対する謝罪や慰謝料の請求、再発防止を確実におこないたいときは、弁護士に依頼するのがベスト。
「弁護士」という肩書がある人物が現れるだけでも、嫌がらせ犯を萎縮させることが可能です。
嫌がらせ犯に慰謝料を請求する場合、受け取れる慰謝料は10~200万円が目安。
また、依頼したときの弁護士費用は次のようになります。
相談:無料~1時間10,000円程度
着手金: 3~10万円
成功報酬:10~100万円
詳細な費用を知りたい場合は、弁護士事務所の無料相談や法テラスの相談会の利用をおすすめします。
嫌がらせ対策は探偵社への相談もおすすめ
法律ギリギリの嫌がらせを終わらせるには、調査のプロ・探偵社への相談もおすすめです。
探偵に依頼するメリットには、次のようなことがあります。
- 嫌がらせ犯にバレることなく確実な証拠が入手できる
- 嫌がらせ犯の名前・住所・家族構成などが特定できる
- 嫌がらせをおこなっている瞬間の動画や写真が入手できる
探偵社のなかには複数の弁護士と提携しているところもあり、最適な弁護士を紹介してもらうことも可能です。
探偵社に嫌がらせ調査を依頼するときの費用は約5~50万円。
ほとんどの探偵社で無料相談・無料見積りをおこなっていますので、嫌がらせ行為に悩んだときは相談だけでもしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
嫌がらせ犯の目的は、ターゲットを孤立させることや困惑する様子を楽しむこと、また自分が優位に立つことなどさまざま。
いずれも証拠を残さなかったり、特定されないよう小細工をしたり、何度も繰り返し嫌がらせしたりなど悪質・陰湿なケースが多いのが特徴です。
嫌がらせを終わらせるには、「逃げるが勝ち」の言葉通り転居・転職・転校を選ぶのも有効ですが、事情によりその場を離れられないときは確実な証拠をとったうえで適切な対処をおこないましょう。
犯人が分からないときや証拠が残っていないとき、嫌がらせする瞬間を写真や動画に収めたいときは、警察だけでなく探偵や弁護士などの専門家に相談するのがおすすめです。
その道に詳しい専門家に相談することで、早期解決に至りやすくなります。
「目には目を歯には歯を」の精神で嫌がらせをやり返しても、根本的な解決にはなりません。
嫌がらせが悪化しないよう、また心身に悪影響が出る前に、正しい対処方法で嫌がらせを終わらせましょう。