ストーカーの心理・特徴とは?よくある5つのタイプを解説
ストーカー行為をおこなう人物像はさまざまですが、おもに下記の5タイプに分類することができます。
- 親密追及型
- 無自覚型
- 憎悪型
- 拒絶型
- 略奪型
また例外として、脳や心の病気(精神疾患)によりストーカー行為をおこなってしまう人もいるようです。
では、各々の心理状態や特徴がどのようなものなのか見ていきましょう。
1. 親密追求型
親密追求型は、相手に対して一方的に「好きだ、愛してる」「結婚前提でお付き合いしよう」といった好意をぶつけてくるタイプのストーカーです。
相手に振り向いてほしいという強い欲求がつきまといやしつこい連絡といった迷惑行為のベースとなっています。
つきまとい等を迷惑行為だと思っておらず、逆に「自分と付き合えば相手も幸せになる」と思っていることも。
ゆえに、あなた自身が直接説得したり、他の誰かが説得をしても効果がなく、ストーカー行為をしつこく続けてしまう傾向があります。
2. 無自覚型
無自覚型は「肉体関係を持ちたい」「結婚したい」など、自分の欲求を一方的に求めてくるタイプのストーカーです。
つきまといやしつこい連絡などの迷惑行為自体は親密追求型と似ていますが、必ずしも相手に好意を持っているとは限りません。
自分の欲求が満たされないと嫌がらせ行為をおこなうことがあり、ときに暴力や性暴力に発展してしまう恐れもあります。
親密追求型と同様に、自分のストーカー行為が迷惑行為だということを理解をしていないため、誰かが説得をしても劇的な効果は見られないでしょう。
3. 憎悪型
憎悪型は、一方的な恨みにより迷惑行為をおこなっているストーカー。
「相手が憎らしい」「大嫌い」「苦しめてやりたい」などの負の感情が迷惑行為のベースとなっています。
悪意に満ちた手紙や汚物などを送ってきたり、玄関前にゴミをまき散らしたりなど陰湿な嫌がらせをおこなうことが多く、それがエスカレートすると相手の家族や恋人にも嫌がらせ行為をおこなうようことも。
被害者とまったく接点のない人物であることも多く、誰が嫌がらせ行為をしているのか心当たりがないため犯人特定まで時間がかかってしまう場合があります。
4. 拒絶型
拒絶型は、元カレ・元カノ・元配偶者など、相手と別れたこと(拒絶したこと)が原因でストーカー化してしまったタイプです。
拒絶型の中でも『復縁したいタイプ』と『報復したいタイプ』の2種類があり、前者は待ち伏せやつきまとい、しつこい連絡をしてくるタイプが多く、後者は憎悪型のような迷惑行為や嫌がらせをするケースが多くみられます。
どちらのタイプも、相手の新しい恋人や再婚相手(配偶者)にも嫌がらせ行為をおこない、2人を別れさせようと企むこともあるようです。
5. 略奪型
略奪型は男性に多く、最終的にレイプなどの強制わいせつを目的として迷惑行為をし続けるストーカーです。
このタイプは相手に好意を持っていないことも多く、あくまでも支配や征服することが目的。相手にバレないよう長期間つきまとい、「〇曜日は帰宅時間が遅い」「△曜日の××時頃に人気のない場所(道・公園など)を通ることが多い」など把握したのちに実行に移す計画的なところも見られます。
多くの場合は被害者は加害者と面識がなく、被害者は被害にあうまでストーカー行為に気付かないことも多いようです。
共通しているのは『欲求を満たしたい』という心理
これまでストーカーの5つのタイプや心理について紹介してきましたが、いずれの場合も共通しているのは「欲求を満たしたい」という心理。
「好きだから気づいてもらいたい」「憎いから嫌がらせをしたい」「性欲を満たしたい」など、目的を果たすまで迷惑行為を繰り返そうとします。
相手が迷惑していることに気付かなかったり、逆に自分は正しい行為をしていると思っていたり、常識が通じないことが多いため放置するのは大変危険です。
大きな事件に発展する前に、早い段階でストーカー対策を講じることを強くおすすめいたします。
(参考文献:政府オンライン「ストーカーは犯罪です!被害を受けたらすぐ警察に相談を」)
【要注意】精神疾患を抱えている可能性も
ストーカー行為をおこなう人のなかには、精神疾患(脳や心の病気)を患っていることにより迷惑行為に及んでいる人もいます。
- 幻覚・幻聴・強い思い込みなどの症状がある統合失調症
- 悪い妄想が止まらなくなる妄想性障害
- 共感性を持ち合わせていないパーソナリティ障害(サイコパス)
- コミュニケーション能力に問題がある自閉症スペクトラム症やADHD
- 社会的リスクを冒す恐れがあるにもかかわらず性的な問題行動(痴漢・露出・盗撮など)が止められない性嗜好障害(パラフィリア障害)
なかには複数の精神疾患を合併している人もいます。病院に通っている人もいれば、無自覚で現在まで経過している人もいるでしょう。
精神疾患を抱えている場合、ストーカー行為をやめさせるには専門的な知識が必要です。
自分1人で対処しようとせず警察に相談しましょう。
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ストーカーの定義とは?ストーカーまがいの行動との違いも解説
「ストーカーのような行動をしているけど、本当にストーカーなのか分からない。」
「警察に相談したいが、ストーカーに該当しないと言われるかもしれない」
そう思っている人も少なくはないでしょう。
ではストーカーと『ストーカーまがい』の行動の違いとは何なのでしょうか。それぞれの定義や特徴を紹介していきます。
ストーカーの定義とは
ストーカーとは『相手が嫌がっているのに、恋愛感情や怨恨などにより特定人物にしつこく迷惑行為を繰り返す人』のこと。
ストーカー行為はストーカー規制法という法律で規制されており、具体的な行動は次のように設定されています。
【ストーカー規制法】
つきまとい・待ち伏せ・押し掛け・うろつき等
監視していると告げる行為
面会や交際の要求
乱暴な言動
無言電話、連続した電話・ファクシミリ・電子メール・SNS・文書等
汚物等の送付
名誉を傷つける
性的しゅう恥心の侵害
GPS機器等を用いて位置情報を取得する行為
GPS機器等を取り付ける行為等
(参考文献:警視庁「ストーカー規制法」)
該当行為をおこなえば処罰の対象となり、『1年以下の懲役刑または100万円以下の罰金刑』または『2年以下の懲役刑または200万円以下の罰金刑』が下されます。
ストーカーまがいの行動とは
ストーカー行為が『迷惑行為を繰り返す』ことだとすると、ストーカーまがいの行動とは『ストーカー行為の初期段階』。
具体的な行動は、ストーカー規制法で規制されている行動とほとんど変わりません。
例えば、出社や退社のタイミングで誰かが後ろから付いてきたとき、それが1〜2度であれば気にならないはず。
しかし、毎日のように同じ人物が後ろから付いてくるのであれば、「もしかしてつきまとわれている?」「何か気持ち悪い…」と感じるようになるでしょう。
同様に、親しくない人から一度だけ交際を求めるLINEが送られてきた場合はストーカー行為には該当しません。
そのときに「お付き合いはできない」と断ったはずなのに、それ以降もしつこくLINEが送られてきたり、既読スルーしても何度もメッセージを送ってくる場合はストーカー行為に該当します。
ストーカーまがいの行動は証拠として記録しておく
つきまといや待ち伏せ、しつこいLINEや電話、メールなどの迷惑行為に悩んだときは、履歴は消さず証拠として残しておきましょう。
これらの行動が、繰り返されたとき、または少しでも「怖い」「気味が悪い」と感じたときは、早めに警察などの相談窓口に相談しましょう。
相談窓口は記事の後半で紹介していますので、ぜひチェックしてください。
今すぐ取り入れたい!ストーカーに有効な5つの対策
ストーカーが自然に諦めることはほとんどない
ストーカーが自然に迷惑行為をやめて諦めることはほとんどありません。
突然改心したり、他のターゲットに乗り換えたりすることもありますが、それは稀なケース。
多くの場合は目的を達成するまで、諦めずに迷惑行為を繰り返します。
注意や説得をしてもほとんど効果はなく、逆に逆恨みされて迷惑行為がエスカレートすることも。
そうなると、命の危険性に及ぶ恐れもあり大変危険です。
自然に諦めるのを待つのではなく、効果的な対策をおこなってストーカーに諦めてもらうよう行動することが重要になってきます。
ストーカーに迷惑行為を諦めさせるには、しっかりとした対策をすることが大切です。
できるだけストーカーと接触するリスクも少ない、取り組みやすく安全な対策方法を5つ紹介しますので、自分の身を守るためにもぜひ取り入れてみてください。
対策1. 防犯対策の強化
万が一のときに備え、防犯対策を強化しましょう。
例えば防犯ブザーや催涙スプレーを持ち歩いたり、自宅に防犯カメラや人感センサーライトを取り付けたりするのは有効な対策です。
セキュリティ会社にはストーカーに特化したサービスをおこなっているところもあります。
身の危険を感じている人は、ぜひ検討してみてください。
対策2. 生活リズム・ライフスタイルを悟られない
生活リズムやライフスタイルを悟られないよう気を付けるのも大事な対策です。
出社時間や退社時間、帰宅時間や通勤・通学路を毎日変えたりなど、ワンパターン化を防ぐことにより行動を悟られにくくなります。
外食や外出などリアルタイムでSNSにアップするのもやめておきましょう。
対策3. ストーカーの証拠を残す
ストーカーまがいの行動に遭ってしまったら、まずは証拠を残すことが重要です。
手紙や貼り紙、LINEや電話、メールなどの履歴は、捨てたり消去したりせずに証拠として残しておきましょう。
つきまといや待ち伏せは証拠に残しにくいですが、いつ(いつから)・どこで・どんな様子でつきまとわれたのかメモをとったり、可能であれば写真や動画に残すことで立証することができます。
証拠があれば、警察などに相談をする際にスムーズに取り合ってくれるでしょう。
対策4. 警察に相談する
証拠を集めたら、警察などの相談窓口に相談をしましょう。
ストーカーまがいの行動が繰り返されていると判断された場合、ストーカー規制法に則り警察の介入が可能となります。
警察から直接ストーカーに警告をしてくれたり、接近禁止命令を出してくれたり、重度かつ悪質なストーカーに関しては逮捕という重い処分がくだることもあるでしょう。
スムーズに相談できるよう、警察に相談に行く前に下記のような情報をまとめておくことをおすすめします。
- ストーカー犯(加害者)について知っていること…名前・性別・年齢・連絡先・職業・精神疾患の可能性など
- ストーカー犯との関係性…元恋人・元配偶者・友人・知人・知らない人など
- 迷惑行為の内容
- 証拠の有無
- 被害者(相談者)が希望していること…注意してほしい、接近禁止命令を出してほしい、逮捕してほしいなど
対策5. 引っ越し・転職して物理的に距離を置く
引っ越しをして、物理的に距離を置くのも有効な対策です。
引っ越し業者によっては、ストーカー対策プラン(シークレット引っ越しプラン)を実施しているところもあります。
ストーカー犯にバレないよう配慮してもらえるので、引っ越しをする際にはぜひ検討してみてください。場合によっては職場を変えたり、連絡先を変えるのも手段の一つです。
ただし、実家を知られているときは要注意。
実家の家族に対して「居場所を教えろ」などの迷惑行為をおこなうこともあります。
引っ越す前に、警察に相談してパトロールを強化してもらうほか、実家のセキュリティ対策もおこなうようにしましょう。
ストーカーに困ったら探偵を利用するのもおすすめ
ストーカー対策は、いざ自分一人で実施するとなると難易度が高いものです。
証拠が押さえられなかったり、警察に相談しても動いてもらえなかったりなど精神的ダメージを受ける人も少なくありません。
もしも「恋人・友達・家族に迷惑をかけたくないから誰にも相談できない」「ストーカー行為や嫌がらせの証拠を抑えたい」「犯人を特定したい」などとお困りの際は、探偵事務所に相談するのも有効です。
探偵はストーカー犯に対し次のような対策をおこなうことができます。
- ストーカー犯の特定
- ストーカー犯の身元調査
- ストーカー被害にあっていることを客観的に証明するための証拠集め
- 警察に相談する際のアドバイス
- メンタルケア
- 弁護士の紹介 など
「警察に相談しても動いてもらえない」などといったときも探偵に相談するのが有効です。
多くの探偵で無料見積もり相談をおこなっていますので、まずは無料の範囲内から利用してみることをおすすめします。