ストーカー行為の定義と「つきまとい」とは

まずは、警視庁の「ストーカー規制法」が定めるストーカー行為の定義と、「どこからが犯罪行為になるのか」という判断基準からみていきましょう。
警視庁の「ストーカー規制法」で禁止されているのは、主に以下の2つの行為です。
- つきまとい等又は位置情報無承諾取得等
- ストーカー行為
上記の法規制によると、「特定の相手に対し、恋愛感情や好意・恨みなどを背景に、執拗につきまとう行為」がストーカー行為の定義です。
また、上記に該当するかどうかのグレーゾーンは「ストーカーまがいの行動」と呼ばれます。
「つきまとい行為は警察に相談していいのか」「どこからがつきまといなのか」と悩む人も多いですが、ポイントは「相手の拒否を無視して行動を続けるかどうか」です。
好意の押しつけや過剰な連絡なども、放置すると危険なケースがあるため、十分注意しましょう。
「ちょっと変だな」と感じた時点で早めに相談しておくと、被害防止につながります。
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ストーカーの種類と8つの行動パターン

「ストーカー」と聞くと、尾行や待ち伏せといった行動を思い浮かべる人が多いですが、実はそれ以外にも多くの行為が法律で禁止されています。
ここからは、ストーカー行為の典型的な行動パターンと、ストーカーの行動タイプについて詳しくみていきましょう。
ストーカー行為の典型的な行動パターン
以下は、よくある典型的なストーカー行為の一覧です。
出典:福島県警察本部「ストーカー行為とは?つきまとい等の8つのパターン」
これらの行為は、一見「好意の延長」に見えても、相手が拒否しているにもかかわらず繰り返すことで、犯罪行為となる可能性が高いです。
ストーカーにおける3つの種類
ストーカーの行動パターンは、大きく以下の3つのタイプに分けられます。
- 接触型ストーカー
- 接触不能型ストーカー
- 逆恨み・支配欲型ストーカー
「接触型」のストーカーは、直接的な接触を試みるタイプで、行動パターンにつきまというも含まれます。
一方、「接触不能型」は、姿を見せず電話・メール・ネットなどで間接的に干渉するタイプです。
さらに、過去に関係があった人物や、勘違いなどからストーカーに発展するタイプを「逆恨み・支配欲型」といいます。
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ストーカーの心理と嫌がる言動

ストーカー行為の裏には、共通した心理構造があります。
単なる行為の延長ではなく、「自分の思い通りにしたい」「拒否されたくない」といった歪んだ感情があるのです。
ここからは、ストーカーの心理タイプを4つに分けて紹介し、それぞれがどんな言動を嫌がるのかもあわせて解説していきます。
【ストーカー】4つの心理タイプと行動傾向
ストーカーには主に4つの心理パターンがあり、それぞれ動機や行動傾向が異なります。
- 好意型(恋愛妄想タイプ)
- 執着型(関係維持タイプ)
- 支配型(コントロール欲求タイプ)
- 逆恨み型(復讐心タイプ)
「好意型」は「相手と自分は両想いだ」と思い込み、好意を押し付けるタイプです。
拒絶されると現実を受け入れられず、つきまとい行為や贈り物などを続けます。
「執着型」は、別れた恋人や仲違いした知人など、「関係を取り戻したい」という強い気持ちがあるタイプです。
ストーカーまがいの行為を無視し続けるとエスカレートするケースが多く、逆上しやすい傾向があります。
「支配型」は、相手を自分の所有物だと思い込むタイプで、「従わせたい」という欲求を抱えているのが特徴です。
拒否や無視で逆上し、暴言・暴力などの乱暴な行動に出る可能性もあります。
「逆恨み型」のストーカーは、「自分を裏切った」「恥をかかされた」と思い込むタイプです。
最も危険度が高いため、早期の警察相談が必要になるでしょう。
【対処法】ストーカーに効く言葉や嫌がること
ストーカーまがいの行為に遭遇したら、まずは冷静に対処しましょう。
感情的な反応を見せると、相手の執着を刺激する可能性があります。
効果的なのは、毅然とした態度で一貫して「拒絶」すること。
ストーカーに利く具体的な言葉は、以下の通りです。
- 「もう連絡しないでください」
- 「迷惑です。今後は警察に相談します」
はっきりと拒絶の意思を示し、それ以上のかかわりを絶つ姿勢を見せることが大切です。
「無視し続ける」のは逆効果になることも
「関わりたくないからできれば無視で穏便に済ませたい」という方もいるでしょう。
しかし、ストーカー行為を無視し続ける対応は、逆効果になることもあります。
相手が「挑発された」と受け取り、報復行動に出る可能性もゼロではありません。
言葉と行動を一致させ、早めに警察や探偵などの専門機関に相談するのがいいでしょう。
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ストーカー被害の初期対応と警察相談の流れ
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ストーカー被害は、「最初の違和感」のうちに対処するのが一番大切です。
最後に、つきまといを感じたときの初期対応から、警察に相談した後の流れまでを具体的に解説していきます。
つきまといを実感したらまずやるべきこと
ストーカーまがいの行動やつきまとい行為を感じたら、まずは冷静に証拠を残しましょう。
「いつ」「どこで」「どんな行為があったか」を、日時・場所・内容をメモしておくことが大切です。
スマホのスクリーンショットや通話録音、防犯カメラ映像など、さまざまなものが証拠として有効になります。
また、信頼できる友人や家族など、早めに相談できる人を見つけて共有しておくことも大切です。
ひとりで抱え込むと被害が長引くケースもあるため、味方をつくることも意識しましょう。
ストーカー被害を警察に相談したらどうなる?
ストーカー被害を警察に相談すると、必要に応じて「警告」を出してくれます。
それでも相手のストーカー行動が続く場合は、「禁止命令」の発令に進む流れです。
それでも従わない場合、最終的に逮捕される可能性もあります。
しかし、「ストーカーに警告後、報復されそうで怖い」と不安に思う方もいるでしょう。
その場合も、警察は被害者の身を守るために、動いてくれます。
状況に応じてパトロールや避難先の提案などもおこなっているので、安心して相談してください。
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