ストーカー行為とは?
ストーカー規制法第2条によるとストーカー行為は以下のように定義されています。
「ストーカー行為」とは、同一の者に対し、つきまとい等(第一項第一号から第四号まで及び第五号(電子メールの送信等に係る部分に限る。)に掲げる行為については、身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限る。)
又は位置情報無承諾取得等を反復してすることをいう。
出典:ストーカー行為等の規制等に関する法律 第二条より
- e-Gov(https://laws.e-gov.go.jp/law/412AC0100000081)
簡単に言うと、「つきまとい等」の行為を繰り返すことや位置情報を無断で取得するような行為等をおこなうことがストーカー行為に該当します。
では、こちらで挙げられている「つきまとい等」の具体的な行為とはどのようなものなのでしょうか?
つきまとい等行為には以下のものが含まれます。
- つきまとい・待ち伏せ
- 押しかけなどの行為
- 監視していると告げる行為
- 面会・交際の要求をする
- 乱暴な言動をする
- 無言電話や連続した電話をする、メール・文書
- SNSのメッセージを送りつける
- 汚物・動物の死体などを送りつける
- 名誉を傷つけられる
- 性的羞恥心を侵害する
これらの迷惑行為を繰り返したり位置情報を無断で取得する行為、無断でGPS機器を取り付ける行為をおこなった者は、ストーカー規制法に違反していることになります。
ストーカー規制法に違反すると、加害者には1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます。
さらに、警察から加害者に禁止命令を出しているにも関わらずこれらの行為をおこなった場合は、2年以下の懲役または200万円以下の罰金が科されます。
このようにストーカー行為は、法律でも規制されている犯罪行為です。
もしも被害に遭っている場合は、行為がエスカレートしてしまう前にしっかりと対策をして、被害を軽減させることが重要です。
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【被害別】効果的なストーカー対策法10選
前述した通り、ストーカー行為に該当する行為には、つきまとい・待ち伏せなどを始めとしたさまざまなものがあります。
ここでは、これらの行為の具体的な内容とそれらの被害別に効果的なストーカー対策法について紹介していきます。
「ストーカーに遭ってるかもしれない」と感じたら、これから紹介する対策法を実践しましょう。
つきまとい・待ち伏せ・押しかけなどをする
あなたが住んでいる家や職場、学校などのよくいる場所の付近までついてきたり、待ち伏せしたりする行為のことです。
【具体例】
・職場から自宅まで、あなたの後を尾行してくる
・毎朝最寄り駅であなたのことを待ち伏せしている
・あなたが自宅に帰ってきたタイミングを見計らって押しかける
・あなたが出かけた先のお店で見張る など
【効果的な対策法】
つきまといや待ち伏せなどの行為を対策するには、以下の行動をおこないましょう。
- 防犯ブザーを持ち歩く
- 一人でいるタイミングを作らない
- 人通りの多い道を利用する
- 外出する際は家族や友人、恋人に送り迎えしてもらう
- タクシーを利用して家に帰る
- ドアを開ける時は周りに気を付けてから開ける
- 少しでも危ないと感じたら警察や周囲の人に助けを求める
また、つきまといなどの行為は、被害を放置してしまうと暴行や強制わいせつなどの犯罪にエスカレートするリスクがあります。
こういったリスクを避けるためにも速やかに対策をしましょう。
監視していると告げられる
「いつも見ているよ」などとあなたの日頃の行動を監視していることを思わせるようなことを告げることです。
【具体例】
・「いつも見てる」などと監視をしていることを告げる
・家に帰ってきたタイミングで「おかえりなさい」とメッセージが送られる
・どんな行動でどんな服装をしていたかあなたに伝える
・上記の内容を、あなたがよく利用するインターネット掲示板に投稿する など
【効果的な対策法】
監視していることを告げる行為を対策するには、以下の行動をおこないましょう。
- 家のドアや扉を頑丈なものにする(二重ロックなど)
- 厚手のカーテンを取り付ける
- ドアを開ける時は周りに気をつけてから開ける
- 家に防犯カメラやテレビ付きインターフォンなどを取り付ける
- 監視しているを告げられた場合は、状況を記録して警察に連絡する
監視されているかもしれないと感じたら、できるだけ相手に見られないような状況を作ることが大切です。
そして、特定の人物から監視していると告げられたら、ただちに警察に相談して禁止命令等を出してもらうよう対処をしましょう。
面会・交際の要求をする
「付き合いたい」「復縁したい」など、しつこく面会・交際を要求する行為のことです。
【具体例】
・あなたが断っているにも関わらず、会いたがっている
・あなたが拒否しているにも関わらず、「復縁したい」と言ってくる
・一方的に贈り物をして、受け取るようにあなたに要求する など
【効果的な対策法】
しつこく面会や交際の要求を受けた際は、以下の対策をしましょう。
- はっきりと拒否する
- 警察など信頼できる人に相談する
何かされるのが怖くて曖昧な態度を取ってしまう方も少なくはありませんが、いち早く行為をやめさせたいのであれば、はっきり拒否することが大切です。
また、どうしても相手がしつこい場合は、警察などの信頼できる人に相談してくださいね。
乱暴な言動をする
暴言などを発するといった乱暴な言動をすることです。
【具体例】
・大きな声で「馬鹿野郎」などと怒鳴る
・「殴るぞ」などといった内容のメールを送る
・あなたの家の近所で大きな声を出したり、車のクラクションを鳴らしたりする
【効果的な対策法】
乱暴な言動を受けた際は、以下の対策をしましょう。
- 携帯電話で信頼できる人に助けを求める
- 防犯ブザーを鳴らす
- 警察に相談する
前述した、面会や交際などの要求をして拒否すると、加害者は乱暴な言動を取ることが多くあります。
もしも暴言などを吐かれてしまった場合は、速やかに対策することが大切です。
無言電話や連続した電話をする・メール・文書・SNSのメッセージを送りつける
無言の電話や数十回にもわたる電話をしてきたり、しつこくメールや手紙などの文書を送る行為のことです。
また近年では、XやInstagramなどからメッセージを送るケースも該当します。
【具体例】
・無言の電話を繰り返して、あなたの不安を煽る
・あなたの携帯だけではなく、実家や職場にも何度も電話をかけてくる
・あなたが拒否しているにも関わらずメールや手紙、SNSのメッセージを送ってくる など
【効果的な対策法】
加害者からの電話やメール、手紙などをしつこく受けた際は、次の対策をしましょう。
- 「警察に訴える」と伝える
- 通話履歴やメールの履歴を記録する
- 電話会社に相談してみる(対策を教えてくれる)
- 電話番号を変更する
- メールアドレスを変更する
- SNSのアカウントを変更する
- メールの受信を拒否する
加害者からしつこく電話やメールが来ると「気持ち悪い」と思い、履歴を消してしまう方も多いでしょう。
しかし、これらの履歴は警察などに相談する際の証拠として利用することができるので、消さずに記録するようにしてください。
汚物・動物の死体などを送りつける
ごみや糞尿、動物の死体などを送りつける行為のことです。
【具体例】
・家や職場に糞尿や動物の死体を送りつける
・あなたの車や自転車に汚物を付着させる など
【効果的な対策法】
ストーカーから汚物や動物の死体などを送られてしまった際は、以下の対策をしましょう。
- ただちに警察に届け出る
- いつ・何が届いたのか内容を記録する
- 送り主がわからないものは受け取らない
- 受け取ってしまった場合は開封しないで、写真を撮り警察に届ける
汚物などが届いた際も、写真を撮るなどして証拠を集めることが大切です。
そうすることで、加害者を逮捕することに繋がりやすくなるでしょう。
名誉を傷つける
被害者に対して誹謗中傷などをして名誉を傷つける行為のことです。
【具体例】
・名誉を傷つける文書を送りつける
・SNSなどにあなたのことを傷つける内容を書き込む
・「晒してやる」などと名誉毀損にあたる行為をする など
【効果的な対策法】
ストーカーから名誉を傷つけるような行為を受けた際は、以下の対策をおこないましょう。
- インターネット上の書き込み、誹謗中傷の内容が書かれた文書などは保存する
- 被害にあった際の状況を記録する
- 警察などに相談する
誹謗中傷を受けてしまうと「反撃したい」という気持ちにかられてしまうかもしれませんが、被害に遭ってしまったら、まず状況を記録することが大切です。
また、誹謗中傷をしてきた人物がわからない場合でも、証拠を集めることで犯人を特定できる可能性もあります。
性的羞恥心を侵害する
卑猥な言葉を言うなど、性的に恥ずかしいと思う気持ちを起こさせ、精神の平穏を害する行為のことです。
【具体例】
・わいせつな写真などをインターネット上にアップロードする
・わいせつな写真や文書を自宅に送りつける
・電話で卑猥な言葉を告げてくる
・わいせつまでに至らなくても性的に恥ずかしいと思う言動をしてくる など
【効果的な対策法】
性的羞恥心を侵害する行為を受けた際は、次の対策をしましょう。
- 日頃から個人情報をしっかり管理する
- 文書や写真などが送られた際は警察に提出し相談する
- インターネット上に晒された際は状況を記録する
- 公共料金など住所の書かれた郵便物を捨てる際はシュレッダーを用いて破棄する
- 警察でなくても信頼できる人に相談をする
こういった被害を受けてしまうと、恥ずかしいと思い、自分で悩みを抱え込んでしまう方も少なくはありません。
しかし、問題を解決させるためには、日頃から個人情報を管理するなど徹底したうえで身近な人に相談することが大切です。
もしも、周りの人に相談するのが恥ずかしいと思う場合は、同性の相談員がいる機関に相談してみるのが有効です。
ストーカー問題を取り扱っているT.L探偵事務所では、女性の相談員が在籍していますので安心して相談できる環境を整えています。
ストーカーの被害に遭っていて悩んでいる女性の方は、気軽にご相談くださいね。
GPS機器で居場所を特定する
相手の許可を得ないで勝手にGPS機器などで居場所を特定する行為のことです。
【具体例】
・あなたのスマホにGPSアプリを勝手にインストールして、居場所を特定する など
【効果的な対策法】
ストーカーから無断でGPS機器を用いて居場所を特定された場合は、次の対策をおこないましょう。
- スマホにパスコードを設定する
- 日頃からスマホを手放さないようにする
- 怪しいアプリが入っていないか確認する
近年では、スマホで利用することができるGPSアプリも多数増えています。
そして、これらのアプリをストーカー目的で悪用している人もいるのが実情です。
「誰かに居場所を特定されているかも」と感じるのであれば、今すぐご自身のスマホの中身を確認して、怪しいアプリがないかどうかチェックしましょう。
GPS機器を勝手に取り付ける
相手の許可を得ないで勝手にGPS機器を車などに取り付ける行為のことです。
【具体例】
・車や鞄の中にGPSを取り付ける
・あなたに渡したプレゼントにGPSを取り付ける など
【効果的な対策法】
ストーカーにGPSを取り付けられているかもと感じたら次の対策をしましょう。
- 車や身近に怪しいものが設置されていないか確認する
- もしもGPS機器など怪しいものを見つけたら、速やかに警察に相談する
GPS機器で居場所を勝手に特定する行為もストーカー行為に該当しますが、取り付ける行為ももちろん該当します。
もしもあなたの車などに身に覚えのない怪しいものが取り付けられていたら、GPS機器の可能性も考えられるので、すぐに警察に相談するようにしてくださいね。
ストーカー被害に遭ってしまった際の4つの注意点
上記で紹介した対策法をおこなっても「ストーカーが諦めてくれない」「ストーカー被害に遭ってしまった」ということも十分にありえる話です。
ここでは、もしもストーカー被害に遭ってしまった際に必ず気をつけておきたい4つの注意点を紹介していきます。
- ストーカーに対する反応に気を付ける
- SNSで被害報告をする
- 急に連絡先を変えない
- 警察に通報するのではなくまずは「相談」する
ストーカーに対する反応に気を付ける
ストーカーの被害に遭ってしまうと、相手を避けたいと思い、冷たい反応をしてしまう方もいるでしょう。
また、すぐに行為を諦めさせたいと思い、ストーカーに対して怒る方もいるかもしれません。
しかし、これらの反応をしてしまうと、ストーカーの感情を逆撫し、行為がエスカレートしてしまうリスクがあります。
最悪な場合、ストーカーから暴力を振るわれたり殺傷事件などに発展したりすることも十分に考えられるので、ストーカーに対する反応には気を付けるようにしましょう。
もちろんストーカーの被害を放置したままでいると、相手が「自分の行為は正しいんだ」と思い、粘着してくる可能性があるので、そう思わせないような態度を示すことが大切です。
SNSで被害報告をする
ストーカーの被害に遭ってしまった方の中には、周囲の人に自分が遭った被害について理解してもらいたいと思い、XやInstagramなどのSNSで被害報告する方もいるのではないでしょうか。
しかし、SNSを用いて被害報告するのは絶対にやってはいけません。
SNSは誰でも簡単に見ることができるものですので、当然ストーカーも見ている可能性があります。
もしもあなたが被害報告をして、それをストーカーに見られてしまったら、相手が誤解を解こうとさらにあなたに接触してくるリスクが考えられます。
こうしたリスクを避けるためにもSNSで被害報告するのは控えましょう。
また、ストーカーの被害に遭ってる際は、被害報告だけでなく、日々の出来事を投稿したり写真をアップするのもできるだけ控えることをおすすめします。
こうした投稿は、たとえあなたが趣味でやってるものであったとしても、ストーカーにとってはあなたの情報を特定するための材料となります。
もしも投稿したいのであれば、アカウントの公開範囲を限定するなど工夫しましょう。
急に連絡先を変えない
ストーカーからのメールや電話を避けたいと思い、連絡先を変えてしまう方も少なくはないものです。
確かに連絡先を変えれば相手からの連絡は来なくなるかもしれません。
しかし、急に連絡先を変えてしまうことは、実は危険な行動で避けるべきです。
連絡先を変えてしまうことにより、あなたと連絡が取れなくなったストーカーは、パニックに陥り、逆恨みする可能性があります。
その結果、あなたに直接危害を加えたり、あなたの家族や友人までに接触したりするリスクが高まることがあります。
このようなリスクを避けるためにも、どうしても連絡先を変更したいと検討しているのであれば、慎重に判断することが大切です。
警察に通報するのではなくまずは「相談」する
ストーカー被害を受けた場合、警察に通報することは間違いではありません。
ただし、具体的な証拠がないと警察が対応してくれないことも多いです。
そのため、いきなり通報するのではなく、まず相談をすることをおすすめします。
例えば「こういった被害を受けているが何か対策できることはあるのか?」といった形で相談して、アドバイスを受けると良いでしょう。
また、急いで警察に通報してしまうと、ストーカーが通報されたことに対して根に持ち、さらに嫌がらせをエスカレートさせるリスクも考えられます。
警察に連絡することはもちろん良い判断ですが、まずは相談をしてみて、ストーカー行為が続く場合には、被害届を提出して本格的な対応を依頼するのが賢明です。
ストーカー被害に遭ってしまった際の相談窓口
ストーカー被害に遭ってしまった際は、以下の相談窓口に相談すると良いでしょう。
・警察
・警察相談専用電話(#9110)
・ストーカー問題に強い弁護士
・ストーカー問題を取り扱っている探偵
・女性の人権ホットライン(0570-070810)
・みんなの人権110番(0570-003-110)
・配偶者暴力相談支援センター など
いずれの機関でもあなたの悩みを解決するためのサポートをしています。
被害が大きくなってしまう前にこれらの機関に相談するようにしてください。
【まとめ】ストーカーへの対策をして自分の身を守りましょう
しつこいストーカーを諦めさせるためには、正しい対策を取ることが大切です。
被害の状況を記録し、日常の中で自分の行動に少しでも注意を払うことで、ストーカー行為を軽減することができるでしょう。
ストーカーに悩んでいる方は、改めて本記事の内容を参考にしながら対策を講じてくださいね。
また、どうしても自分一人では解決できない場合には、悩みを抱え込まずに周囲の信頼できる人や専門機関に相談することが有効です。
T.L探偵事務所でも、これまでに多くのストーカー問題を解決してきた実績があります。
現在ストーカー被害に悩んでいる方はもちろん「これってストーカー?」と感じている方も、被害が大きくなる前に一度ご相談ください。