カラ出張とは何?発覚した際の法的リスクや防止策を徹底解説

カラ出張とは何?発覚した際の法的リスクや防止策を徹底解説

2024.05.27 / # 企業調査・個人信用調査

『従業員が出張に行ってないにも関わらず、出張費を申請している気がする。』 『従業員が交通費を偽っているという噂を聞いた。』 このように、実際に出張に行ってなかったり、嘘の交通費を申告したりして、会社のお金を騙し取る行為をカラ出張といいます。 カラ出張は、どの企業でも起こり得るで、もしかするとあなたが勤めている会社でもカラ出張をしている従業員がいるかもしれません。 また、カラ出張が発覚すると、最悪の場合、法的なリスクを負う可能性もあります。 本記事では、カラ出張の具体的な事例や法的リスクを踏まえ、従業員のカラ出張を防ぐための対策について解説をしていきます。 会社のお金を管理している経理などの方は、ぜひこれから解説する内容をチェックしてみてくださいね。

カラ出張とは?

飛行機
カラ出張とは、出張に行ってないにも関わらず、会社側に『出張に行った。』と申請して、出張費を騙し取ることです。

出張費だけではなく、嘘の交通費を申請したり、会社側が指定した宿泊施設から安い宿泊施設に変更して、差額分のお金を得ることもカラ出張に該当します。

会社側にカラ出張が発覚してしまうと、従業員は減給や出社停止を命じられてしまうリスクがあります。

最悪の場合、解雇されるケースも少なくはありません。

また、あまりにも会社の損失が多すぎると、詐欺罪横領罪などといった刑罰を従業員が受けることになり、会社のイメージダウンにも繋がりかねないでしょう。

このようなリスクを負わないようにするためには、従業員一人ひとりがカラ出張をしないように取り組まないといけないのはもちろんですが、会社側でもなんらかの対策をする必要があります。

会社側が対策をして、従業員がカラ出張をしないような環境づくりをしていくことを心がけましょう。

カラ出張の事例

横向きビジネスマン
カラ出張には、出張費や交通費を騙し取る以外にも、さまざまなケースがあります。

具体的には以下のような事例が挙げられます。

  • 架空の出張費を申請する
  • 出張中の交通費や定期代を水増しする
  • 宿泊先を変更する
  • 接待交際費などの飲食代を水増しする

これらの事例がどういったことなのか、説明をしていきます。

架空の出張費を申請する

実際には行ってない架空の出張費を申請して、会社のお金を騙し取るケースです。

このケースは、カラ出張で最も多い手口です。

そして、役職のついてない一般社員よりも、管理職などの役職を持っている立場の従業員がよく起こす傾向があります。

一般社員の場合、出張の申請をする際、上長を通さないと許可を得れません。

一方で、役職を持ってる立場であれば、そのまま直接経理に申請することができてしまうので、カラ出張がしやすいのです。

ただし、会社の出張に対する管理が甘すぎる場合は、一般社員がこのような申請をしてもカラ出張だとなかなか気づかないでしょう。

出張中の交通費や定期代を水増しする

出張中の交通費を、実際に使った交通費よりも多く申請して差額分を得る場合も、カラ出張の手口に該当します。

交通費は、領収書などを取得できないケースが多く、それを良いことに実際には新幹線を利用したにも関わらず、普通列車で移動した分のお金を申請したなどといった事例があります。

そのため、会社側もカラ出張なのかどうか、なかなか気付けないのです。

また、出張中の交通費だけではなく、定期代も同様です。

宿泊先を変更する

会社によっては、出張を申請する際、会社側から宿泊施設を指定する場合があります。

一度は、指定した宿泊施設に予約するのですが、のちに勝手に安く泊まれる宿泊施設に変更して、差額分のお金を得る場合もカラ出張の手口に該当します。

インターネットで宿泊施設を予約すると、予約サイト上で領収書を得ることができます。

一度予約した宿泊施設の領収書を利用して、会社に申請するケースも実はよくあることなのです。

接待交際費などの飲食代を水増しする

出張費や交通費、宿泊費以外にもカラ出張の手口は存在します。

それは、接待交際費などの飲食代を水増しするケースです。

接待交際費とは、取引先などと接待をした際の飲食代のことで、これらは会社側に経費として申請することができます。

しかし、接待ではない私用の食事代も接待交際費として申請し、会社からお金を騙し取ることもあるのです。

カラ出張が発覚した際の法的リスクとは?

リスク
架空の出張費を申請したり、交通費や接待交際費を水増しするなど、カラ出張にはさまざまな事例があります。

カラ出張を行っている従業員からすると、『バレなきゃ大丈夫。』と思っているかもしれませんが、これらはいずれ会社側にも発覚するものです。

そして、あまりにも会社側の損害が大きすぎると、以下のような刑罰を受けるリスクもあります。

  • 詐欺罪
  • 業務上横領罪
  • 私文書偽造罪

これらの法的リスクに触れてしまうと、従業員を解雇せざるを得ない状況に陥ってしまったり、最悪な場合、会社のイメージダウンに繋がってしまうこともあります。

では、どういったケースのカラ出張を行うことにより刑罰を受ける可能性があるのか、説明をしていきます。

詐欺罪

詐欺罪とは、一般的に以下のような刑罰です。

『人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。』
(出典:刑法第二百四十六条 詐欺罪|e-Gov法令検索 URL:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=140AC0000000045)

会社に実際に出張していないのに『出張した。』と申請したり、嘘の交通費を申請して、お金を騙し取る行為は全て詐欺罪に該当します。

このように、嘘をついてお金を騙し取る行為をすると、最悪な場合、10年以下の懲役を受けるリスクがあるのです。

業務上横領罪

業務上横領罪とは、一般的に以下のような刑罰です。

『業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の懲役に処する。』
(出典:刑法第二百五十三条|e-Gov法令検索 URL:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=140AC0000000045)

ここでいう『業務上自己の占有する他人の物』とは、会社のお金のことです。

出張費や交通費を横領し、会社のお金を私用目的に使う場合は、業務上横領罪に該当されるのです。

業務上横領罪も、詐欺罪と同様に10年以下の懲役を受けるリスクがあります。

私文書偽造罪

私文書偽造罪とは、一般的に以下のような刑罰です。

『行使の目的で、他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造した者は、三月以上五年以下の懲役に処する。』
(出典:刑法第百五十九条|e-Gov法令検索 URL:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=140AC0000000045)

架空の出張費を申請するにあたり、嘘の申請書を作成したり、嘘の情報の領収書を用いる場合、これらの罪に該当されます。

私文書偽造罪に該当する行為を行うと、3ヶ月以上5年以下の懲役を受けるリスクがあります。

従業員のカラ出張を防止するための対策

人差し指を立てる男探偵
カラ出張は、経理を担当している方でもなかなか気づきにくいのが実情です。

しかし、カラ出張が発覚すると、従業員が刑罰を受けるリスクがあり、最悪の場合、会社のイメージダウンにも繋がり、取引先からの印象も悪くなってしまいます。

このようなリスクを防止するには、従業員がカラ出張をしないように会社側が対策をする必要があります。

対策をすることにより、必然的に従業員も不正行為をしなくなるでしょう。

では、従業員のカラ出張を防止するには一体どのようなことを行えば良いのでしょうか?

領収書の提出を求める

本当に出張したのか、また本当に指定した宿泊施設を利用したのか確認するためにも、領収書を提出させることを徹底させましょう。

そうすることにより、金額はもちろん、出張した日付も明確にわかるので証拠になります。

また、交通費についても領収書をもらえるものであれば、提出させるようにしましょう。

例えば、電車やバスは領収書を得ることが難しいですが、新幹線やタクシーであれば、領収書を得ることができます。

ICカードなどの履歴を確認させる

領収書の提出が難しい電車やバスの場合は、ICカードなどの履歴を確認させるようにしましょう。

ICカードの履歴は、駅の券売機で明細を出力することができます。

また、モバイルICカードの場合は、スマホのアプリ上から確認することができます。

これらの履歴を確認することにより、従業員が申請した金額と合致しているか明確にさせることができるでしょう。

経理以外の責任者も申請内容を確認する

カラ出張を防ぐのであれば、経理以外にも責任者を設けて、出張などの申請内容を確認する人を増やすようにしましょう。

従業員から申請してもらう際、経理だけが申請の内容確認するとカラ出張の疑いがあっても、判断することが難しいものです。

申請内容を確認する際は、経理に通す前に、管理職など別の責任者が内容を確認し、それから経理が確認する流れで申請をするようにすることでカラ出張を防止することができるでしょう。

一人でも多くの人が確認するだけでも、不正を防ぎやすくなります。

立替精算を少なくする

立替精算を少なくすることにより、カラ出張の件数を格段に減らすことができます。

会社によっては、従業員が出張費を立て替えて、後日会社に立て替えた分の費用を申請する立替精算している場合もあります。

立替精算がある会社では、従業員が『出張でお金を使った。』と申請すれば、後日会社がその分の金を返してくれます。

その精算方法をうまく利用して、架空の出張費を申請したり、嘘の交通費を申請する方も少なくはないのです。

このような点から、立替精算はカラ出張がしやすい精算方法ですので、カラ出張を防止するなら、立替精算をできるだけしないように心がけましょう。

カラ出張の疑いがある場合は…探偵に調査を依頼してみよう

カラ出張は、出張費や交通費などを偽って、会社のお金を騙し取る悪質な行為です。

そして、これらの行為は詐欺罪や横領罪、私文書偽造罪などに該当されるケースもあり、最悪の場合、従業員を解雇せざるを得ません。

こういったリスクをなくすには、会社側も従業員にカラ出張を行わないようにするための対策を行う必要があります。

従業員が『カラ出張をしているかもしれない。』と感じたら、今回紹介した対策をできるだけ早く行うようにしましょう。

しかし、カラ出張はお金を扱う経理担当の方でも、すぐに見抜くことが難しいでしょう。

そのような場合は、探偵などの外部の機関に相談をすることにより、特定の従業員がカラ出張をしているかどうか調べることができます。

カラ出張を繰り返されると、会社側の負担も大きくなりますし、取引先からの印象も悪くなってしまうリスクがあります。

少しでも『怪しい。』と感じたら、相談をすることも視野に入れてみてくださいね。

また、T.L探偵事務所では、企業調査を取り扱っており、従業員のカラ出張の事実を調べるのはもちろんのこと、会社内部の問題なども調査をすることが可能です。

あなたが現在勤務されている会社のことも調べることもできますので、会社に対して不信感を抱いている方は、まずは気軽にお問い合わせください。
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