【大前提】再構築=元通りではない
再構築を目指すときにまず理解しておくべきことは、「再構築=元通り」ではないということです。
再構築と聞くと、良好な夫婦関係を取り戻すというイメージが強いかもしれません。
しかし、以前の関係を目指すのではなく、新しい夫婦関係を築き上げると考えるようにしましょう。
中には、「あの頃のような関係に戻りたい」と考えることもあるかもしれませんが、残念ながら「夫が浮気をした」という事実は変えられません。
再構築を目指す際は、できるだけ過去を振り返るのをやめ、どのような未来にしていきたいのか、どのような夫婦になりたいのかを考えることをおすすめします。
どうして選ぶ?再構築を目指す理由とは?
浮気という裏切りに直面しながらも、関係の再構築を選択する背景には、多様な理由が存在します。
ここからは、再構築を目指すよくある理由について紹介します。
これから紹介する理由を深く理解することは、自身の今後の道のりを明確にすることにもつながります。
どのような理由で再構築を目指したいのか、改めて自身でも向き合ってみましょう。
1.経済的に不安だから
経済的な不安から、今後も安定した生活を送るために再構築を選択することは、大きな理由の一つと言えるでしょう。
特に、夫の収入が家計の大部分を占める場合、離婚をしてしまうと、あなたの今後の生活が苦しくなってしまう恐れがあります。
このように、自身の経済的な不安を避けるために、どんなに夫の浮気を許せないと思っていても、離婚せずに再構築を選択するケースも少なくないのです。
2.子どもがいるから
子どもがいる家庭の場合、離婚してしまうことにより、子どもの心理や環境に悪影響を与えてしまう恐れがあります。
例えば、離婚により転校することになってしまったら、せっかくできた友達と離ればなれになってしまい、子どもに悲しい思いをさせてしまいます。
また、片親となってしまうことで、他の両親のいる家庭を見て劣等感を感じるようになってしまうかもしれません。
このように、子どもに悲しい気持ちをさせず、親としての責任を果たすために再構築を選択するケースも少なくありません。
3.夫が反省しているのか見極めたいから
離婚したいと思っていても、逆に夫側がやり直したいと思っていることもあります。
このような姿勢を見せている場合、「本当に関係を反省しているのか」ということを時間をかけて見極めるために再構築をするケースもあるのです。
4.夫への愛情が残っているから
浮気されて、どれほど深く傷ついていても夫に対して愛情が残っていて、再構築を目指すケースもあります。
このケースで再構築を目指す方は、相手への愛情を再構築の原動力としています。
しかし、前述の通り、再構築をしても必ずしも良好な関係を取り戻せるとは限りません。
もし、相手への愛情があることが理由である方は、この点も理解したうえで再構築を目指すようにしましょう。
再構築を選択するメリット・デメリット
再構築を目指すことを検討している方は、メリットとデメリットの両方を把握しておく必要があります。
それぞれを理解しておくと、心の整理がつきやすくなるでしょう。
特にメリットは、今後生活していくうえでの重要な支えにもなります。
しっかりと受け止め、心に刻んでおきましょう。
再構築を選択する3つのメリット
夫婦関係の再構築を目指すには、デメリットよりもメリットに目を向けることが重要です。
得られるメリットには複数ありますが、特に大きなメリットを3つ紹介します。
メリット1.経済的な心配が少ない
生活をしていくうえで、お金は切っても切れない大事なものです。
自分だけの収入で十分暮らしていける人は問題ありませんが、専業主婦やパートタイムで勤務している場合などは、離婚すると経済的な心配がつきまといます。
もちろん、慰謝料や養育費、自治体からの手当・支援など、離婚することで得られるお金もあります。
しかし、トータル的に考えると、夫の収入があるほうが経済的な心配が少なくて済む家庭がほとんどです。
実際に経済的な不安から再構築を選ぶ妻、または夫婦は多く、「お金のために離婚しない」という選択は決して間違いではありません。
夫の収入は再構築したからこそ得られるメリットと考え、「自立できていないから離婚できない」などとネガティブに捉えないようにしましょう。
メリット2.生活の変化が回避できる
生活環境が変わらず、大きな変化を回避できることも再構築の大きなメリットです。
離婚してしまうと必ず生活の変化が伴い、自分や家族に大きな負担がかかります。
具体的には、以下のような負担が生じるでしょう。
- 引っ越し
- 住民票の変更
- 家族構成
- 収支のバランス
- 資産・財産
- 子供の学校への届け出(就学支援の申し込みなど)
また、名字の変更をする場合は、運転免許証やパスポート、通帳などの氏名変更などが必要になり、さらに大変になるでしょう。
再構築を目指すことで、これらの変化を回避することができます。
特にお子さんがいるご家庭にとっては、生活の変化を回避することは大きなメリットになると言えるでしょう。
メリット3.強気になれる
夫が反省している場合、以前よりも優しくなったり、家事や育児に精を出したり、妻の機嫌を損なわないような言動を見せるようになります。
つまり、裏を返せば、妻は多少強気になっても許されるということです。
そのため、休日に夫に子どもを預けて出かけたり、夫に家事を任せてのんびりしたり、以前より羽を伸ばせる機会が増えるでしょう。
ただし、油断して夫に対して強気になりすぎてしまうと、夫婦関係が悪化してしまう可能性も否定できませんので、極端な行動をしすぎないように気を付けてください。
再構築を選択する2つのデメリット
再構築の選択にはメリットだけでなく、デメリットもあります。
ここからは、再構築を目指す妻の多くが特に経験する2つのデメリットを紹介していきます。
デメリット1.辛い日々が続く
夫に浮気されたものの、再構築を目指す方の中には「前向きになろう」と気合いを入れる方も少なくないでしょう。
しかし、ふとしたことで心が折れることがあります。
具体的には、以下の状況に遭遇したときに、辛さを感じることがあるでしょう。
- 夫に優しくされても腹が立つ
- 夫がスマートフォンを触るだけで気持ちが不安定になる
- 仲が良さそうな夫婦を見かけたときに辛くなる
- 同じ季節が巡ってきたときにフラッシュバックして涙が出る
- 子どもの前で明るい母親を装うのが辛い
- 夫の残業や出張、休日出勤が信じられない
- 離婚経験がある女性を見ると自分が情けなくなる
頑張ろうとする気持ちがある反面、離婚を選択しなかったことによるネガティブな気持ちも抱えるようになることもあります。
特に妊娠期間中や育児中など、あなたが大変な思いをしていた時期に夫が浮気していた場合、浮気された側の恨みは根深いものになるでしょう。
また、気持ちが安定するまでの時間は個人差があります。
「5年、10年経っても辛さを思い出す」という方も決して珍しくありません。
辛さを乗り越えるのは、想像以上に長い時間がかかるものと心得ておきましょう。
デメリット2.心身に影響を及ぼす
「再構築を目指すからには気持ちを入れ替えたい。でも夫と過ごすのが辛い」など、相反する気持ちが長期間続きストレスがたまると、心身に悪い影響が出ることがあります。
具体的には、以下の影響を及ぼすリスクがあるでしょう。
- 食欲の減退
- 突発性難聴
- パニック障害
- 適応障害
- 自律神経失調症
- うつ病など
もし強いストレスがかかっていると感じたときは、家族や信頼できる友人に話を聞いてもらったり、趣味に打ち込んだりしてモヤモヤした気持ちやストレスを吐き出す場所を作りましょう。
また、心療内科を受診し、然るべき処置をしてもらうのもおすすめです。
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【5ステップで解説】再構築を成功させたい!試したい対処方法
再構築に向けて自分なりに頑張っていても、以前よりも喧嘩が増えたり、会話が弾まなかったりする方もとても多いです。
しかし、そこで再構築を諦めてしまうのはもったいないことです。
これまでのやり方を見直して違う方法を取り入れることで、成功する可能性が高まります。
ここからは、再構築を成功させたいときに試してもらいたい方法を5つのステップで解説します。
ステップ1.夫と話し合う
再構築がうまくいっていない理由の一つに、夫との気持ちのズレがあげられます。
お互いの不満や不安、目標や希望などが共有できておらず、同じ未来に向かえていないことが原因です。
まずは一度、夫としっかり話し合い、お互いの気持ちを吐き出してみましょう。
この際、以前よりも密に話し合うことも大きなポイントです。
「言わなくても分かって欲しい」と考えるのではなく、気持ちをストレートに伝えるよう心掛けましょう。
また、話し合いをしている中で、浮気されたことがフラッシュバックして感情的になってしまう方もいるかもしれません。
しかし、怒ったり、悲しんだりといった感情を出してしまうと、話し合いが進まず、結果的に再構築ができなくなってしまう恐れがあるため、できるだけ冷静に対応するようにしましょう。
【話し合いのポイント】
冷静な話し合いを進めるためには、話し合いのタイミングや環境を選ぶことも重要です。
例えば、疲れている時間帯や深夜を避け、休みの日などじっくりと時間を確保できるときに話し合いをすると良いでしょう。
さらに、自宅だと感情的になりやすくなる恐れがあるため、カフェなどの場所で話し合うことで、冷静に対応することができます。
ステップ2.浮気相手と区切りをつける
いくらあなたが再構築を目指しているとしても、夫側が浮気相手との関係に区切りをつけていないと、再構築は難しくなります。
夫の浮気が発覚して、現在でも以下の状況の場合は、速やかに対処する必要があります。
- 接近禁止命令を出していない
- 慰謝料を受け取っていない
- 謝罪されていない
特に慰謝料の請求は、夫の浮気を知ったときから3年以内であれば請求できるので、必ず浮気相手や夫に請求するようにしましょう。
これらの状況を安全に対処するには、弁護士に相談するのも賢い方法といえます。
また、これらの対処と合わせて、「誓約書」を作成するのも有効です。
これにより、夫と浮気相手に、「二度と関係を持たない」という強い意思と法的拘束力を与えることができます。
ただし、夫が浮気相手に対して気持ちが残っている場合、夫婦の関係が悪い方向に変化し、再構築が難しくなる恐れがあります。
対処する際は、慎重に進めるようにしましょう。
ステップ3.コミュニケーションの取り方を工夫する
再構築を目指すのであれば、コミュニケーションの取り方にも気を配るべきです。
例えば、挨拶や些細な出来事でもコミュニケーションを取り、互いの気持ちを伝え合うことで、少しずつ夫婦関係を構築できるようになります。
この際、ただコミュニケーションの量を増やすのではなく、質を高めることを意識しましょう。
どのような内容を、どのような態度で話すか、というコミュニケーションの質を意識することが、対話の建設性を高め、より夫婦間の距離を縮めることにつながるでしょう。
また、どれだけ夫のことが許せなくても、再構築を決めたら、浮気の話題を出すのは絶対に避けましょう。
特に、喧嘩した際などに出してしまうと、せっかく再構築できても関係を悪化させてしまう恐れがあります。
もしもそのような状況に陥った場合は、相手のことを責めるのではなく、未来に向けてどう関係を築いていくかに焦点を当ててコミュニケーションを取ると良いでしょう。
ステップ4.再発防止策も考える
同じ目に遭わないようにするために、浮気の再発防止策を考えることも重要です。
人によっては、浮気を繰り返すケースも少なくありません。
再度同様の目に遭ってしまうと、あなたが再構築に向け努力していたこともすべて水に泡になってしまいます。
そうならないようにするために、以下のような行動をすると良いでしょう。
- 浮気された原因を考えてみる
- あなたの日頃の行動を振り返ってみる
- お互いの不満を日頃から正直に伝え合う
- 夫婦間でルールを設定する
こうした行動をすることにより、再発を防止するためのヒントが見つかるはずです。
また、再発への不安から、夫の行動をすべて監視しようと考えている方もいるかもしれません。
しかし、相手の自由を奪うような行為は、かえって関係を悪化させる可能性がありますので、絶対に行わないようにしましょう。
ステップ5.カウンセリングを受ける
再構築を目指していても、「どうしても怒りが消えない」「夫のことが許せない」と感じることもあるでしょう。
このような場合は、夫婦関係の専門家やカウンセラーに相談し、自分の感情を受け止めてもらえる場を持つことが重要です。
浮気をした側は軽い気持ちでも、された側は一生の傷になるほど深刻なものです。
どうしたら傷が癒えるのか、どうしたら夫婦が足並みを揃えられるのかなど、専門家に相談することで悩みの解決やストレスの緩和が期待できます。
直接対面や電話相談、メールやチャット相談などさまざまな形のカウンセリングがありますので、都合が良い時間帯に自分に合うスタイルで利用できるカウンセラーを選んでみてはいかがでしょうか。
【補足】離婚準備をはじめるのもおすすめ
「夫の反省期間が短かった」 「再構築中に二度目の浮気をされた」 「スキンシップが辛い」
このように、どんなに頑張っても夫婦によっては再構築が困難なことがあります。
もし心に限界を迎えたときは、無理に夫婦関係を修復するのではなく、離婚準備をはじめてみるのもおすすめです。
数ヶ月後、数年後などあなたのタイミングで離婚予定日を決め、それまでに何をすべきなのか考えてみましょう。
また、再構築と離婚準備は両立できます。
現時点では再構築しつつ、あわせて離婚に向けた準備を進めるのも一つの手です。
「いつか自由になれる」という気持ちを糧に、目標に向かって準備をはじめてみてはいかがでしょうか。
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