【大前提】再構築=元通りではない
再構築を目指すときにまず理解しておくべきことは「再構築=元通り」ではないということ。以前の関係を目指すのではなく、新しい夫婦関係を築き上げると考えるようにしましょう。
ときには「あの頃に戻りたい」と考えることもあるかもしれませんが、残念ながら「夫が浮気をした」という事実は変えられません。
できるだけ過去を振り返るのをやめ、どんな未来にしていきたいのか、どんな夫婦になりたいのか考えていくことをおすすめします。
再構築のメリット・デメリット
再構築にはメリット・デメリットの両方があり、それぞれを理解しておくと心の整理が付きやすくなります。
特にメリットは今後生活していくうえでの重要な支え。しっかりと受け止め、心に刻んでおきましょう。
再構築のメリット
夫婦関係を修復するには、デメリットよりもメリットに目を向けることが重要です。得られるメリットには複数ありますが、特に大きなメリットを3つ紹介します。
経済的な心配が少ない
生活をしていくうえで、お金は切っても切れない大事なものです。
自分だけの収入で十分暮らしていける人は問題ありませんが、そうではない場合は離婚すると経済的な心配が付きまといます。
もちろん、慰謝料や養育費、自治体からの手当・支援など離婚することで得られるお金もありますが、トータル的に考えると夫の収入があるほうが経済的な心配が少なくて済む家庭がほとんど。
現に経済的な不安から再構築を選ぶ妻、または夫婦はとても多いものです。
「お金のために離婚しない」という選択は決して間違いではありません。
夫の収入は再構築したからこそ得られるメリットと考え、「自立できていないから離婚できない」などとネガティブに捉えないようにしましょう。
生活の変化が回避できる
生活環境が変わらず、大きな変化を回避できることも再構築の大きなメリットです。
離婚には必ず生活の変化が伴い、自分や家族に大きな負担がかかります。
- 引っ越し
- 住民票の変更
- 家族構成
- 収支のバランス
- 資産・財産
- 子供の学校への届け出(就学支援の申し込みなど)
ザッとあげただけでもこれだけのものがあります。
名字の変更をする場合は、運転免許証やパスポート、通帳などの氏名変更などが必要になり、さらに大変になるでしょう。
再構築を目指すことは、これらの変化を回避できるということ。特にお子さんがいるご家庭にとっては、生活の変化を回避することは大きなメリットになります。
強気になれる
しっかり反省している夫の場合、以前よりも優しくなったり、家事や育児に精を出したり、妻の機嫌を損なわないような言動を見せるようになります。
裏を返せば、妻は多少強気になっても許されるということです。
休日に夫に子どもを預けて出掛けたり、夫に家事を任せてのんびりしたり、以前より羽を伸ばす機会が多くなるでしょう。
もちろん、やり過ぎると夫婦関係にヒビが入ることがありますので気を付けてください。
再構築のデメリット
光がある裏には影があるように、メリットがあれば必ずデメリットもあります。
再構築を目指すサレ妻の多くが経験する2つのデメリットを紹介していきましょう。
とにかく辛い日々が続く
夫の浮気後、妻は「再構築に向けて頑張ろう」「前向きになろう」と気合いを入れるものの、ふとしたことから心が折れることがあります。
- 夫に優しくされても腹が立つ
- 夫がスマホを触るだけで気持ちが不安定になる
- 仲が良さそうな夫婦を見かけたときに辛くなる
- 同じ季節が巡ってきたときにフラッシュバックして涙が出る
- 子どもの前で明るい母親を装うのが辛い
- 夫の残業や出張、休日出勤が信じられない
- 離婚経験がある女性を見ると自分が情けなくなる
頑張ろうとするポジティブな気持ちと、離婚を選択しなかったネガティブな気持ちは常に背中合わせ。
特に妊娠期間中や育児中など、大変な思いをしていた時期に夫が浮気していた場合、サレた方の恨みは根深いものになるでしょう。
気持ちが安定するまでの時間は個人差があります。
「5年・10年経っても辛さを思い出す」という人は決して珍しくありません。
辛さを乗り越えるのは思っている以上に長い時間がかかるものと心得ておきましょう。
心身に影響を及ぼす
「再構築を目指すからには気持ちを入れ替えたい」「でも夫と過ごすのが辛い」など、相反する気持ちが長期間続きストレスが貯まると、心身に悪い影響が出ることがあります。
- 食欲の減退
- 突発性難聴
- パニック障害
- 適応障害
- 自律神経失調症
- うつ病など
強いストレスがかかっていると感じたときは、夫や友達に話を聞いてもらったり、趣味に打ち込んだり、モヤモやした気持ちやストレスを吐き出す場所を作りましょう。
心療内科を受診し、然るべき処置をしてもらうのもおすすめです。
再構築がうまくいかない!試したい3つの方法
自分なりに頑張っていても、以前よりも喧嘩が増えたり、会話が弾まなかったり、「再構築がうまくいかない」と感じる人はとても多いようです。
そんなときは、これまでのやり方を省みて違う方法を取り入れることが重要。本章では、再構築がうまくいかないときに試してもらいたい3つの方法を紹介します。
夫と話し合う
再構築がうまくいっていない理由のひとつに、夫との気持ちのズレがあげられます。
お互いの不満や不安、目標や希望などが共有できておらず、同じ未来に向かえていないことが原因です。
いま一度夫としっかり話し合い、お互いの気持ちを吐き出してみましょう。
以前よりも報・連・相を密にすることも大きなポイントです。
「言わなくても分かって欲しい」と考えるのではなく、気持ちをストレートに伝えるよう心掛けましょう。
浮気相手と区切りをつける
夫の浮気相手と区切りをつけていないことが再構築を阻む壁になっていることがあります。
- 接近禁止命令を出していない
- 慰謝料をもらっていない
- 謝罪されていない
夫の浮気を知ったときから3年以内であれば慰謝料は請求できますし、それ以外でも必要に応じて浮気相手と接することは可能です。
法的にアウトにならないよう、弁護士に相談するのも賢い方法といえます。
ただし、これを機に夫婦仲が悪い方向に変化する恐れもありますので、夫と話し合って理解を得てから行動することをおすすめします。
カウンセリングを受ける
「どうしても怒りが消えない」「夫のことが許せない」といった場合は、夫婦関係の専門家やカウンセラーに相談してみましょう。
浮気はイジメと同じであり、シタ側は軽い気持ちでもサレた側は一生のキズになるものです。
どうしたらキズが薄くなるのか、どうしたら夫婦が足並みを揃えられるのか、専門家に相談することで悩みの解決やストレスの緩和が期待できます。
直接対面や電話相談、メールやチャット相談などさまざまな形のカウンセリングがありますので、都合が良い時間帯に自分に合うスタイルで利用できるカウンセラーを選んでみてはいかがでしょうか。
【補足】離婚準備をはじめるのもおすすめ
「夫の反省期間が短かった」 「再構築中に二度目の浮気をされた」 「スキンシップが辛い」
どんなに頑張っても、夫婦によっては再構築が困難なことがあります。
心に限界を迎えたときは、無理に夫婦関係を修復するのではなく、離婚準備をはじめてみるのもおすすめです。
数カ月後、数年後など自分のタイミングで離婚予定日を決め、予定日までに何をすべきなのか考えてみましょう。 再構築と離婚準備は両立できます。
白黒ハッキリつけないグレーな生き方もあります。「いつか自由になれる」という気持ちを糧に、目標に向かって準備をはじめてみてはいかがでしょうか。