旗竿地とはどのような土地か

旗竿地(はたざおち)とは、特殊な形状を持つ土地のことを指します。
隣人とのトラブルは、この土地の形状に起因することが多いため、まずは旗竿地の定義を確認しておきましょう。
旗竿地の定義
道路に接している間口が極端に少なく、出入口が細長くなっていてその奥にまとまった敷地があり、他人の敷地に囲まれているような土地を指します。
形状が旗竿のようなことから旗竿地と名付けられ、旗竿敷地、路地上敷地、敷地延長とも呼ばれています。
なぜ旗竿地で嫌がらせやトラブルが起きやすい?

旗竿地は、その形状や立地条件から、通常の整形地に比べて隣人とのトラブルが発生しやすい傾向にあります。
ここでは、旗竿地に住んでいることでどのようなトラブルを引き起こしやすいのかを解説します。
隣接する住宅との距離の近さと生活音に関するトラブル
旗竿地の住宅は、竿部分を挟んで隣の家と接していることが多く、他の住宅に比べて接触頻度が高いです。
また、敷地の奥まった場所に位置するため、隣接する住宅との距離が物理的に近くなりやすいです。
この距離の近さから、お互いの生活音(子供の遊ぶ声、楽器の音、ペットの鳴き声など)が聞こえやすく、それが騒音トラブルに発展しやすいという特徴があります。
道路(竿部分)を巡るトラブル
旗竿地の大きな特徴である細長い通路(竿部分)は、トラブルの火種になりやすい箇所です。
主に、通行や利用方法について隣人との間で意見の食い違いが起こります。
- 車の出入りの際の接触・通行妨害駐
車スペースが竿部分にある場合、車の出し入れの際に隣の敷地ギリギリを通る必要があり、接触トラブルや、駐車に手間取ったことによる通行妨害のクレームにつながりやすいです。
また、間口が狭いと大型車(引っ越しや工事のトラックなど)が入れず、相手の敷地をまたぐ必要が出た際にトラブルになることがあります。
- 通路部分での私的な利用・占領
旗竿部分の利用について明確なルールがない場合、子供たちが遊ぶ、私物を置くといった行為が起こりやすく、お隣の敷地に侵入したり、ゴミを捨てたりするなどの問題からクレームに発展する恐れがあります。
日当たりや風通しに関するトラブル
旗竿地の家は周囲の家に囲まれているため、陽当たりや風通しが悪くなることの方が多いです。
日当たりや風通しの悪さを近隣の建物のせいにしてしまったり、反対に「日当たりを悪くされた」といった苦情から、関係性が悪化しトラブルに発展するケースも見られます。
旗竿地で隣人が行う具体的な嫌がらせ

ここからは、隣人から実際に寄せられることが多い、悪意を持った嫌がらせ行為の具体例をご紹介します。
旗竿地の特性上、トラブルから関係性が悪化すると、下記のような陰湿な嫌がらせ行為へと発展することがあります。
騒音・振動による嫌がらせ
深夜や早朝に大音量で音楽を流す、生活音をわざと大きく出す、壁や床を叩くなどの嫌がらせは、精神的苦痛が大きく、証拠集めも比較的容易であるため、初期の段階から対策を講じることが重要です。
敷地内への不法な投棄や汚損
敷地内にゴミを捨てられる、タバコの吸い殻を投げ込まれる、ペットの糞を放置されるなど、所有地を汚される行為です。
特に夜間など人目につかない時間帯に行われることが多く、証拠がないと泣き寝入りするケースが多いです。
通行の妨害や威圧的な行為
旗竿地の通路部分に、わざと私物(植木鉢、自転車、ゴミなど)を置いて通行を妨害したり、通路ですれ違う際に威圧的な態度をとったり、わざと幅寄せをするなどの行為も嫌がらせに該当します。
悪質な噂や誹謗中傷
隣人が近隣住民に対して悪質な噂やデマを流し、被害者を地域で孤立させようとする嫌がらせです。
人間関係を破壊する行為であり、その精神的な苦痛は計り知れません。
プライバシーの侵害
敷地が近いために、日常的に窓やカメラで生活を監視する、外出時につきまとうなどの行為は、ストーカー行為に該当する可能性もあります。
旗竿地で起きた嫌がらせ
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相談内容 (相談者:40代 女性)
1年ほど前に、自宅を購入し、引っ越しをしてきました。
隣人の方にご挨拶に行き、関係が良好だったのですが、半年前のことです。
子供が敷地で遊んでいる時に、うるさいと注意を受けることがありました。
申し訳なく思い、気を付けていたのですが、それから度々、クレームを言ってくるように…
あまりにもしつこいので、頭にきて「まだ、小さいので仕方ないじゃないですか」と言い返してしまったんです。
これが原因で、隣人との関係性が悪くなってしまったんです。
すれ違っても挨拶することはなくなり、私も「もう仲良くしなくてもいい」とまで思っていましたが、その後から嫌がらせを受けるようになってしまいました。
外出をすると、隣人の方と近隣の人が話をしている所を目撃したのですが、噂話をしながら、こちらを見つめてきます。
徐々に他の近隣の人からも距離を置かれるようになってしまいました。
隣人の方はそこに長く住まれている方で、他の近隣の人と皆さんと顔見知りです。
おそらくですが、私の悪口を近隣の人に言いふらしていると思います。
また、敷地内にゴミが捨てられていたこともあり、明らかにわざと捨てていると思います。
それだけでなく、敷地の前にペットの糞が捨てられていることもありました。
今、凄く住みづらい環境で、居心地が悪いのですが、購入した手前、引っ越しもできない状況です。
最初は我慢していましたが、嫌がらせが止むことがなく、精神的に参ってしまいすごく辛い状況であります。
このような嫌がらせを受けている場合はどうしたら良いのでしょうか?
ご相談させてください。
旗竿地はやめといたほうがいい

旗竿地に住むことはやめたほういいと聞きますが、実際にそうなのか?
旗竿地のメリット・デメリットについて記載致します。
旗竿地のメリット
- 土地の値段が安い
- プライバシーが守られる
- 道路側の騒音が聞こえにくい
旗竿地のデメリット
- 陽当たりや風通しが悪い
- 災害時非難が困難
- 車の駐車が困難
- 建設費や解体費が割高になる
- 音が聞こえやすい、聞かれやすい
上記のように良い面もありますが、悪い面の方が多いため、やめといたほうがいいと言えるでしょう。
隣人トラブル解決するためには
隣人トラブルが起きた際の相談窓口
- 町内会(自治会)へ相談する
まずは、地域の町内会や自治会に相談をしたほうがいいでしょう。
回覧板を用いて注意喚起してもらえたり、直接話をして頂けることもあります。
- 警察へ相談する
刑事事件に該当するほど悪質なケースや迅速な対応が求められる際は、警察へ相談するようにしましょう。
警察へ相談の際は、事件が起きた後であれば「110番」とし、相談であれば警察相談専用電話「#9110」へ電話することがオススメです。
不審者がうろついているなど、事件性に関わるような場合はパトロールをしてもらうようにしましょう。
- 探偵事務所へ相談する
嫌がらせを受けており、解決ができないと悩んでいる方へ
証拠収集が必要な際は探偵事務所に依頼することも考えてください。
証拠収集のプロである探偵事務所であれば、嫌がらせに関する証拠を押さえることが可能です。
隣人トラブルを解決する時の注意点
- 個人間で話し合わないようにする
個人で話し合いをしてしまうと、さらに揉めてしまうことが大半です。
また、相手の人によっては一般的な常識が通じない人もいますので、注意が必要と言えます。
必ず、第三者に介入してもらって話をするほうが良いでしょう。
- マナーを守らない、やり返さない
頭にくるからといって、自身もマナーを守らないようにしたり、嫌がらせ行為をやり返すなどしてしまうと被害が拡大してしまう可能性が極めて高く、さらなる深刻な状況に陥ってしまう可能性だって考えられます。
