スマホが盗聴器の代わりになる?良くある3つの手口
スマホを使って盗聴をする方法には、大きく分けて、
「相手のスマホに監視アプリをインストールして盗聴する方法」
「自分が契約したスマホで盗聴する方法(イヤホンやプリペイド式携帯電話を使う方法)」があります。
それぞれの手口を詳しく見ていきましょう。
手口1. 監視アプリを使う方法
監視アプリの本来の利用用途は、夫婦間や恋人同士の浮気防止として、また親が子どもを見守る目的として使うものです。
しかし相手のスマホに監視アプリをインストールさえすれば、盗聴器として使うことが可能になってしまいます。
配偶者や恋人の浮気を疑っている人、元カレや元カノ、また一方的に好意を寄せている人など、対象者のスマホを触ることができる人がこの方法を使うことが多いようです。
自分のスマホに見覚えのないアプリ(Spyzie・Life360・mSpy・Cerberusなど)が入っていないかチェックしてみましょう。
チェック方法については記事後半「スマホが盗聴されていないか確認する3つの方法」内で紹介していきます。
手口2. AirPods・Bluetoothイヤホンを使う方法
iPhoneとAirPods、またはBluetoothイヤホンがあれば、自分のスマホを盗聴器代わりとして使うことが可能です。
例えば職場のデスクにiPhoneを置いておけば、自分が席を外している間に周囲の人が自分の悪口を言っていないか確認することができます。
同様に更衣室に置いておけば、自分がいないときに先輩・後輩・同僚がどんな話をしているか離れた場所で確認することもできるでしょう。
参考までに設定方法について紹介しておきます。
- iPhoneとAirPods、またはBluetoothイヤホンをペアリングする
- 設定→コントロールセンター→聴覚アイコン(耳のマーク)の順にタップする
- コントロールセンターに聴覚アイコンが追加されたことを確認する
- 聴覚アイコン→マイクアイコン(ライブリスニング)をタップする
- iPhoneがマイク代わりになり、周囲の声や音がAirPodsやBluetoothイヤホンから流れるようになる
この方法の本来の使用用途は、周囲の声や音が聞き取りづらい人のサポートをおこなうもの。
盗聴用ではないものの、盗聴器として悪用する人がいるということを認識しておきましょう。
他人のiPhoneが置きっぱなしにされている環境下で、他人の悪口やプライベートな話をするのは避けるようにしましょう。
手口3. プリペイド式携帯電話を使う方法
プリペイド式携帯電話(料金を前払いした分だけ通話・通信ができる携帯電話)も盗聴器代わりに使えるアイテム。
通話状態にしたうえで対象者の部屋や車、デスク周り等に仕込んでおけば、プライベートな会話を盗聴することができます。
前述したAirPodsやBluetoothイヤホンを使う方法は「盗聴範囲=Bluetooth範囲内」に限られますが、プリペイド式携帯電話を使えば「電波が届く範囲」であれば盗聴が可能。
現在プリペイド式携帯電話を取り扱っているキャリアは少なくなっているものの、販売されている限り盗聴器として悪用する人は絶えないと予測されます。
見知らぬスマホ・携帯電話が部屋や車の中などにあるときは、盗聴されている恐れが考えられます。
念のため警察に相談してみましょう。
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【iPhone・Android】スマホが盗聴されているときのサインや症状
【iPhone】オレンジや緑のランプが点灯する
iPhoneの画面右上にオレンジ、または緑のランプが点灯したときは、セキュリティ機能が動作していることを意味します。
- オレンジのランプが点灯…マイクがオンになっている(音声通話中、Siriの起動中、ボイスメモアプリ起動中など)
- 緑のランプが点灯…カメラ、またはマイクとカメラがオンになっている(写真撮影中、ビデオ通話中など)
※設定によってはSNS(XやInstagram、TikTokなど)を開くときにも点灯することがあります。
必ずしも「ランプが点灯=盗聴されている」というわけではありませんが、スマホを触っていないのにランプが点灯したときには注意が必要です。
コントロールセンターを開き、どのアプリがマイクやカメラを起動させたか調べてみましょう。
コントロールセンターの表示にインストールした覚えがないアプリ名や「不明」と表示されたときには盗聴されている恐れが高いと考えられます。
【iPhone・Android共通】スマホに不具合が出る
盗聴されているときや監視アプリがインストールされているとき、あるいはウイルスに感染したときはスマホに不具合が出ることがあります。
- カメラやマイクが勝手に起動する
- 急にバッテリーが少なくなる
- 勝手に再起動を繰り返す
- 使用していないのに本体が熱を持つ
- 知らないうちに発信・着信履歴・通信料が増えている
- 通話中に異音がする、またはエコーがかかる
代表的なものには上記のようなサイン・症状があります。
一度電源を落として電源を入れなおし、それでもサイン・症状が現れるときには次章「スマホが盗聴されていないか確認する3つの方法」を試してみてください。
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スマホが盗聴されていないか確認する3つの方法
確認方法1. スマホのアプリをチェックする
スマホに身に覚えのないアプリがインストールされていないかチェックしてみましょう。
例えば、人気の監視アプリには次のようなものがあります。
- Spyzie(スパイジー)
- Life360(ライフ360)
- mSpy(エムスパイ)
- Cerberus(ケルベロス)
- Track View(トラックビュー)
- AirDroid(エアドロイド)
アプリによってはホーム画面に出てこないアプリ(非表示設定のアプリ)もあるため、見落としがないよう念入りにチェックすることをおすすめします。
- iPhoneで非表示アプリを確認する手順
設定→アプリ→非表示にしたアプリ→Face IDやTouch ID、パスコードを入力
- Androidで非表示アプリを確認する手順
設定→アプリ→すべてのアプリ
身に覚えのないアプリがあったらWi-FiやBluetooth、モバイルデータ通信をすべて停止し、アプリがインストールされた日時を確認したうえで、該当アプリをアンインストールしましょう。
念のためにアプリやメール、オンラインサービスなどのパスワードも変更することをおすすめします。
アンインストール・削除の方法は、契約しているキャリアで紹介されている方法でおこないましょう。
参考元:ドコモ「不正アプリの削除方法」
ソフトバンク「Androidにインストールされる不正なアプリ例」、
au「スマホに潜んでSMSをばらまくマルウェアについて」
アップルストア「Apple個人の安全ユーザガイド」
確認方法2. セキュリティアプリで調べる
セキュリティアプリとは、不正なアプリやウイルスの感染、マルウェア(悪意のあるソフト)の確認はもちろん、侵入防止も可能なアプリです。
無料版と有料版がありますが、より高度なセキュリティを期待したいときは有料版アプリのほうが良いでしょう。
参考までに、各キャリアで展開しているセキュリティサービス(有料)を紹介します。
参考元:ドコモ「あんしんセキュリティ」
ソフトバンク「セキュリティOne」
au「安心ネットセキュリティ」
確認方法3. デジタルフォレンジック調査を依頼する
「自分のプライベートな情報を他人が知っている」 「自分の行動が見透かされている」
「会社の機密情報が外部に漏れていた」 「ストーカーに悩んでいる」
上記のように「一度徹底的に調べておきたい」というときは、デジタルフォレンジック調査(デジタル機器に残されたデータの分析・解析)をおこなっている民間機関への依頼をおすすめします。
【デジタルフォレンジック調査でできること】
- スマホにインストールされている悪意あるアプリの確認・対処
- スマホの遠隔操作や不正アクセスへの対処
- ウイルスやマルウェアの侵入経路の確認
- 個人情報の流出の有無の確認など
デジタルフォレンジック調査を実施している機関は、探偵事務所や興信所、デジタルフォレンジック調査の専門企業などがあります。
「スマホ以外に盗聴器・盗撮器が仕掛けられていないか知りたい」というときは、幅広い調査をおこなっている探偵事務所や興信所への相談・依頼がおすすめです。
調査費用は依頼内容によって5〜100万円と大きく異なるため、まずは無料相談からはじめてみましょう。
【要注意】iphoneの隠しコマンド「*#21#」では盗聴確認はできない
一時期、ネット上でiPhoneの隠しコマンド「#21#」で盗聴されているか確認できるという情報が飛び交いましたが、これはデマであり誤解です。
「#21#」は、自動電話転送(通話・データ通信など)が利用できるかどうかを調べるものであり、盗聴被害の確認はできませんので注意しましょう。
【iPhone・Android】盗聴や盗撮を防止するには?
スマホのセキュリティを強化しておくと、盗聴や盗撮の防止に役立ちます。
- スマホは必ずロックをかける
- パスワードを複雑にする
- マホを置きっぱなしにしない
- 夫婦間や恋人同士、友達や知人であっても貸し借りに気を付ける
- 人から勧められた監視アプリ・盗難防止アプリ・GPSアプリなどのインストールには細心の注意を払う(またはインストールしない)
- セキュリティアプリをインストールする
一見するとアナログな方法ですが、盗聴・盗撮防止には大変役に立つ対策です。
もちろんこれで完璧とは言えないため、おかしな症状が出るようになったら前述した「スマホが盗聴されていないか確認する3つの方法」でチェックしてみてください。
まとめ
スマホは日常生活に欠かせないアイテムですが、同時に盗聴器としても代用できる危険な面も持ち合わせています。
よって「自分の情報を他人が知っている」「プライベートな情報が漏れている」「何かおかしい…」
と違和感を感じたときは、スマホを盗聴されている可能性があることを視野に入れておきましょう。
盗聴されていないか自分で調べたいときは、インストールされているアプリをチェック、またはセキュリティアプリで調べる方法がありますが、徹底的に調べておきたいときはデジタルフォレンジック調査をおこなっている探偵事務所・興信所・専門機関への依頼がおすすめです。
個人情報やプライベートな情報が流出すると、思いもよらないリスクが発生することがあります。
自分の身を守るためにも、また手遅れにならないためにも、早めのチェック、または一歩踏み込んだ調査の検討を強くおすすめいたします。