そもそも結婚詐欺とは?特徴やよくある手口
結婚詐欺とは
結婚詐欺とは、相手の「結婚したい」という感情を利用してお金を騙し取る詐欺行為のこと。
マッチングアプリや婚活サイトで知り合った相手を騙す「SNS型ロマンス詐欺」、また儲け話を持ち掛けて投資金を騙し取る「投資詐欺」なども結婚詐欺のひとつであり、いずれも相手の恋愛感情を上手に操る傾向があります。
【男女別】結婚詐欺師の手口
【男性詐欺師の特徴】
- 高学歴・高収入・経済的に余裕がある
- 高級車に乗っている・ブランド物を身に着けている
- 将来設計がしっかりしている
- 優しい・包容力がある
- 結婚に前向きな話をする
【女性詐欺師の特徴】
- お金がないことをアピールする
- お金が原因で結婚できない風を装う
- 「守ってあげたい」「助けてあげたい」と思わせる
- 家庭的な一面もある
【共通している特徴】
- 相手の理想像にピッタリな人物を演じる
- 数ヶ月ほど交際を続け、相手を信用させてから詐欺行為をおこなう
- 少額を借りて返金することを繰り返すこともある(お金を貸しても返ってくると思い込ませる)
結婚相手がなんか怪しい…詐欺師の見抜き方・見極め方
不自然な行動・言動がある
結婚詐欺師は繰り返し嘘をついたり、2人以上の人と同時進行で付き合ったりすることが多いため、不自然な行動・言動が見られがちです。
- 2人で写真を撮るのを嫌がる
- 言うことがコロコロ変わる
- 2人でいるときに着信があっても電話に出ない
- 名前を間違われる
- LINEやDМの日本語が不自然
- 限られた曜日にしか会ってくれない
上記以外でも「あれ?」「なんかおかしい」と思うことがあったら、結婚詐欺師の可能性を視野に入れましょう。
日記やメモなどに恋人のおかしな点を記録し、信頼できる第三者に助言してもらうのもおすすめです。
個人情報を隠す・秘密にする
結婚詐欺師は、自分の個人情報を知られることを嫌います。
- 身分証明書(免許証・保険証・マイナンバーカード・パスポートなど)を見せてくれない
- 自宅の場所や住所、出身地を教えてくれない
- ビデオ通話をしてくれない(プロフィール写真と顔が違う)
誰しも秘密のひとつやふたつはあると思いますが、「結婚前提で付き合っている恋人が不安を感じるような隠し方」をする時点で誠実な人物とはいえないでしょう。
詐欺師は本名を名乗らず偽名を使っていることも多くあります。
結婚詐欺師の可能性が高いと感じたときは「身分証明書の顔写真が見たいな!」などの理由をつけ、見せてもらうことをおすすめします。
家族や友人を紹介してくれない
結婚の話はするものの、家族や友人を紹介してくれないときも要注意です。
- 家族は海外にいる
- すでに他界している
- 疎遠、仲が悪い
- 病気で入院中
- 友人はみんな遠方にいる
- 仕事が忙しくてなかなか会えない
「今度家に遊びに行ってもいい?」「自分も友達を連れてくるからWデートしよう」など何度か掛け合い、反応が薄ければ気を付けたほうがいいかもしれません。
結婚詐欺グループの一員の場合、グループ仲間が家族や友達になりすまして挨拶をしてくることがあります。
「家族や友達に紹介してくれた=信頼できる人」とは限らないため注意しましょう。
貯金額や資産を知りたがる
結婚詐欺師は相手のお金関係(給料・預貯金・暗号資産・不動産)を知りたがる傾向があります。
これは狙いを定めるためであり、思うような経済状況ではなかった場合は別れを切り出したり、音信不通になることが多いようです。
「結婚するんだから貯金額を知っておきたい」と言われて断りづらいときは「(少なめに)〇万円くらい」など、ざっくりと答えておきましょう。
金銭的要求をしてくる
結婚詐欺師の最終的な目標は「金銭を騙し取る」ことです。何かしらの理由をつけてお金の話をしてきたら、結婚詐欺師である可能性がかなり高いと思って良いでしょう。
- 親が病気になった(あるいは事故に遭った)。今すぐに手術費が必要。
- 小切手等が入ったカバンを盗まれた。今すぐに対処しないと会社をクビになる
- 仕事のトラブルで借金をつくってしまった。このままでは結婚できないかもしれない。
- 結婚したあとに住む家を建てようと思っている。頭金をいくらか出してくれない?
- 良い投資話がある。一緒にやってみない?
相手に考える隙を与えず要求してくるケースや、「結婚前に借金・奨学金を返したい」などじんわりと出資・出費を促すケースもあります。
理由がどうであれ、お金の話が出たら詐欺の可能性が高いと認識しておきましょう。
最初は少額から、徐々にエスカレートして大金を要求してくるケースも多くあります。例え1〜2万円でも、お金の話が出たら冷静に対応を心がけてください。
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実際の結婚詐欺事例|具体的な詐欺手口を紹介
実際にどのような結婚詐欺事件が発生しているのか、近年中に起こった事件の詳細と具体的な詐欺手口を見ていきましょう。
女性医師から合計2500万円を詐取したとして、宮山翔吾容疑者が結婚詐欺の疑いで逮捕された。
宮山容疑者は、他の女性10人くらいからも1億円ほどだまし取ったと供述しており、だまし取った金は株の投資に使い込んでいた。
(中略)宮山容疑者は「松濤にも土地があり、将来一緒に住めるように新築の家を建設中。結婚後の贈与税や相続税への対策として、1000万円を入れてもらいたい。
債権を購入してほしい」という殺し文句を使っていた。さらに信用させるため、こんなウソもついていた。 「祖父が資産家で、今は仕事でサウジアラビアにいる」女性からは、合わせて2500万円をだまし取ったとみられている。
引用元:FNNプライムオンライン
交際相手に結婚をにおわせ、現金約200万円を詐取したとして、兵庫県警生田署は19日、詐欺容疑で神奈川県伊勢原市、アルバイトの男(48)を逮捕した。
「だまし取った金は借金返済に充てた」と容疑を認めているという。 逮捕容疑は平成24年9月、当時兵庫県内に住んでいた30代女性に「将来結婚したときのために資金をためよう」と持ちかけ、金融機関の口座に約200万円を振り込ませ、だまし取ったとしている。
同署によると、男は既婚者で、女性は会社の元同僚だった。2人は23年9月から交際をスタート。26年12月までの間に10回にわたり計約1300万円をだまし取ったという。
引用元:産経WEST
所沢署は12日、詐欺の疑いで、横浜市神奈川区東神奈川2丁目、派遣社員の男(56)を逮捕した。
逮捕容疑は、所沢市に住む当時40代女性に対し、結婚する意思がないのに結婚を前提とした交際を続け、「空き巣に入られて生活費がない」「出張で韓国に行く」「韓国で入院した」などとうそを言って信用させ、2017年10月12日~同11月13日の間、7回にわたり現金計120万円をだまし取った疑い。
「お金を借りていただけ。返すつもりだった」などと容疑を否認しているという。 同署によると、男は厚生労働省職員と身分を偽り、17年9月に婚活パーティーで女性と知り合っていた。
言動を不審に感じた女性が問い詰めると、男の友人を装い、「男は死にました」など会員制交流サイト(SNS)で伝えてきたことから、女性が所沢署に相談していた。
引用元:埼玉新聞
記で紹介した事件のほかにも「宝石を購入させられた」「セミナーに誘われ無理やり入会させられた」などさまざまな被害が発生しています。
逮捕に至ったケースは氷山の一角との見方もあり、相当数の被害者が泣き寝入りしている可能性も高いようです。
くれぐれも「自分は大丈夫」などと過信しないようにしましょう。
警視庁や国民生活センターでは、マッチングアプリや婚活サイトでのトラブルを多く紹介しています。視野を広げるためにも、一度目を通しておくのがおすすめです。
参考元:警視庁「最新の詐欺」
国民生活センター「「愛してるから投資して」っておかしくない!?-マッチングアプリ等で知り合った人に騙されないためのチェックリスト-」
結婚相手は詐欺師が怪しいと思ったときの対処法
最初は楽しくお付き合いしていたものの、途中から「どこか怪しい」「何かおかしい」と思うことが出てきたら注意が必要です。
被害被害から身を守るにはどうしたらいいのか、正しい対処方法を紹介します。
冷静になる・距離を置く
相手が結婚詐欺師の可能性が高くなったら、いったん情を捨て冷静に判断しましょう。
「せっかく掴んだ結婚のチャンスを逃したくない!」と思ってしまうかもしれませんが、その感情を利用するのが詐欺師のやり方です。
しばらく会わない、連絡しないなど、冷却期間を設けることをおすすめします。
信頼できる人へ相談
友人や家族など、信頼できる第三者に相談し判断してもらうのもひとつの方法です。
もしもマッチングアプリや婚活サイト、結婚相談所で知り合った相手であれば、運営元に相談してみるのもよいでしょう。
明らかに結婚詐欺師の可能性が高いときはお近くの警察署、または警察相談専用電話「#9110」への連絡を推奨します。
探偵・興信所へ相談
結婚相手が詐欺師か調べたいときは、探偵事務所や興信所に身辺調査(結婚調査)への依頼を検討しましょう。
探偵事務所や興信所は、尾行・聞き込み・張り込み・潜入・独自のネットワークやデータベースなど、さまざまな方法を駆使して対象者の正体を調べていきます。
身辺調査(結婚調査)で分かること
- 相手の本名・生年月日
- 出身地・出身校・職歴
- 借金の有無
- 結婚歴・婚姻歴
- 交友関係・反社会的勢力との繋がり
- 社会的信用度
調査費用は調査項目の範囲によって、またどこに依頼するかによって10万円〜80万円と幅があります。 ほとんどの探偵事務所や興信所では無料見積もり相談をおこなっていますので、まずは見積もりを取るところからはじめてみましょう。
できれば複数社に相談し、見積額やスタッフの対応などを比較検討することをおすすめします。
法的手段の検討
「貸したお金が返ってこない」「お金を貸したあとに音信不通になった」など、実害が出ているときは法的手段を検討しましょう。
法的手段には「刑事告訴」と「民事訴訟」があり、どちらか、または両方を選ぶことができます。
- 刑事告訴…詐欺罪として告訴する方法。加害者を逮捕してもらうことができる。
- 民事訴訟…被害額の返金や、精神的苦痛による慰謝料を請求することができる。返金や支払いをしてもらえないときは、相手の財産を差し押さえる手続きを取ることも可能。
いずれも詐欺に遭ったという確実な証拠(振込履歴・LINEのメッセージ履歴など)と専門的な知識が必要です。
泣き寝入りしないためにも、自身が損をしないためにも、法律のプロ・弁護士に相談しましょう。
結婚詐欺師を見抜くポイントと予防策
「出会いが欲しい」「結婚相手を探したい」という人にとって、マッチングアプリや婚活サイトは魅力的な存在です。
詐欺被害を避けるためにも、利用するときには結婚詐欺師を見抜くポイントと予防策を意識しておきましょう。
プロフィールの不自然さに注意
プロフィール欄が華やか過ぎる人、また日本語の使い方がおかしいときは注意が必要です。
- ハイスペック(経営者・社長・実業家・高年収)
- イケメン・美人
- 肌の露出が多い写真
- 高級な時計や車などお金持ちアピールをしている写真
- 不自然な日本語・句読点の使い方がおかしい・誤字が多い
- 「いいね」の数が異様に多い
- 顔写真がフリー素材
気になる人がいたら名前をネットで検索したり、顔写真を画像検索したりなど、自分なりに情報を収集してみましょう。
お金を要求される
言わずもがな、お金を要求されたらその人物はほぼアウトです。
- 親が病気・事故に遭い、今すぐに治療費・手術費が必要
- 会社のお金が入ったバッグをどこかに置き忘れた。すぐに立て替える必要がある。
- いま投資すると絶対に儲かるアプリ・サイトがある
- 友人の借金の保証人をしていたのだが、友人が行方不明になった。このままでは結婚できない。
- 2人で暮らすための新居の資金を出してほしい
- 結婚式・披露宴のお金をいったん全額払っておいてほしい
いくら誠実そうな人だったとしても、多かれ少なかれ金銭のやり取りは慎重に行う必要があります。
出費を控えたいときは「自分もお金に困っている」「この前、親に数100万円貸したばかり」など理由をつけ拒否する姿勢を見せましょう。
身元・素性をしっかり調べる
結婚詐欺師を避けるためにも、マッチングアプリや婚活サイト、結婚相談所を選ぶときには、公的書類による本人確認をおこなっているところ、また24時間365日監視体制が整っているところがおすすめです。
恋人ができたときは身分証明書を見せてもらったり、探偵事務所や興信所に身辺調査(結婚調査)を依頼するのも良いでしょう。
個人情報・経済状況をむやみに教えない
例え相手が信用できる人物だと思ったとしても、個人情報をあからさまにするのは危険です。
特に、お金関係(給料・預貯金・暗号資産・不動産など)を正直に伝えることはおすすめしません。
「結婚するんだから貯金額を教えて」「自分の貯金額は〇万円だけど、あなたはいくら?」と言われたときはやんわりと断るか、断りづらいときは少なめの金額で答えておきましょう。
まとめ
結婚相手が怪しいと感じたときは、いったん冷静になり客観的に考えてみることが詐欺を予防するポイントです。
いくら「自分は詐欺には引っかからない」「この人は信用できるから大丈夫」と思っていたとしても、恋愛感情や好意を操るのが詐欺師の手口。
過信していると思わぬ事態を招くことがあるため、「気を付けていても詐欺に引っかかることがある」と身を引き締めておくことが詐欺予防に繋がります。
「結婚詐欺師に騙されたくない」「信頼できる人と安心して結婚したい」と思うときは、探偵事務所や興信所に信用調査(結婚調査)を依頼することも検討しましょう。
多くの探偵事務所・興信所で無料見積もり相談をおこなっていますので、依頼する・しないを決めるためにも、まずは気軽な相談からはじめてみることをおすすめします。