マッチングアプリ詐欺とは?よくある手口・種類を解説
出会い系サイトとは違い、安全でクリーンなイメージを謳っているマッチングアプリ。
しかし残念ながらここ数年で詐欺被害が増加し、泣き寝入りしている被害者も少なくありません。
騙されるリスクを回避するためには、マッチングアプリ詐欺の手口を知っておくことが重要です。
本章ではよくあるマッチングアプリ詐欺の手口や種類について紹介していきます。
手口① 有料サイトへ招待・誘導
マッチングアプリ詐欺でもっとも多いのは、有料サイトへ招待・誘導し「登録料金」「月額料金」「使用料金」を請求する手口です。
- 連絡を取り合うのに便利なサイトがある
- 招待制SNSでやり取りをしたい
- 会員限定のブログを書いている。よかったら読んで欲しい。
- 一緒にオンラインゲームがしたい
- ブランド物が安く買えるオークションサイトを知っている
上記のように別のサイトへの登録を勧めてくる人は、マッチングアプリに潜り込んでいる「有料サイトの運営業者」の可能性大。
誘われるがまま登録してしまうと、高額な料金を請求されることがあるので気を付けましょう。
手口② ビジネスへの勧誘
マッチングアプリには、マルチ商法やネットワークビジネスへの勧誘、また情報教材の販売目的で登録している人もいます。
- ビジネスを手伝ってもらいたい
- 不労収入で生活できる話、聞きたくないですか?
- 一緒に起業してくれる仲間を探している
- 良い投資話がある
- 一緒に株の勉強をしませんか?
副業(サイドビジネス)に興味ないですか? 上記のような言葉でビジネスに勧誘し、起業資金や投資金といった名目で現金をだまし取るのが相手の目的です。
アプリ内のやり取りでは好印象だったのに「初めて会ったときに別の人物を連れてきた」「4〜5人に取り囲まれ、契約するまで帰してもらえなかった」という事例もあるため注意が必要です。
手口③ 恋愛詐欺・婚活詐欺・ロマンス詐欺
恋人になったあと、または結婚の約束をしたあとに現金をだまし取る「恋愛詐欺」「婚活詐欺」「ロマンス詐欺」も多発しています。
- 取引先に支払うお金が無い
- 会社の資金繰りに困っている
- 家族やペットが病気で高額な手術料が必要。定期預金を解約する予定だが、時間がかかりそうなのでお金を貸してほしい。
- 結婚するには、一度母国に帰る必要がある。渡航費用を貸して欲しい。
- 海外留学のためにお金を貯めていたが、親が病気で働けなくなり家族の生活費にあてている
相手の同情を買い「必ず返す」「来月には返せる」などと約束をしたうえで現金を受け取り、その後に音信不通になるのが相手の手口。
理由はなんであれ「お金を貸してほしい」という話が出たら詐欺の可能性が高いと認識しておきましょう。
手口④ デート商法
マッチングアプリで知り合った相手に高価な商品を買わせたり、高額な飲食費を支払わせたりするのは「デート商法」の手口です。
- デート中にブランド物のバッグや時計をねだられてプレゼントした
- 待ち合わせ場所に指定された場所がぼったくりバーだった
- 相手の親が美術商で、絵画を勧められたので購入した
上記のような手口が多く、なかには土地などの不動産を勧められるケースも発生しています。もちろん、そのあとに連絡が取れなくなるのが典型的なパターン。
「何かおかしいな」と感じたらその場を離れるなど、相手の口車に乗らないよう自己防衛を心掛けましょう。
手口⑤ 体目当て
マッチングアプリ登録者のなかには「肉体関係をもつことだけを目的」にしている、いわゆる「ヤリモク」も潜んでいます。
- 肉体関係をもったあとに連絡が取れなくなった
- 婚活サイトで知りあい順調に付き合っているが、結婚に前向きになってくれない
- 妊娠したあとに音信不通になった
- 数カ月付き合ったあとに既婚者だということが分かった
- 裸の写真や性行為中の動画を撮られた
こちら側が結婚を意識していても、相手がヤリモクであれば結婚に結びつく可能性は低いといえます。特に女性は、妊娠したあとに連絡が取れなくなるケースがあるため十分気をつけてください。
サクラ・業者・恋愛詐欺師の特徴や見分け方
詐欺目的でマッチングアプリに登録している人、いわゆるサクラや業者、恋愛詐欺師は相手に気付かれないよう最新の注意を払っています。
なかにはプロフィール欄に「年収〇億以上です」「複数の会社を経営している」「代々医師家系です」などと記載している「ちょっと怪しいかな?」程度の人はいますが、だからといって「ハイスペック=怪しい」と断言できるわけではありません。
プロフィール欄だけで「良い人」「詐欺師」を判断するのは、かなり難しいといえるでしょう。
マッチングアプリで安全なのはどれ?
マッチングアプリのなかに100%安全なものはありません。よって「安全とは限らないものの、安全に近い」マッチングアプリを利用することが重要です。
- 利用時に身分証明書の登録が必須
- 無料ではなく有料
- 登録までの審査がしっかりしている
- 通報システムが完備されている
- 大手企業、または一部上場企業が運営
- 初回デートは運営者側が企画
上記のようなマッチングアプリは、比較的詐欺被害が少なめ。マッチングアプリを選ぶときの、ひとつの基準にしてください。
マッチングアプリ詐欺に遭ったかも…対処法は?
気を付けていたのはずなのに「有料サイトに誘導され、高額な登録料を請求された」「マルチ商法の勉強会に連れて、無理やり契約させらえた」「相手がヤリモクかもしれない」など、詐欺に遭った可能性がある場合は被害を最小限に押さえることが重要。
本章ではマッチングアプリ詐欺の対処法や連絡先について紹介していきます。
対処法① マッチングアプリの運営側に連絡
まず最初にすべきことは、マッチングアプリ運営側への連絡です。
加害者が登録情報を抹消していたり、本名ではなく偽名で登録していたりすることもありますが、その場合も含め運営側に調査を求めることが重要なポイント。
電話やメール、トラブル通報システムなど、然るべき手段で早急に連絡しましょう。
対処法② 国民生活センター・消費者センターに相談
マッチングアプリ運営側に連絡したあとは、国民生活センター、または消費者センターへ相談しましょう。
国民生活センターや消費者センターでは、マッチングアプリや出会い系サイトでの詐欺・トラブルの相談を受け付けており、返金やクーリングオフの可否についてアドバイスをもらうことができます。
居住地、または最寄りの相談窓口が分からない場合は、消費者ホットライン(局番なし188)に電話をし、適切な窓口を紹介してもらいましょう。
対処法③ 警察に相談
マッチングアプリ詐欺は、最寄りの警察署や交番でも相談ができます。
相談に行くときは詐欺に遭った証拠や相手とのメッセージのやり取り、お金が絡んだトラブルの場合は領収書やクレジットカードの利用明細が必要。
警察が悪質だと判断し捜査に動いた場合は、早期解決も期待できます。警察署や交番に直接出向くのが難しいときは、警察の相談専用電話(#9110)で相談してみましょう。
対処法④ 弁護士に相談
「被害額の返金を求めたい」「クーリングオフ期間は過ぎたけど情報教材を解約したい」「心に深い傷を負ったので慰謝料を請求したい」といった場合は、弁護士に相談するのがベスト。
弁護士費用が心配な場合は、比較的安い料金で利用できる国営相談所「法テラス」もおすすめです。
ただし弁護士も法テラスも、相手の身元が特定できていないと相談に乗ってもらえないことがあるので注意しましょう。
対処法⑤ 探偵へ相談
「相手の顔しか分からない」「偽名が使われていた」「電話が繋がらない」「SNSのアカウントが見つからない」など、音信不通になった相手の身元を特定したいときは探偵への依頼がおすすめです。
情報量が少ない場合は特定に至らないこともありますが、トラブルの内容次第ではビックリするほど早く見つけてもらえることがあります。
多くの探偵社では初回無料相談を受け付けていますので、身元の特定から始めたい人は早めに連絡してみましょう。