聞き込み調査とは?
探偵における聞き込み調査とは、依頼者の目的に応じて、必要な情報を第三者から引き出すことです。
聞き込み調査を言い換えて、ヒアリング調査と呼ばれることもあります。
警察でもないのにそんなことができるの?と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、探偵による聞き込み調査は個人を特定する目的であっても合法です。
他人の依頼を受けて、対象者の情報を集める目的で面接による聞き込み、尾行、張り込みなど、これらに類似する方法で調査をすることは探偵業法という法律で認められているからです。
聞き込みの目的
依頼人の悩みを解決するため、少しでも多くの情報を引き出すことが聞き込み調査の目的です。
聞き込み調査をして集めた情報が、直接対象者に結び付く情報でなかったとしても、探偵はそれらの情報から答えを導き出します。
聞き込み調査の方法
聞き込み調査の最も大事なことが、「情報を聞き出すこと」です。
当たり前と思われるかもしれませんが、聞き取り方(方法)を誤ってしまうと、本来引き出せるはずだった情報を引き出せなくなる可能性がでてきます。
- 聞き込み調査時に怪しまれてしまった
- 探偵という身分が相手にバレてしまった
このような状況になると、情報を引き出すことができません。
そのため、探偵はあらゆる方法を使い、聞き込み対象者に近づき、情報を引き出します。
聞き込み対象者の精査
まず、依頼者から対象者に関するできる限りの情報を収集します。
基本的な情報から、聞き取りする対象者の精査をします。
依頼者の予算、調査にかけられる時間は限られていることも多いため、素早く正確に対象者の情報を収集するために必要な工程です。
聞き込み調査の聞き方
対象者や周辺人物に怪しいと思われないよう、関係人物になりすましたり、取材という名目で聞き込み調査を行います。
例えば、
- 大学の研究の一環でこの街を調査している
- 地元の人がよく通うお店の取材をしたい
このように自然な状況を作り出し、相手に警戒感を与えないよう、調査を進めていきます。
一方で、こちらの身分がばれてもいいという場合は、直接的に情報を聞き出すこともあります。
依頼内容、調査内容によって、聞き込み調査の方法は変わってきます。
あくまでも、聞き込み調査の目的は「対象者に繋がる情報を得ること」ですので、状況に応じてベストな聞き込み調査の方法を選択していきます。
友人・知人への聞き込み調査
対象者の友人、知人への聞き込み調査から、対象者の意外な一面を知ることができることが多くあります。
職業や住んでいる場所などの環境や、年齢を重ねることで価値観や考えが変化すると、自然と付き合う人も変わってくる場合があります。
その友人にしか見せない面があることも、珍しくありません。
依頼者が全く知らない対象者の姿を把握することができるため、対象者の発見や対象者に繋がる情報となります。
職場への聞き込み調査
これも対象者の情報を得るうえで必要な調査になります。
友人・知人への聞き込み調査同様、同僚や会社の人にしか見せない姿もあるからです。
- Aさんが本当に〇〇商事に勤めているのか知りたい
- 付き合っている恋人の身上が知りたい
- 出会い系や結婚相談所などで知り合った相手の情報を知りたい
というご相談をいただくことがあります。
企業様からのご相談の場合だと、
- 取引先に不審な活動がないかを調べてほしい
- 従業員の行動を確認したい
- 勤務実態を確認したい
などのようなものがあります。
このような状況の場合は、怪しまれない形で何者かになりすまして調査を行います。
また、勤務先によっては、会話に必要なその業界の基礎知識を身に付ける必要もあります。
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プロはこう聞く~探偵の聞き込み技術~
上手く情報を引き出すためには、相手に怪しまれることなく、自然と情報を話してもらうという状況を作り出すことが必要不可欠です。
相手が話したくなるように探偵はあらゆる技術を使い、情報を引き出します。
その方法をいくつかご紹介します。
服装を状況に合わせる
まず、人と話す上で一番重要な見た目を意識します。
時間と場所、場面に応じた服装をして、その場に見合った行動・言動をするという意味でTPOという言葉が使われると思います。
怪しまれないよう、取材先の場所やシチュエーションに応じて必要な服装が変わってきます。
例えば冬の時期に取材という名目で、会社訪問した際に寒いからといってコートを着たまま仕事を進めるというのはビジネスマナー的に良くありません。
寒い場合でも、客先に入る前にコートは脱いで訪問しますよね。
また、極端な例ですが外の取材でカメラマンとインタビュアーがいたとします。
カメラマンがスーツでカメラを担いでいたら、ちょっと違和感を覚えますよね?
一方、インタビュアーはスーツ、カメラマンは動きやすい服装だと、テレビでもよく見る服装なので違和感はないはずです。
探偵と聞き込み調査の対象者は初対面であることも多いです。
見た目でその人の第一印象がほぼ決まってしまうため、その時々の状況に合わせた服装選びが大事になってきます。
質問しすぎない
- あなたは、〇〇についてどう思っていますか?
- そう思った理由はなんですか?
- その理由の△△という部分についてもっと聞きたいのですが
などと立て続けに質問されると、この人は何が聞きたいのか?
何か探ってる・・?
と質問された人は警戒してしまいます。
一度警戒されると、情報は引き出しにくくなるため、会話の中から自然と答えてもらうような工夫が必要になります。
間接的に質問をする
主語をその人自身ではなく、他人に置き換えて質問をすることで質問の意図に沿った回答を得られる可能性が高まります。
例えば、
- あなたの対象者の印象を教えてください
- 他の方は対象者についてどんな印象を持っていますか?
と聞くことで答える側のハードルを下げる効果があると言われています。
これはアンケート調査でも使われる技法で、回答の客観性を高めたい時などによく使われます。
頷き、表情などに気を付ける
相手の話を好意的に聞くことで、話しやすい雰囲気を作ることも大事になってきます。
自分の好きな趣味の話をしているのに、相手がつまらなそうに聞いていたり、否定的な意見を言われるとそれ以上話したくなくなりますよね。
それと同様に、聞き込み調査でも相手を不快にさせない、喜ばせることも大切です。
ここでいくつか相手から上手く情報を引き出すテクニックをご紹介します。
- 相槌を打つ
- つまり、〇〇ということですか?などと話をまとめる
- 相手の言った言葉を繰り返す
- 相手が話してくれるまで待つ(話の間を大事にする)
- 共感する言葉を言う
- 表情を使い分ける(喜怒哀楽を表現する)
このようなテクニックを使い、相手が話したいと思う空間を作ることで、自然と情報を引き出します。
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