名誉毀損と誹謗中傷について
名誉毀損とは
名誉毀損とは、事実を公にして他人の評判を傷つける行為です。
これは法律違反であり、損害賠償や刑事罰の対象になります。
真実や公益を目的とする場合は、名誉毀損とはみなされません。
しかし、事実に基づかないような内容の場合は侮辱罪に当たる行為となります。
誹謗中傷とは
誹謗中傷とは、「根拠のない悪口を言いふらして他人の名誉を損なう行いのこと」を指します。
誹謗中傷という言葉は、人の悪口を言う「誹謗」と根拠のない内容で人を貶める「中傷」の2つを合わせた言葉です。
つまり、「死ね」「アホ」などの悪口はもちろんのこと、デマ情報などの根拠のない内容で人を貶めるといったことが誹謗中傷に該当します。
こうした誹謗中傷は、場合によって「名誉毀損罪」や「侮辱罪」に問われることもあります。
名誉毀損が成立する3つの条件
名誉毀損罪が成立するためには、「人の名誉を毀損」したことが必要です。
「名誉を毀損」とは社会的評価を低下させることであり、被害者の主観で判断されるものではありません。
そのため、いくら被害者の気持ちが傷ついたとしても、必ずしも相手を名誉毀損罪に問うことができるわけではありません。
「具体的な事実」にあたるかどうかは、挙げられた内容の真偽が確認対象となり得るかどうかがポイントになります。
例えば、「○○所長は新人にセクハラをしている」という発言があった場合、セクハラ行為の有無が事実確認の対象です。
対して、「○○所長の目線がいやらしくてキモい」という発言については、目線がいやらしいかどうかはあくまで個人の主観であり、事実確認の対象とはなりません。
摘示の内容の真偽に関わらず、以下3つの要件をすべて満たしている状況であれば、名誉毀損は成立します。
- 具体的な事実を摘示している
- 当該事実が被害者の社会的評価を下げる可能性がある
- 公然の場である
社会的評価を下げる可能性があるかどうかは明確な基準はなく、社会常識に従って判断されます。
例えば、「あの人は詐欺師だ」や「隠れて不倫をしている」など、一般常識的に人の評価を下げる可能性のある事柄であればこれに該当すると言えるでしょう。
逆に事実であっても相手の社会的信用を下げない場合や、挙げた事実に公共性がある場合、公益目的での行為である場合、情報の内容が真実であるか真実と信じるに足りる相当な理由がある場合は名誉毀損に該当しません。
こちらもチェック
名誉棄損で訴える為にすること
証拠を残す、証拠を取る。
訴えを起こす上で一番と言ってもいいほど重要となってくる「証拠」。
インターネット上で名誉毀損を受けた場合は、スクリーンショット(画面キャプチャ)などで証拠を残すとよいでしょう。
スクリーンショットを撮っておくべき内容は、次の情報などです。
- 名誉毀損をする投稿の全文
- 投稿のURL
- 投稿者のアカウント名やユーザー名
- 投稿の日時
インターネットやメールで名誉毀損の内容を送信するケースでは電磁的記録として残るため、その記録を保存しましょう。
名誉毀損の内容を吹聴するなど、口頭でおこなっている場合には、それを聞いていた人に、いつ・どこで・どのような内容を言っていたかを正確に聞き取り、それを書面に書き起こすか、聞いていた人に署名捺印してもらうなどしてもらうと有効です。
証拠がなければ、いくら被害を訴えたところで、相手の刑事責任を追及したり損害賠償請求をしたりすることが困難となる為、確実な証拠を取りましょう。
T.L探偵事務所では、名誉棄損の証拠を集める為の調査も行っておりますので、困ったときは一度24時間無料相談窓口までお問い合わせください。
訴える準備が出来たら
(民事責任を問う場合)損害賠償請求をする
名誉毀損について民事責任を問う場合には、相手に対して損害賠償請求を行います。
まずは、内容証明郵便などで相手に直接請求を行うことが一般的でしょう。
相手と金額の折り合いがつかない場合や、相手が請求を無視している場合などには、裁判を提起することとなります。
裁判となった場合には、裁判所が判決によって賠償請額を決めますが、当事者間で合意できるならば途中で和解をすることも可能です。
(刑事責任を問う場合)刑事告訴をする
名誉毀損について刑事責任を問う場合には、警察や検察に対して刑事告訴をします。
相手に刑事責任を取らせたい場合には、弁護士とともに刑事告訴を行うことをおすすめします。
実際に慰謝料請求できた判例
SNSでのなりすましによる名誉毀損
SNS掲示板で被告が原告と同じアカウント名を使い、原告の顔写真をプロフィール画像に設定して原告になりすまし、他ユーザーを侮辱・罵倒する内容の投稿を行った事例です。
投稿が原告によってなされたものと誤解されたことで、原告の名誉権と肖像権が侵害されたと認められ、130万6,000円の損害賠償が命じられました。
(平成29年8月30日)
論文捏造を告発し名誉を毀損
国立大の研究者・総長である人物について、論文の捏造・改竄を告発する記事をホームページに掲載した事例です。
「公共の利害」「公益目的」という点は認められましたが、捏造・改竄を真実と見なすための証拠が不十分であることから、名誉毀損に当たるとされ、110万円の損害賠償と当該記事の削除、同ホームページへの謝罪文掲載が命じられました。
(平成25年8月29日)
市長である原告が週刊誌出版社を提訴した事例
原告である市長は、被告が運営するウェブサイト「FRIDAYデジタル」に「茨城守谷市長の『黒すぎる市政』に地方自治法違反疑惑」などと称する記事が掲載されたことについて、名誉毀損であるとして損害賠償請求を提起しました。※3
この事件では、被告である週刊誌出版社に対して165万円の支払いが命じられています。
なお、公共の利害に係る内容であり公益を目的としたものであれば、その内容が真実である限り法的責任は問われません。
このケースでは、記事内容が真実であるとの証拠が不十分であったことなどにより、損害賠償請求が認められました。
(平成30年12月10日)
まとめ
今回は、ありもしない噂を流され、名誉毀損の罪で訴えたい場合について解説しました。
「実際にこの状況で訴えることができるのか?」
「訴えるうえで今持ってる証拠で十分なのか?」
など、自分で判断することは難しいと思います。
また、その名誉棄損された事実や行った人物を知ってから半年以内に告訴しないと起訴をすることが出来ません。
また、名誉毀損罪の公訴時効は3年であるため、3年以上過ぎてしまうと処罰が難しくなってしまいます。
名誉毀損で相手を訴えることは、時間との勝負といっても過言ではありません。 そのため、自分で悩んでいるよりもまずは相談ください。
また、SNSアカウントの持ち主の特定、名誉棄損の証拠を集める為の調査も行っておりますので、困ったときは一度24時間無料相談窓口までお問い合わせください。
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