離婚を決めてから切りだすまでにやっておくこと
離婚は人生を変える大きな出来事となります。
離婚を決めたなら、新しい生活に向けてしっかり準備していきたいですね。
そのためにも子どもやお金の事についてしっかり計画しておく必要があります。
まずは離婚後のライフプランを立てておきましょう。
毎月の生活費がどれくらいになるのか、どのような働き方ができるのか、どんな所に住むのかなど、新しい生活が始まった時、どんな問題が出てくるのかを考えてみるのが大切です。
お金に関する情報を整理する
離婚を決めたら夫婦の年収や財産などを把握しておきましょう。
結婚後に夫婦で築いた財産を分け合うことになりますが、離婚を切りだした後では、相手の資産を確認することが困難になる場合があるからです。
夫婦の共有資産は、結婚後に夫婦で築いた財産です。
「夫の方が支払ってきた金額が多い」ケースがあるかもしれません。
しかし、妻の協力があってこその財産となるため、夫婦の共有財産となるのです。
証拠を残す
離婚の原因の多くは「性格の不一致」だと言われていますが、それだけでは離婚を認めてもらうのは難しいかもしれません。
夫婦関係が破綻していると証明できれば、主張が認められる可能性があります。
DVや浮気、モラルハラスメント、ギャンブルなどが原因で離婚を考える場合は、離婚を有利に進めるために証拠を残しておきましょう。
離婚届を勝手に提出されるのを防ぐ
通常、離婚届は夫婦間で合意の後、署名・押印し提出するものです。
しかし、合意が無かったとしても書面が整ってさえいれば受理されてしまいます。
離婚条件がまとまっていない状態で勝手に離婚届を出されてしまったとしても、受理されないよう「離婚届不受理申出書」を提出しておくと安心です。
離婚したいと打ち明けてからすること
離婚したいと打ち明けた後は、お金や子どもについての話し合いを進めていきます。
感情をぶつけ合っても話が進まないため、冷静に話し合う必要があります。
話し合いの内容は、メモや録音などで記録しておきましょう。
口約束だけでは、後々トラブルに発展する可能性があるためです。
話し合う内容
◆財産分与について
財産分与とは、結婚後に夫婦で築いた財産を分け合うことです。
収入の無い専業主婦(夫)であっても請求できますので、しっかり取り決めをすることが大切です。
財産分与の対象となる「夫婦共有財産」には、次のようなものがあります。
- 現金、預貯金
- 不動産
- 生命保険、学資保険
- 家財道具
- 退職金、年金
- 有価証券
- 貴金属
また、マイナスの財産として、住宅ローンや学資ローン、借金なども含まれます。
◆親権について
子どもに関しては、親の都合ばかりを押し付けるのではなく、子どもが幸せになることを考えておくのが大切です。
離婚するにあたって、どちらが親権をもち、どのように養育費を負担していくかの話し合いが必要になります。
◆離婚協議書について
離婚協議書は、話し合いで合意した内容を記録した書類です。
財産分与や慰謝料、親権者、養育費、面会交流について具体的に記載していきます。
ただし、離婚協議書は法的な効力が弱いため、離婚協議書をもとにして、公正証書を作っておくと安心です。
養育費などの支払いが滞った場合に強制執行ができるように、公正証書に強制執行認諾約款をつけておくといいでしょう。
話し合いがまとまらない場合は、離婚調停に進んでいきます。
こちらもチェック
離婚後の手続きと順番
離婚後に必要となる手続きは大変多く、優先順位をつけて進めていく必要があります。
名字や住所に変更の有り無し等、人によって内容が変わってくるため、変更内容をしっかりまとめておきましょう。
必要な手続きを把握できたら、それぞれの手続き場所や期限、必要書類を確認し、揃えていくと効率よく進められるでしょう。
最優先で行う必要のある手続きは、身分証明書として使える、マイナンバーカードや運転免許証、パスポートの変更です。
離婚届の提出と一緒にできる手続き
離婚しても旧姓に戻さない場合は、『離婚の際に称していた氏を称する届』を提出します。
提出期日が離婚から3ヵ月と短い期間になっているので、離婚届と同時に提出するのがいいでしょう。
早めに行う手続き
- 戸籍の手続き
離婚後は結婚前の戸籍に戻るか、旧姓に戻さない場合は新しい戸籍を作ることになります。
どちらを選ぶかによって手続き方法が変わってきます。
- 住民票の手続き
新しい住所が決まっている場合は転出・転居届を出します。
- 健康保険と年金の手続き
会社勤めの場合は会社へ連絡を入れ、扶養に入っていた場合は国民健康保険への加入が必要です。
年金に関しても同じように変更が必要となります。
支払いが困難な場合は減額や免除の制度があるため、市区町村へ問い合わせしてみましょう。
その他の手続き
- 年金分割
婚姻期間に納めた厚生年金を当事者間で分割できる制度です。
請求期限が離婚後2年となっておりますので、忘れないように手続きを進めましょう。
子どもに関する手続き
子の氏変更許可申し立て
両親が離婚しても、子どもの戸籍と姓は変わらないため、変更する場合は手続きが必要です。
父親の戸籍から抜け、母親の戸籍に移り、母親と同じ姓に変更する場合は、家庭裁判所の許可を得る必要があります。
子どもが15歳以上の場合は、本人が申し立てます。
ひとり親への公的支援
離婚後の生活のために活用したいのが児童扶養手当です。
この制度はひとり親家庭の子どものために、地方自治体から支給されるもので、条件を満たせば受け取れます。
その他に市区町村独自の支援もあるため、居住地でどのような支援があるのか確認してみましょう。
その他の手続き
離婚後に居住地が変わると、幼稚園や保育園、学校などの手続きが必要です。
住所変更や緊急連絡先が変わる場合などは、各幼稚園や保育園、学校などへ最新の情報を提供しなければなりません。
各施設のウェブサイトや担当の先生に確認してみましょう。