離婚後に元配偶者と浮気相手が交際しても問題はない?
離婚後の行動に制限を与えることはできない
前提として、離婚したあとに元配偶者の行動を制限するような約束・命令をすることはできません。
離婚した時点で配偶者=他人になるため、お互いが自分の意志で自由に行動することができます。
それゆえに誰と交際しても、誰と再婚しても問題がなく、もちろん相手が離婚の一因となった人物だったとしても非難はできません。
浮気された側からしたら悔しい思いもあるかもしれませんが、法的に認められている以上は受け入れるしかないでしょう。
離婚後は誓約書・接近禁止命令も無効になる
配偶者の浮気が発覚したとき、まずは再構築を選ぶという夫婦は少なくないものです。
その際、二度と浮気しないことを約束する「誓約書(示談書・和解書)」、また浮気相手に対し「配偶者への接近禁止命令」を取り交わすこともあるでしょう。
このような取り決めは、基本的に婚姻中のみ有効とされるものです。
よって、再構築後に何らかの理由で離婚に至り、離婚後に元配偶者と浮気相手の交際が再会しても誓約書違反・命令違反としてペナルティを与えることは不可能となります。
離婚後に婚姻中の浮気が発覚した場合は慰謝料請求が可能
性格の不一致や子供の教育方針の違いなど、何らかの理由で離婚した直後、元配偶者に恋人がいることを知ったらモヤモヤすることでしょう。
「もしかして離婚前から付き合っていたのでは?」
「浮気相手に本気になったから理由をつけて離婚されたのでは…」
と疑ってしまうのも無理はありません。
このような場合も慰謝料が請求できるケースとできないケースがあります。
【慰謝料が請求できるケース】
- 婚姻中に浮気をしていたことが証明できる証拠を持っている
- 相手が浮気していた事実を故意に隠し、別の理由で離婚を申し出てきた
- 二度と浮気をしないと誓約書を交わして再構築したにも関わらず、隠れて浮気相手と交際を続けていた
- 再構築中、接近禁止命令を出していたのに密かに接触していた
- 婚姻中、配偶者と浮気相手の交際が継続していることを知らなかった
- 浮気相手は、交際相手が既婚者と知りながら不倫をしていた
【慰謝料請求が難しいケース】
- 徹底的な証拠がなく、元配偶者も浮気相手も否認している
- 時効(浮気相手を知ってから3年、浮気の事実を知ってから20年)が過ぎている
- 離婚協議中に交際が開始した
- 離婚合意書に「これ以上請求しない」ことにサインをしている
慰謝料を請求する場合、元配偶者と浮気相手が婚姻中に浮気をしていたことが確実に証明できるか否かが重要になってきます。
ではどうしたら過去の浮気の証拠が集められるのか、次章で詳しく解説していきます。
離婚合意書に「これ以上請求しない」とサインしていたとしても、配偶者が浮気をしていることを知らなかった場合は「民法95条 錯誤無効」を主張し慰謝料請求をおこなうことは可能です。
ただし「元配偶者が浮気していることを知らなかった」ことを証明する必要があります。
難しい案件になるため、有利に話を進めたいときは法律のプロ・弁護士に相談することをおすすめします。
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過去の浮気の証拠の集め方|慰謝料の相場・探偵の調査費用も解説
過去の浮気の証拠集めは困難なことが多い
婚姻中であれば配偶者の持ち物を調べたり、スマホをチェックしたり、自分で尾行したりなどさまざまな方法で浮気の証拠を集めることができますが、離婚後だとそうはいきません。
自分で調べられる範囲は限られていますが、例えば次のような方法は試してみる価値はあるでしょう。
- 婚姻中に2人で使用していたパソコンの検索履歴・写真フォルダを調べる
- 婚姻中に2人で使用していた車のカーナビの履歴を調べる
- 共通の友人に頼んで聞き出してもらう
- 元配偶者や浮気相手の過去のSNSをチェックする
浮気の証拠は「肉体関係が複数回あったこと」を証明できるものが基本です。
過去のデータから浮気に繋がるようなものが見つかったとしても、肉体関係があったことを証明できなければ浮気の証拠としては薄いといえます。
共通の友人に頼んで元配偶者や浮気相手に自白を促してもらうこともできますが、負担をかけることになるのはもちろん、友人がミスをすれば元配偶者や浮気相手が「過去の浮気を探られている」と勘づくこともあるでしょう。
そうなればますます証拠が掴みにくくなってしまうため注意が必要です。
過去の浮気調査は探偵に相談するのがベスト
探偵の浮気調査は婚姻中におこなうのが基本ですが、なかには過去の浮気調査をおこなっているところもあります。
調査のプロ・探偵の特殊なスキルがあれば、自分で調べるよりもスムーズに、かつ相手にバレることなく情報収集をおこなうことができるでしょう。
【探偵の浮気調査の方法】
- 依頼者へのヒアリング
- 関係者(友人・知人・よく行く店のスタッフなど)への聞き込み調査
- 元配偶者と浮気相手のSNSを調査
ただし、難易度が高い調査となるため必ずしも証拠が掴めるとは限りません。
また、過去の浮気は時間が経過するごとに情報収集が困難になる傾向があります。
まずはいくつかの探偵事務所の無料相談を利用し、調査は可能か否か、また費用はいくらかかるのか、お尋ねしてみることをおすすめします。
過去の浮気調査は難易度が高いため、探偵事務所によってはおこなっていないところもあります。
あらかじめホームページをチェック、または電話やメールなどで相談してみましょう。
探偵の浮気調査はいくらかかる?調査費用の相場
探偵の浮気調査の費用は20〜100万円が相場です。
難易度が低いときは安く、逆に難易度が高い調査は時間を要するため高額になる傾向があります。
多くの探偵事務所で無料相談・無料見積もりをおこなっていますので、調査が可能か否か、また費用がいくらかかるのか、まずはお尋ねしてみるのがおすすめです。
見積もり時に安い金額を提示されても、最終的に調査時の交通費・宿泊費などの諸経費がプラスされるため注意しましょう。
いくら請求できる?慰謝料の相場
離婚の慰謝料の相場はケースバイケースですが、例えば配偶者の浮気が原因で離婚する場合は200万円~300万円になることが多いと考えられます。
しかし婚姻中の浮気が離婚後に発覚したケースは、「浮気による離婚」という因果関係が認められないため相場よりも少ないことが多いようです。
おおよそにはなりますが、50〜300万円程度が相場になるでしょう。
慰謝料が取れたとしても、探偵費用と弁護士費用を相殺すればマイナスになってしまうこともあります。
まずは探偵や弁護士に相談し、最終的に依頼すべきか否か慎重に検討しましょう。
浮気相手と結婚・再婚!その後は?幸せ・後悔の体験談
本記事を読んでいる人のなかには、もしかすると「浮気をシタ側」の人もいるかもしれません。
慰謝料を請求されるリスクは前述したとおりですが、参考までに浮気相手との結婚・再婚・略奪婚後に2人の関係にどのような変化が生まれるのか、各種SNSやYahoo!知恵袋などに寄せられた体験談を要約し紹介していきます。
浮気相手との結婚・再婚後に幸せになった人の体験談
- 浮気相手と再婚し多幸感に満ちている
- 離婚という大きな壁を乗り越えたからこそ絆が強くなった
- 元配偶者のDV・モラハラから解放され安堵している
- 子供も新しい父親・母親を慕っている
浮気相手との再婚・結婚を果たし、幸せな家庭を築いているという体験談が見つかりました。
さまざまな壁を乗り越えたからこそ、より一層2人の心の繋がりが深くなり、「幸せになろう」という強い思いが形になって現れているようです。
離婚後に交際・結婚・再婚したが後悔している
- いつか飽きられるのではないかと不安が付きまとう
- 若さがなくなったら捨てられるのではないか心配
- 浮気を疑われ、束縛される。信頼されていないようで辛い。
- 結婚し子供が生まれたが、相手が父親・母親の自覚が芽生えない
- 交際前は優しくて包容力があったのに、結婚後にDV・モラハラ気質なことが判明した
- 元家族への慰謝料・養育費が家計が圧迫し経済的にきつい
- お互いに「こんなはずじゃなかった」の連続
- 別れて元配偶者の良さを実感している。離婚しなければよかった。
- 社会的立場を失った
浮気・不倫をしているあいだは楽しかったはずなのに、いざリアルな生活を共にするとうまくいかなくなったという声が目立ちました。
また「親から勘当された」「友達を失った」「職場にいづらくなり退職した」など夫婦関係以外に悪影響が出ている人も多いようです。
幸せになるのか後悔するのかは2人次第
幸せになるのか後悔するのかは2人次第ですが、ひとつの家庭を壊したという過去は変えられません。
慰謝料という償いをおこなっていないときは、離婚後に請求されるケースも無きにしも非ずです。
特に「婚姻中の浮気を隠していた」「誓約書や接近禁止命令に違反する事実があった」という場合は、請求される前に清算の申し出を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
離婚後、元配偶者の行動を制限するような取り決めをすることは基本的に不可能です。
よって、本配偶者が誰かと交際を始めても法的な問題はないと考えられます。
しかし「離婚前にも隠れて浮気をしていた」
「接近禁止命令を出していたのに密かに交際を続けていた」
などといった場合、事実が確認できる証拠があれば慰謝料を請求することは可能です。
過去の浮気の証拠を集めるのは非常に困難であるため、できれば調査のプロ・探偵に依頼することをおすすめします。
多くの探偵事務所で無料見積もり相談をおこなっていますので、気持ちを切り替えるためにも、過去にピリオドをつけて前向きに生きるためにも、まずは気軽な相談からはじめてみることをおすすめいたします。