どこからがストーカー?判断基準を解説
まずはどのような言動がストーカーにあたるのか、国が定めた法律「ストーカー規制法」をみてみましょう。
- つきまとい・待ち伏せ・押し掛け・うろつき等
- 監視していると告げる行為
- 面会や交際の要求
- 乱暴な言動
- 無言電話、連続した電話・ファクシミリ・電子メール・SNS・文書等
- 汚物等の送付
- 名誉を傷つける
- 性的しゅう恥心の侵害
- GPS機器等を用いて位置情報を取得する行為
- GPS機器等を取り付ける行為等
参照元:警視庁「ストーカー規制法」
上記の行為は、すべてストーカー規制法に違反する犯罪行為です。
ストーカー規制法に違反したときは、段階に応じて「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」「2年以下の懲役又は200万円以下の罰金」「6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金」に処せられます。
ストーカーされているかもしれないと感じたときは、早めに対処し深刻な事件に繋げないようにすることが重要です。
ストーカー犯の嫌がることとは?効果的な5つの方法
方法1. 引っ越しをする
ストーカーに住所を知られている場合は、引越しをして物理的に距離を取るのもひとつの方法です。
とはいえ、普通に引っ越しをするだけでは新しい住居を突き止められる恐れがあるため、時間をかけながら慎重に進める必要があります。
- 引っ越し業者に頼まず、少しずつ荷物を移すようにする
- 小分けした荷物を第三者に運んでもらう
- 一度に大量のゴミを出さない
- 職場(または学校)から新居まで尾行されないよう気を付ける
- 引っ越しをしたことを周囲に話さない
- 引っ越しと同時に転職する
- 住民票の閲覧制限と交付制限を申請する
ツメが甘いと再び居場所を特定される恐れがあります。
引っ越ししてからも数年間は警戒を続けるようにしましょう。
方法2. 生活パターンを悟られないようにする
家を出る時間や帰宅時間などがある程度決まっている人は、待ち伏せや付きまとい被害にあいやすくなります。
防衛するためにもできるだけ生活パターンを変え、ストーカー犯から行方をくらましましょう。
- 通勤・通学の時間やルートを毎日変える
- 家を出るときと帰宅時のファッションやヘアスタイルを変える(変装する)
- 交通手段を小まめに変える
- 帰宅時間を悟られない(帰宅後すぐに電気をつけない、洗濯物は外に干さない)
- 職場や施設に出入りするときは、入り口と出口を変える
- ときには自宅に帰らず、ホテルなどに宿泊する
ストーカー犯は、相手の居場所や生活状況が分からなくなることを嫌います。
生活リズムに変化を取り入れ、日常生活がワンパターン化しないよう気を付けましょう。
方法3. 監視カメラの設置
自宅で待ち伏せされることが多い場合は、玄関や駐車場、ベランダなどに防犯カメラの設置をするのも有効な方法です。
ストーカー犯は自分に不利益が及ぶのも嫌がる傾向があり、「撮影している」と示すことが迷惑行為の抑制に繋がることがあります。
- ダミーのカメラではなく、本物の防犯カメラをつける
- 夜間や暗闇でも撮影できるよう赤外線暗視型の防犯カメラがよい
- 必要に応じて人感センサーライトも取り付ける
防犯カメラの設置は迷惑行為の抑制効果があるだけでなく、被害を立証する証拠獲得にもつながる手段です。
セキュリティー会社や警備会社によっては、環境に適した防犯カメラの提案・設置・レンタルをおこなっています。
購入するのかレンタルにするのか、家族で相談しましょう。
方法4. 嫌がる言葉をかける
高度な対抗策になりますが、ストーカー犯と顔見知り、かつ会話できる間柄のときは「嫌がる言葉」で対抗するのも有効です。
【ストーカー犯が男性の場合に効く言葉】
- あなたに好意をもっていない
- 魅力を感じない
- 興味がない
- あなたの行動に迷惑しているので、第三者に相談します
【ストーカー犯が女性の場合に効く言葉】
- あなたがしていることはストーカー行為にあたる犯罪です
- あなたの言動に恐怖を感じています
- 次に迷惑行為をしたときは弁護士に相談します
ストーカー犯が男性・女性、どちらの場合もヘタに刺激すると思わぬ反撃にあう恐れがあります。
特に、1対1での会話は危険を伴う行為です。
相手と普通に会話ができる関係ではない場合は、嫌がる言葉をかけるのは極力控えるようにしましょう。
方法5. 警察・専門家に相談する
1日も早くストーカー被害から解放されたいときは、警察や専門家への相談をおすすめします。
プロに相談すると最適な防衛策やアドバイスが貰えたり、解決への糸口が見つかったり、早い段階で迷惑行為をやめさせることが可能です。
相談する際は、ストーカー被害が立証できる証拠が必要になることがあります。
詳しくは記事後半の「ストーカーに悩んだときの相談先」を参考にしてください。
【やってはいけない】ストーカー犯を刺激する行為
ストーカー犯は刺激されたことがきっかけで危害を加えてくることがあります。
ストーカー犯の性格や目的、状況によって刺激になる行為は異なりますが、一般的に危険だといわれているのは次のような行為です。
- ひたすら反応しない、無視し続ける
- すべての連絡手段を絶つ
- SNSでストーカー被害を発信する
- 大きな声で注意する、怒鳴る
- 家族や交際相手、友達などに協力を仰ぐ
上記はすべてやってはいけない行為です。
なかでも特に気を付けたいのが「家族や交際相手、友達などに協力を仰ぐ」行為になり、犯人が「協力してくれた人物=2人の愛を邪魔する人」と認識する恐れがあります。
危害を加えるなど取り返しのつかない事態に繋がることもあるため、くれぐれもご注意ください。
ストーカーに悩んだときの相談先
相談する前の準備
これからストーカー被害にあったときの適切な相談窓口を紹介しますが、いずれの場合も現状を詳しく説明する必要があります。
スムーズに話が進められるよう、相談前に準備をしておきましょう。
- 犯人の情報(分かる範囲で名前・年齢・連絡先・車のナンバーなど)
- 犯人との関係(元交際相手・知人・職場関係者など)
- 被害にあった日時・場所をまとめたメモ
- 被害にあったことを証明するための証拠(着信履歴・電話内容の録音・動画・写真・スマホ
- 送信されたメールやメッセージなど)
情報はあればあるほど有利ですが、犯人が誰だか分からないときや証拠がない場合も相談は可能です。
できるだけ相手に伝わるよう、順序立ててまとめておきましょう。
相談先1. 警察
ストーカー被害にあったとき、まず相談すべき先は警察です。
最寄りの警察に出向くか、または警察相談専用電話「#9110」にて相談しましょう。
【警察に相談することで得られるメリット】
- ストーカー犯への注意、段階に応じて警告、禁止命令、逮捕など
- パトロールの強化
- 状況に応じた防護方法のアドバイス
- 被害者の保護措置
ただし警察がほかの大きな事件や事故を抱えているときや人員が確保できない場合、また事件性に繋がる恐れがないときは対応が遅くなることがあります。
積極的な捜査や迅速な対応が期待できないこともあるため、警察と並行し「相談先2. ホームセキュリティー会社・警備会社」「相談先3. 探偵事務所」にも相談しておくことをおすすめします。
相談先2. ホームセキュリティー会社・警備会社
ホームセキュリティー会社や警備会社は、契約者の警護サービスをおこなう民間の機関です。
近年はストーカー被害向けのプランを設けているところも多く、相談しやすい体制が整っています。
【ホームセキュリティー会社・警備会社ができること】
- 緊急時の駆けつけ・出動
- 防犯カメラの提案・設置・貸し出し
- 防犯グッズの貸し出し
- 盗聴器や隠しカメラの探索
- 鍵交換サービス
料金は月額3000〜10000円程度が多いようです。
自分に適したプランの有無があるか、費用はどの程度になるのか、気になる場合は相談・見積りをおこないましょう。
相談先3. 探偵事務所
ストーカー被害の確実な証拠を掴みたいとき、またストーカー犯を特定したいときは探偵事務所への相談が有効です。
探偵は調査のプロであり、高度なスキルを用いて迅速に証拠の獲得や犯人の特定に努めています。
【探偵ができること】
- ストーカー犯の特定(名前・職業・住居・家族構成など)
- ストーカー被害の証拠撮影
- 盗聴器や隠しカメラの探索・撤去
- 防犯面での提案
- 弁護士と提携し法的手続きのアドバイス
- インターネットを介したネットストーカーの調査・対処
調査料金は調査期間や難易度などにより異なりますが、だいたい10~60万円が相場です。
ほとんどの探偵事務所では無料相談・無料見積もりをおこなっていますので、ストーカー被害に悩んでいる人は一度相談してみましょう。
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