妊娠詐欺とはどんな詐欺?
『パートナーから妊娠していると告げられて、中絶の費用などを渡したら、連絡が取れなくなってしまった。』
などと、妊娠を利用して、金銭を騙し取る詐欺のことを、妊娠詐欺と言います。
実は近年、妊娠を利用した詐欺が増加している傾向があります。
そして、妊娠詐欺も立派な犯罪ですので、少しでも怪しいと感じたらすぐに対処をする必要があります。
しかし、パートナーから妊娠を告げられただけだと、それが詐欺ということはすぐに気付けないのが実情です。
少しでも早く気づくためにも、まずは妊娠詐欺というものがどういう詐欺なのかということを理解しておきましょう。
妊娠詐欺は、上記で挙げた
『パートナーから妊娠していると告げられて、中絶の費用などを渡したら、連絡が取れなくなってしまった。』
と、嘘をつかれてお金を騙し取られるケースの他にもさまざまなケースがあります。
例えば、以下のような3つのパターンが存在します。
- 嘘をついてお金を騙し取るパターン
- 実際に妊娠していることを利用してお金を騙し取るパターン
- 美人局を利用したパターン
これらの妊娠詐欺のケースについて、それぞれ説明をしていきます。
嘘をついてお金を騙し取るパターン
実際には妊娠していないにも関わらず、『妊娠した。』と告げられ、中絶の費用などを請求され、そのままパートナーと連絡が取れなくなってしまうケースです。
このケースは、不特定多数の人と出会いやすいマッチングアプリで多発している事例でもあります。
もちろんパートナー(加害者)は、交際することを目的としておらず、最初から妊娠詐欺を利用して、被害者からお金を騙し取ることを目的としています。
そして、大抵の場合は、性交渉をしてしばらく時間が経ってから、突然パートナー(加害者)から『妊娠したからどうにかして。』と連絡が来て、被害者は考える間もなく加害者にお金を渡してしまうのです。
お金を渡した後に、連絡が一切取れなくなってしまい、そこでようやく被害者は『詐欺にあった。』と気づきます。
実際に妊娠していることを利用してお金を騙し取るパターン
妊娠詐欺には、実際に妊娠していないにも関わらず妊娠していると嘘をつくパターンがありますが、反対に妊娠していることをうまく利用してお金を騙し取るパターンもあります。
具体的には、他の男性との子を妊娠していることを利用して、被害者に『あなたと性交渉をしたら妊娠した。』と嘘をついて、中絶の費用などを請求するケースが挙げられます。
この場合は、本当に妊娠しているので、診断書やエコー写真の原本を見せられることが多いです。
そのため、被害者も『本当に妊娠させてしまったかもしれない。』と信じてしまい、お金を渡してしまいます。
このパターンも加害者から連絡が取れなくなってしまった後に、詐欺だと気づくことが多く、すぐに見抜くことが難しいのが実情です。
美人局を利用したパターン
妊娠詐欺は、上記で挙げた2つのパターン以外にも美人局を利用した場合のパターンも存在します。
具体的には、独身だと思っていた女性と性交渉をした後に、その女性の夫と名乗る人物から『慰謝料を払え。』と、お金を支払うことを求められるケースです。
前述しました通り、こういったケースは美人局と言い、非常に悪質な詐欺行為にあたります。
加害者の協力者を登場させることにより、被害者は『支払わなくてはいけない。』という義務が強くなり、詐欺師側はよりお金を騙し取りやすくなるのです。
妊娠詐欺に遭ったら、警察は対応してくれるのか?
妊娠詐欺には
『妊娠していることを嘘をついてお金を騙し取るパターン』
『実際に妊娠していることを利用してお金を騙し取るパターン』
『美人局を利用するパターン』
の主に3つの手口があるということがわかりました。
いずれのケースも非常に悪質で、被害に遭ってしまったら早い段階で対処をしたいと考えるでしょう。
しかし、こういった被害は、警察に相談すると対応してくれるものなのか、気になる方もいらっしゃるはずです。
一見、個人間のトラブルと思われがちですが、こういった被害に遭ってしまった際は、警察に相談をすべきなのでしょうか?
結論から申し上げますと、妊娠詐欺の被害に遭ってしまった際は、すぐに警察に相談することをおすすめします。
妊娠詐欺も、詐欺の一種ですので、状況によっては詐欺罪や恐喝罪に該当され、逮捕することができます。
しかし、証拠が不十分な場合は、逮捕までに至ることが難しいのが実情です。
必ず、相談をする際に、『詐欺に遭ってしまった。』ということがわかる証拠を持ち込んだうえで、被害届を提出するようにしましょう。
詐欺に遭った証拠には、以下のようなものを持ち込むことで、警察の対応がスムーズにいきます。
- 加害者の個人情報
- メールやLINE、通話履歴などの加害者とのやりとり
- 加害者から見せられた診断書やエコー写真の原本
- 加害者の銀行口座
もしも、
『これらの証拠がない。』
『証拠を集めたけど警察から不十分と言われてしまった。』
という場合は、自分だけで証拠を集めるだけではなく、素行調査を得意としている探偵に証拠集めを手伝ってもらうのも良いでしょう。
探偵に調査を依頼することにより、被害時の証拠を細かく集められるのはもちろん、細かい犯人像も特定できる可能性があります。
『細かい証拠を得て、できるだけ早めに加害者を逮捕してほしい。』
と考えているのであれば、警察に相談をする前に探偵に相談することもぜひ検討してみてくださいね。
また、被害届が受理されたら、警察は捜査を進めてくれますが、警察が対応できることは、加害者を逮捕したり罰則を与えることのみです。
加害者から騙し取られてしまったお金を取り戻す場合は、弁護士に相談して対応してもらう必要があります。
妊娠詐欺を未然に防ぐ対処法4選
妊娠を利用して、お金を騙し取る悪質な行為である妊娠詐欺ですが、そもそもこういった被害を未然に防ぐにはどうすればいいのでしょうか?
以下のような対処法を行うことにより、被害を避けることができます。
- 自分から避妊しなくていいという女性と性交渉をしない
- 知らない人と簡単に性交渉をしない
- 個人情報を教えない
- 診断書などの原本を見せてもらうよう促す
現在、パートナーや性交渉をした知人から突然妊娠したと告げられてお悩みの方や、これから女性と交際する中で妊娠詐欺の被害に遭いたくないと考えている方は、これから解説する対処法をぜひ行い、未然に被害を防ぎましょう。
自分から避妊しなくていいという女性と性交渉をしない
『ゴムなしでしたい。』などと、自分から避妊しなくていいことを伝えてくる女性とは簡単に性交渉しないようにしましょう。
普通の女性であれば、妊娠のリスクや性病にかかってしまうリスクなどを恐れ、こういったことを簡単に言いません。
しかし、妊娠詐欺をする女性は、少しでもお金を騙し取りやすくするためにも、『避妊しなくていい。』と相手を誘惑して性交渉を行うのです。
男性の中には、『ゴムなしでいいんだ!』と良い風に捉えてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、そう思う前に妊娠詐欺である可能性を疑うようにしましょう。
知らない人と簡単に性交渉をしない
完全に妊娠詐欺を避けるのであれば、知らない人と簡単に性交渉をしないことが一番です。
近年では、マッチングアプリなどで気軽に素性のわからない人と知り合える機会が増えてきています。
そのような媒体を使って、女性と性交渉をする機会を作る方もいらっしゃるでしょう。
しかし、全ての女性が良い人とは限りません。
中には、自分の素性がわからないということをうまく利用して、妊娠詐欺をして、お金を騙し取ることを目的としている女性もいます。
自分の素性がわからなければ、いくら相手に嘘をついても雲隠れできる可能性が高いからです。
女性と気軽に性交渉できることに『ラッキー』と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、詐欺に遭ってしまうかもしれないというリスクが伴うので、できる限り知らない人と性交渉をすることは避けましょう。
個人情報を教えない
詐欺師の中には、被害者の個人情報を恐喝の材料として利用する場合もあります。
例えば、美人局の被害に遭ってしまい、加害者の協力者から『慰謝料を支払わないと、家族や職場にバラすぞ。』などと言われるケースがあります。
そのような被害に遭わないようにするためにも、むやみに個人情報を教えないようにしましょう。
もしも、女性と会う場合は、個人情報を知られないようにするためにも、身分証などを持ち歩かないようにすることをおすすめします。
診断書などの原本を見せてもらうよう促す
突然妊娠を告げられて、『妊娠詐欺かもしれない。』と怪しく思ったら、相手の女性に診断書やエコー写真などの原本を見せてもらうよう促しましょう。
診断書やエコー写真を見せてくる女性の中には、原本を見せずにメールやLINEでデータを添付してくる人もいらっしゃいます。
しかし、データの場合は、インターネット上の画像を悪用していたり、自分で加工しているケースも十分に考えられます。
必ず、原本を見せてもらい、本当に妊娠したかどうか確認するようにしましょう。
ただし、他の男性との子を妊娠しているなど、実際に妊娠していることを利用してお金を騙し取ろうとしている場合は、診断書やエコー写真の原本も手に入れやすいので、この方法で対処することは難しいです。
『妊娠詐欺かも?』と思ってもやってはいけないこと
避妊しないことを勧める女性や素性の知らない女性などと、簡単に性交渉をしないことにより、妊娠詐欺を十分に避けることができます。
また、むやみに自分の情報を教えすぎると、加害者に個人情報を良いように使われてしまうリスクがあります。
これらの対処を行うことにより、妊娠詐欺を避けられますが、もうすでに現在パートナーや知人から『妊娠している。』と告げられていて、対応に悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、このように告げられて最初から疑ってしまったり、ひとまずお金を支払ってしまうのはNGです。
最後に、『妊娠詐欺かもしれない。』と思っても、やってはいけないことについて解説をしていきます。
本当に妊娠しているかわからないのにお金を支払ってしまう
『妊娠したから、中絶の費用を支払って。』
などと言われても、本当に妊娠しているかわからない状況でお金を支払ってしまうのは絶対にやめましょう。
お金を支払うとしても、必ず相手の女性が妊娠しているかを確認してから、支払うようにしましょう。
何もわからない状況でとりあえず支払ってしまうと、どんどん行動がエスカレートして中絶の費用だけではなく、別の名目でお金を請求してくる可能性があります。
初めから無視してしまう
『どうせ妊娠詐欺だろう。』
と初めから無視してしまうのも絶対にやめましょう。
女性から『妊娠した。』と告げられて、本当に妊娠していたというケースもよくある話です。
妊娠しているのにも関わらず無視してしまうと、中絶できなくなってしまったり、最終的には出産することになってしまいます。
出産すると、生まれた子供に相続権が発生するのはもちろん、養育費などを支払う義務が伴います。
また、妊娠している女性のことを無視してしまうと、200万円の慰謝料を請求されたという事例もあります。
妊娠詐欺は、非常に悪質な詐欺ですし、被害に遭わないようにするためには無視するのが最善だと思われがちです。
しかし本当にあなたとの子供を妊娠していた場合は、慰謝料請求等の大きなリスクを伴う可能性があるので、必ず目を背けず、一度相手の女性と向き合うようにしてくださいね。
少しでも『妊娠詐欺かも?』と思ったら、探偵に相談しましょう
妊娠詐欺は、嘘をついてお金を騙し取るパターンや実際の妊娠を利用してお金を騙し取るパターンなど、さまざまな手口がありますが、いずれも非常に悪質な行為です。
これらの被害を避けるには、マッチングアプリなどで知り合った女性と簡単に性交渉をしないようにしたり、個人情報を教えないようにすることで、未然に対処することができます。
また、『妊娠した。』と告げられたら、診断書などの原本を見せてもらうよう促すことで、本当に妊娠しているかどうかを確認することができるでしょう。
しかし、妊娠詐欺は被害に遭ってしまった後だとなかなか気づきにくいものです。
確実に詐欺に遭ってしまったという証拠があるのであれば、警察に相談をすることにより対応をしてくれますが、証拠が不十分である場合などは、対応が難しいこともあります。
そのような場合は、自分で証拠を集めなおしたり、探偵に調査を依頼して、証拠を集めてもらうようにしましょう。
素行調査を取り扱っている探偵では、妊娠の可能性がある女性の行動を調査して、詐欺に遭ったという証拠集めをするのはもちろん、相手の人間像なども調べていきます。
『明確に証拠を集めて加害者を処罰したい。』
と考えているのであれば、まずは探偵に依頼することも検討してみてはいかがでしょうか?
また、
『妊娠したと言われたけど、本当に妊娠詐欺なのか気になる。』
『最近、妊娠してしまった女性にお金を渡してしまった。』
などと、少しでも妊娠詐欺の可能性が考えられる場合でも、一人で悩まず、ぜひ一度探偵にご相談くださいね。