国際ロマンス詐欺の逮捕事例から学ぶ被害防止と対策

国際ロマンス詐欺の逮捕事例から学ぶ被害防止と対策

2025.02.13 / # 詐欺被害調査

近年、SNSやマッチングアプリを通じた国際ロマンス詐欺が急増しています。 外国人を装った詐欺師がターゲットを巧みに騙し、多額の金銭を要求するケースが後を絶ちません。 特に、海外在住の軍人や医師を名乗る手口が多く見られ、信頼を得た後に金銭的支援を求めるという流れが一般的です。 この記事では、実際の逮捕事例を基に、国際ロマンス詐欺の手口や逮捕に至るまでのポイント、そして被害を防ぐための具体的な方法について詳しく解説します。 詐欺の被害を未然に避けるためにも、本記事の内容をしっかり理解しましょう。

国際ロマンス詐欺とは?

お金が散らばっている様子
国際ロマンス詐欺とは、インターネット上で恋愛を装い、ターゲットから金銭をだまし取る犯罪のことです。

主にSNSやマッチングアプリで多発しており、近年被害者が増加している傾向があります。

国際ロマンス詐欺は、加害者が外国人になりすまし、ターゲットに優しい言葉を投げかけ近づきます。

そして、恋愛感情を抱かせ、ターゲットに送金や投資の話を持ちかけ、金銭をだまし取るといった手段で行われます。

この犯罪は、男女どの年代の人が被害に遭ってもおかしくないものですが、特に中年層の男女が被害に遭いやすい傾向があります。

警視庁が令和6年に公表した統計によると以下の結果が出たことがわかりました。

  • 男女ともに被害者は多いが、全体的に見ると男性の方が被害に遭いやすい傾向がある。

→被害者1,498人に対して男性の被害者が933人と6割を超える結果である。

  • 被害者の年齢層は男女によって異なる。

→男性の場合は50〜60歳、女性の場合は40〜50歳に多い傾向がある。

出典:「SNS型ロマンス詐欺」-警視庁

このような結果があることから、特に中年層の方々にはSNSやマッチングサプリで他人とやり取りする際は気を付けるべきだと言えます。

もちろん中年層以外の方の被害も多発しています。

そのためインターネット上で他人とやり取りすることが多い方は、しっかりと詐欺の危険性を理解し、被害に遭わないようにするための対策を日頃から講じるようにしましょう。

国際ロマンス詐欺の悪質な手口

携帯画面をスクロールしてLINEを見ている様子
先述の通り、国際ロマンス詐欺はいつ誰が被害に遭ってもおかしくない犯罪です。

しかし、具体的な手口を理解しないと、詐欺の被害を防ぐのは難しいでしょう。

ここからは、国際ロマンス詐欺の具体的な手口についてご紹介します。

SNSやマッチングアプリでの具体的な手口

先述の通り、国際ロマンス詐欺はInstagramなどのSNSやマッチングアプリで多発している犯罪です。

詐欺師は、これらの媒体で偽のプロフィールと専門家が撮影したかのような写真を使用して信用を獲得しようとします。

こうした媒体を利用し、リアルな生活を演出することで、被害者の警戒心を解いていき、恋愛感情を抱かせます。

被害者が詐欺師のことを信用するようになったタイミングで「家族が病気になった」「緊急の資金が必要」などの理由を挙げて金銭を要求し、被害者に送金を促すのが国際ロマンス詐欺の典型的な流れです。

国際ロマンス詐欺の詐欺師は、外国に住んでいるという設定を用いるケースが多く、直接会うことを避けながら関係を進展させます。

そのため、被害者は詐欺に気づけず、そのまま罠にはまってしまうのです。

国際ロマンス詐欺の逮捕事例と実態

お札の上に手錠が置いてある様子
近年、国際ロマンス詐欺の被害が拡大する中、法執行機関の取り締まりも強化されています。

ここからは、近年の逮捕事例から詐欺の実態をご紹介します。

具体的な事例を知り、国際ロマンス詐欺がどのような犯罪なのかをより深く知っておきましょう。

①外国人国籍の男性が日本人女性に装って国際ロマンス詐欺を仕掛けた事例

2024年6月、警視庁が国際ロマンス詐欺集団の主犯格であるナイジェリア国籍の男性を逮捕しました。

この事件では、詐欺師がSNSを使って女性になりすまし、遺産相続を装って被害者男性から約600万円を騙し取っていました。

さらに、この集団は20人以上から総額約3億7千万円を詐取した疑いがあり、組織的な犯行と日本の犯罪組織との結びつきが明らかになりました。

このように外国人が日本人になりすまして詐欺行為を行うケースもあります。

出典:「国際ロマンス詐欺集団、主犯格ナイジェリア人逮捕 SNSで女性装う」-朝日新聞

②投資話を持ちかけられた事例

2024年4月に50代の女性が総額1億5千万円をだまし取られる国際ロマンス詐欺の被害に遭ったことが兵庫県警より発表されました。

この事件では、女性がInstagramを通じて知り合った日系アメリカ人の男性とLINEで連絡を取り合うようになり、そこから詐欺の被害に遭ってしまったというものです。

優しい言葉を伝えられた後、女性も好意を抱き、その後相手から投資の話を持ちかけられ、指定された口座に金銭を振り込むよう促されたそうです。

女性は17回にわたって金銭を振り込みましたが、次第に不信感を抱き、インターネットで検索をしたところ、国際ロマンス詐欺の可能性が高いと気づき、警察に被害届を提出しました。

警察でも国際ロマンス詐欺の手口であると判断し、捜査を進めています。

このように、単純に金銭を振り込むことを促すだけでなく、投資話を持ちかけて振り込ませるケースもあるのです。

出典:「「愛してる」繰り返され…59歳女性、1.5億円のロマンス詐欺被害」-朝日新聞

国際ロマンス詐欺で逮捕に至る捜査のポイント

男性探偵が指を指して正面を見ている様子
先述した通り、国際ロマンス詐欺はただ詐欺師が外国人になりすましてお金をだまし取るだけでなく、外国人の詐欺師が日本人になりすましたり、投資話を持ちかけたりするケースもあるのです。

国際ロマンス詐欺にはさまざまなケースがあるため、見極めるのが難しいのが実情ですが、少しでも怪しいと感じたら、警察などの専門家に相談するようにしましょう。

ここでは、国際ロマンス詐欺で逮捕に至るまでの手がかりになる4つのポイントを紹介します。

警察では捜査の際、以下のポイントを重要視しています。

  • 被害者の証言

詐欺の手口や犯人像の特定に役立ちます。

  • デジタル証拠の解析

SNSやメッセージアプリでのやり取り、送金記録が重要です。

  • 国際的な協力

各国の警察機関が連携して捜査を進めます。

  • 金融取引の追跡

不正送金の追跡で犯罪組織の全容を解明します。

先述した事例は、国際ロマンス詐欺の深刻さと複雑さを示すと同時に、捜査機関の努力も浮き彫りにしています。

これらの事例から詐欺の手口を理解し、自分を守る警戒心を高めることが大切です。

国際ロマンス詐欺を見抜くための具体的な方法


国際ロマンス詐欺の被害に遭わないためには、詐欺の兆候を早期に見抜くことが重要です。

ここからは、詐欺を見破るための具体的な方法を紹介します。

プロフィールと画像の慎重な確認

国際ロマンス詐欺の詐欺師かどうか見抜くには、まずプロフィールや画像を確認することが大切です。

詐欺師が使用する画像やプロフィールには、共通する特徴があります。

画像を確認する際は、Google画像検索などを活用して、相手のプロフィール写真が他の場所でも使われていないか確認しましょう。

特に、軍人や医師の写真が使われている場合は要注意です。

また、プロフィール情報が不自然に完璧すぎたり、逆に曖昧すぎたりする場合も警戒が必要です。

これらの点に注意を払うことで、詐欺の可能性を早期に発見できる場合があります。

不自然なコミュニケーションパターンに注目

詐欺師は多くの場合、定型文を使用したり、機械翻訳を利用したりするケースが多いです。

そのため、文章の不自然さや、質問に対する回答の的確さなどを注意深く観察しましょう。

会話の流れが不自然だったり、質問に対する回答がずれていたりする場合は、詐欺の可能性を疑う必要があります。

自然な会話ができているかどうかを常に意識することが、詐欺を見抜く重要なポイントとなります。

突然の金銭要求には警戒を

詐欺師は、最初は親密な関係を築くことに専念しますが、最終的には金銭的な支援を求めてきます。

「緊急の資金が必要」や「家族が病気になった」などの理由でお金を要求された場合、それが詐欺である可能性が非常に高いです。

また、ただ金銭を求められるだけでなく、株やFXなどの投資話を持ちかけられた場合も要注意です。

どんな理由であっても会ったことのない相手から金銭を求められた場合は、すぐに警戒してくださいね。

親密な関係になったと感じても、実際に会ったことがない相手にお金を送ることは避けましょう。

個人情報の提供には細心の注意を

詐欺師は、ターゲットの写真や個人情報を要求することがあります。

これらの情報は、後の脅迫や別の詐欺に利用される可能性があるため、簡単に提供しないよう注意が必要です。

オンライン上での個人情報の取り扱いには常に慎重であるべきですが、特に知り合って間もない相手には、個人を特定できるような情報を提供しないことが重要です。

自分の個人情報を守ることが、詐欺被害を防ぐ重要な一歩となります。

国際ロマンス詐欺の被害に遭った場合の対処法

麦わら帽子を被った女性の後ろ姿
万が一、国際ロマンス詐欺に巻き込まれてしまった場合、迅速な対応が重要です。

ここでは、詐欺被害に遭った場合の基本的なステップを説明します。

警察への迅速な報告

国際ロマンス詐欺の被害に気づいたら、速やかに警察に相談しましょう。

この際、詐欺師とのメッセージの履歴や送金に関する証拠を可能な限り保存することが重要です。

これらの情報は警察の捜査に役立ちます。

また、相談をする際は、インターネット犯罪に詳しい専門部署に問い合わせすることで、より適切な対応が期待できます。

専門家による法的サポート

被害の回復や法的措置を検討する場合、弁護士や探偵事務所などの専門家に依頼することが有効です。

専門家は、詐欺師の特定や証拠収集をサポートし、必要な法的手続きを進めるための助言を提供します。

また、被害額が大きい場合や詐欺師が国際的に活動している場合は、国際的な機関や連携も必要になることがあります。

詐欺師が海外にいる可能性が高い場合は、海外調査を行っている探偵事務所に相談するのがおすすめです。

当社「T.L探偵事務所」でも海外調査を実施することは可能ですので、「国際ロマンス詐欺かも?」と気づいた場合は、お気軽にご相談ください。

金融機関への迅速な連絡

送金した場合は、すぐに利用した金融機関に連絡し、取引の取り消しや凍結を依頼しましょう。

迅速な対応により、被害を最小限に抑えられる可能性があります。

時間が経過するほど資金の回収が難しくなるため、できるだけ早く行動することが重要です。

心理的ケアの重要性

詐欺被害は金銭的な損失だけでなく、心理的にも大きな影響を与える可能性があります。

自分を責めたり不安、怒りなど、様々な感情に襲われることがあります。

必要に応じて、カウンセリングなどの専門的なサポートを受けることを検討しましょう。

心のケアは、被害からの回復と今後の生活を立て直す上で非常に重要です。

国際ロマンス詐欺かも?と気づいたら専門家への相談が重要

国際ロマンス詐欺は巧妙な手口で多くの人々を狙っていますが、警戒心を持ち、早期に兆候を見抜くことで被害を防げます。

特に、被害が多発している傾向があるSNSやマッチングアプリを利用している場合は注意が必要です。

もし「SNSで知り合った外国人にお金を振り込んでしまった」などと国際ロマンス詐欺の被害に遭ってしまった場合、一人で抱え込まず専門家に相談するようにしましょう。

T.L探偵事務所では、国際ロマンス詐欺を含む様々なトラブルの調査を行っています。

周囲に知られずに調査を進められるので、被害に遭われた方や不安を感じている方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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